北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 5月15日付

療養入基等のデータ提出加算、22年3月まで届け出を

 厚生労働省は、2020年度のデータ提出加算の届け出手続き等を、地方厚生局などに事務連絡した。20年度診療報酬改定で同加算届け出が要件化された療養病棟入院基本料、回復期リハビリテーション病棟入院料5・6を算定する許可病床数200床未満の病院は、経過措置期間中の22年3月31日までに届け出を行う必要がある。

 DPC対象・準備病院でない場合は、様式40の5を20年5月20日、8月20日、11月20日、21年2月22日までに届け出。期限月の翌月から起算して2カ月分(21年2月22日の場合のみ期限月を含む2カ月分)の試行データを作成し、DPC調査事務局へ提出する。


事故調センター、19年報告373件に

 日本医療安全調査機構がまとめた医療事故調査・支援センター2019年年報によると、医療事故発生報告件数は前年比4件減の373件だった。手術(分娩を含む)が年々減少しているものの156件と最多で、処置が3件増の51件、投薬・注射(輸血を含む)が9件増の31件、徴候・症状(の判断)が10件減の23件、誤嚥が2件増の14件、画像検査が7件減の13件、医療機器の使用が4件減の12件となっている。

 人口100万人当たり医療事故報告は前年と同じ3.0件、本道はやや多い3.9件(年間87件)だった。


ステロイド副作用の小児骨粗しょう症、抗シグレック15療法が有効─北大整形外科高畑准教授ら

 北大整形外科学教室の高畑雅彦准教授、同大歯学研究院の網塚憲生教授らの研究グループは第一三共と共同で、同社が創製したシグレック15抗体による抗シグレック15療法が、ステロイドの副作用である小児骨粗しょう症への有効な治療法となりうることを証明した。小児がんやネフローゼ症候群などで苦しむ子どもが、ステロイド治療の際に併用できる骨粗しょう症予防薬として期待される。骨代謝学専門誌「BONE」オンライン版に掲載された。

 骨粗しょう症は高齢者に多いものの、小児でも先天性骨疾患やネフローゼ症候群、小児がんなどの疾病や、その治療薬であるステロイド剤の影響で発症することがある。中には脆弱性骨折を繰り返すことで慢性的な痛みや骨格変形、運動機能障害に悩まされる子どもも多く、著しく骨量が減少する場合や簡単に骨折してしまう場合は治療が必要となる。


さっぽろ香雪、車いすに独自ノーパンクタイヤ

 札幌市清田区・さっぽろ香雪病院(森一也理事長・450床)は、市販の材料を使用した、独自の車いすノーパンクタイヤを作製した。従来のチューブ式タイヤと同じ品質を保ちつつ、管理負担の軽減と作業時間短縮につなげている。

 車いすタイヤの空気圧低下は、患者の危険性を高めるだけではなく、偏摩耗でタイヤの劣化を早めるため、こまめに調整する必要がある。

 同病院は、100台以上の車いすを所有し、病棟ごとに維持管理しているが、多忙などの理由でスタッフが頻繁に確認できず、空気圧が不足したまま使用することも時々見受けられた。


         

テニス肘患者、98%で股関節内旋制限─道文教大金子准教授検証

 道文教大作業療法学科の金子翔拓准教授は、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)患者の股関節内旋を調査。98%の症例に内旋制限が認められ、テニス肘と股関節の可動性低下に深い関連があることを明らかにした。

 金子准教授は、これまでにテニス肘とVisual display terminals(VDT)作業者の関連性も調べており、発症率がテニスプレーヤーの10%程度に対して、VDT作業従事者は80%を占めると推計。

 さらに患者の多くに肩甲骨の緊張状態があり、肩甲帯へのモビライゼーションや体幹ストレッチが、疼痛緩和につながることを確認している。


         

一般医療機関のアビガン投与、観察研究に参加を

 厚生労働省は、事務連絡「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビル(アビガン)に係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼」を発出。一般の医療機関が同感染症患者の治療でアビガンを投与するには、藤田医大や国立国際医療研究センターの研究班の観察研究に参加し、患者本人の同意を得て、医師が使用の必要性を判断することが要件と明確にした。

 アビガンは「新型または再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし他の抗インフルエンザウイルス薬が無効または効果不十分なものに限る)」を効能効果として承認されているが、基礎研究でコロナウイルス感染症への効果が示唆されて有効性等の検証が行われる一方、動物実験で催奇形性が確認され、通常のインフルエンザ感染症に用いられないよう厳格な流通管理と安全対策等が承認条件となっている。


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