北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 3月20日付

20年度道内専攻医採用、4%減の304人

 厚生労働省の医道審議会医師分科会医師専門研修部会が開かれ、2020年度専攻医の採用結果等が報告された。本道は前年度に続いて臨床検査を除く18基本領域で採用者があり、合計は前年度比13人(4.1%)減の304人、18年度採用の道内2年目初期臨床研修医(322人)の94%にあたる水準だった。全国の合計は前年度比457人(5.3%)増の9,072人となっており、2年目研修医数の8,996人を上回っている。

 本道の領域別では内科が最多となったが、前年度比22人減の79人と大きく減らし、次いで外科が31人(前年度比6人増)。


外国人患者受入調査、コーディネーター配置2.1%

 厚生労働省は、「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」の2019年度結果(速報版)をまとめた。外国人患者の受け入れがあった病院は5割、拠点的な医療機関では8割の実績があるものの、外国人患者向け医療コーディネーターの配置は少数にとどまり、8割以上が兼任だった。

 病院ごとの外国人患者数(19年10月実績)は、10人以下が55.4%、11〜50人が30.4%、51〜100人が7.7%、101〜200人が3.7%、201〜500人が2.5%、501〜1,000人が0.2%で、平均は前年比5.1人増の29.4人。

 同省が作成した「医療機関向けマニュアル」を知っていたのは6割、そのうち9割以上が「外国人患者の受入れに関する体制整備方針」の決定を確認していた。


新型コロナ、未対策なら国民9%発症─北大衛生学西浦教授らが推計

 北大衛生学教室の西浦博教授らの研究グループは、新型コロナウイルス感染症の流行シナリオについて、公衆衛生上の対策を行わなかった場合は国民の9%が発症し、流行のピークは疫学的関連性が把握できない程度に感染が拡大してから約3カ月で到来し、終息はその約3カ月後になるとの推計をまとめた。ただし実際には行動制限要請や医療提供体制確保など各種対策が行われているため、ピーク時の患者数は推計より少なく、ピーク時期も後ろ倒しになるのが一般的だとしている。

 日本医療研究開発機構(AMED)の感染症実用化研究事業(新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業)で、西浦教授が代表を務める「感染症対策に資する数理モデル研究の体制構築と実装」が、2月末時点で得られた情報をもとに数理モデルを用いて推計した。


札幌心臓血管クリニック、医療継続へ感染対策強化

 札幌市東区の札幌心臓血管クリニック(藤田勉理事長・85床)は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、どのような状況下でも職員の感染を防ぎ、心臓血管手術が継続できるよう、院内の感染対策を大幅に強化した。スタッフが1人でできる防護服の脱着マニュアルを作成し、医療機関向けにインターネット上で公開している。

 「新型コロナウイルスを院内に入れない・院内から出さない」を念頭に、スタッフは、医師、看護師、コメディカル問わず、患者と接する機会や、治療行為への関与など業務内容を勘案して、防護策を1〜3級の3段階に設定。1級はマスクとキャップを着用。2級はそれにゴーグルと手袋を加え、3級は防護服としている。


中村記念、人材育成の評価指標作成─管理能力向上と臨床応用へ

 札幌市中央区の中村記念病院(中村博彦理事長・499床)は、主任看護師のファシリテーター実践力向上を目的に、自己評価ツールを作成した。表形式の採用で、振り返り項目と人材育成に必要な能力の相関関係を明示し、評価結果に基づいた勉強会での実践で、看護管理者能力向上につなげている。

 教育委員会に属する主任看護師が、一般看護師対象の院内研修でファシリテーターを担当。研修にグループディスカッションを取り入れており、円滑な議論を進め、学習効果を高める重要な役割を担っている。

 ファシリテーターには看護師人材育成に必要とされる▼場のデザイン▼対人関係▼構造化▼合意形成─の4つの基本能力が求められるが、知識や技術の学習、実践を評価する手法がなかったことから指標を作成し、実践能力向上への取り組みを行った。


●地域枠等の在り方整理 医師需給分科会が定義了承 

●新型コロナ病院影響調査 8割減収見込み─道保険医会調査 

●プロテオスタシス医療応用 20年度目標を決定─AMED革新事業

●札幌渓仁会リハビリ 訪問リハの転倒リスク指標化

●特定行為領域別パッケージ研修 道内2施設を認定

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