北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 2月28日付

南桧山圏で連携推進法人設立へ、道立江差に入院機能集約

 道は、人口減少や高齢者の増加が急速に進む南桧山圏域の医療提供体制確保へ、「地域医療連携推進法人」の設立を決めた。道立江差病院(伊藤靖院長・198床)を札医大病院の地域医療研究教育センター(仮称)と位置付けて入院機能を集約、地域包括ケア拠点として圏域の公立病院・診療所等と連携体制構築を図る。同法人設立は本道初で、9月の法人認可を経て、2020年度中の運用開始を目指す。

 26日に開かれた南桧山保健医療福祉圏域連携推進会議地域医療構想専門部会で説明した。江差、上ノ国、厚沢部、乙部、奥尻の5町で構成する南桧山圏は、15年に2万3,800人だった人口が25年に23%減の1万8,300人余りに減少すると推計されている。入院受給率は46.3%と低く、患者流出率は53.7%で、主に南渡島圏に流出。


日医総研承継調査、半数弱が後継者不在

 日医総研が病院、診療所4,000施設の経営者を対象に実施した「医業承継実態調査」によると、「現時点で後継者候補がいない」が半数近く、「後継者はいるが意思確認していない」「後継者がおり意思確認済み」が各4分の1だった。承継プラン(将来計画)の選択は、「親族への承継」62.0%、「閉院」43.9%、「親族以外の第三者個人への承継」38.2%、「他の医療機関等への事業承継(事業売却・M&A)」22.2%だった。

 本道における継承プランをみると、「親族」が48.6%と地域別で最も低い一方、「親族以外の第三者個人」54.3%、「事業売却・M&A」40.0%が目立って高かった。


近森氏、絞り込みと連携重要─北大・病院経営人材育成拠点シンポで講演

 北大病院経営アドミニストレーター育成拠点(事業責任者・小笠原克彦北大保健科学研究院教授)は、第2回シンポジウム「変革期の病院経営を考える?経営戦略・医療情報・マーケティングの視点から」を札幌市で開き、社会医療法人近森会(高知県)の近森正幸理事長が病院経営における機能の絞り込みと連携の重要性を訴えた。当日は新型コロナウイルス感染症対策のため、100人以上がオンラインで参加した。

 近森理事長は「近森病院における過去、現在、そして未来」と題して講演。36年前に「地域医療の底辺を支える野戦病院のような救急病院」を継ぎ、第1次医療法改正で増床が不可能になったことから、量的拡大から質的向上へ戦略を転換し、県内民間病院で唯一の急性期基幹病院となった歩みをマネジメントの観点から振り返った。


北海道循環器、心リハ4セッション体制に

 札幌市中央区の北海道循環器病院(大堀克己理事長、堀田大介院長・95床)は、心臓リハビリを1日2セッションから4セッションに拡充。患者1人当たり参加回数や継続率の向上につながっている。

 同病院は、1981年の開設以来、さまざまな循環器分野の治療を展開し、最新治療を積極的に導入している。心臓リハビリは2010年から開始しており、年々、ニーズが増加している。

 心臓リハビリを算定する場合、担当する医師、看護師、スタッフの1回当たり受け持ち患者数が、入院以外8人程度と定められているため、従前の午前・午後各1セッションでは、患者増に対応できないでいた。


19年の道内診療所開業59件、有床診7年ぶりゼロ

 2019年1〜12月に道内で新規開業した診療所(新規保険指定から承継・移転等を除く)は、過去10年で2番目の低水準だった前年から増減なく、59件だったことが本紙のまとめで分かった。有床診療所は12年以来7年ぶりに新規開設がなかった。3次医療圏別では、4年続けて全6圏域で開業があったが、道央71%(42件)、うち札幌市59%(35件)と一極集中が続いている。

 道内開業件数は、第5次医療法改正の影響で100件を超えた06年をピークに漸減傾向が続き、15年に過去最少の55件となり、近年は60件前後で推移。有床診療所も06年までは年10件以上の開設があったが、12年に0件を記録するなど、この10年間は5件以下にとどまっている。


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