北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 2月7日付

救急重視の病院評価へ地域医療体制確保加算新設─次期改定個別項目

 厚生労働省は、中医協総会に2020年度診療報酬改定の個別項目を提示した。地域の救急医療体制における重要な機能を担う医療機関に対して、救急搬送年間2,000件以上で勤務医の負担軽減や処遇改善体制整備を要件に「地域医療体制確保加算」を新設、救急搬送看護体制加算で新たな評価を設ける。柔軟な働き方対応へ、医師等の常勤配置や専従要件を緩和、総合入院体制加算では小児科・産科・産婦人科の標榜や入院提供を要件から外す意向だ。

 「重症度、医療・看護必要度」について、A項目では?の救急搬送後の入院評価期間を入院後5日間に見直し、?は入院日に救急医療管理加算1・2、夜間休日救急搬送医学管理料を算定する患者を入院後5日間評価の対象とする。急性期一般入院料2・3は看護必要度?を用いた場合も届け出られるようにする。


函館市医師会、道南初のリハ養成施設竣工

 函館市医師会(本間哲会長)が同市田家町で建設を進めていた、「函館市医師会看護・リハビリテーション学院」の五稜郭キャンパスが竣工、4月から供用を開始する。大幅な電子化と大学等との合同研究など、養成校の枠を越えた新たな取り組みを進めていく。

 同医師会が運営する現行の看護専門学校に理学療法学科・作業療法学科を併設して改称。道南初となるリハビリ養成校のキャンパスとなる。

 看護職養成部門は18年3月に准看護学科を廃止し、翌年4月には看護学科を2年制から3年制に変更しており、今後は湯川キャンパスとして継続する。


北大遺制研・藤田教授ら、がん排除過程の現象解明

 北大遺伝子病制御研究所分子腫瘍分野の藤田恭之教授らの研究グループは、がん超初期段階に免疫系を介さず正常細胞が変異細胞を排出する「細胞競合」において、変異細胞が排除される際、周囲の正常細胞に向かってカルシウムイオンを花火のように同心円状に伝播することを突き止めた。さらに、正常細胞はこのカルシウムウェーブを受けると変異細胞に押し寄せるように動き、排除を促進していることも分かった。

 グループはこれまでの研究で、正常細胞層内にがんを誘発する変異が生じると、正常細胞内の細胞骨格タンパク質フィラミンが変異細胞を認識して凝縮し、同タンパク質のビメンチンが変異細胞を取り囲むように集積して、変異細胞を細胞層から押し出すように排除する仕組みを発見。


江別市立経営再建へ提言、病床削減・がん医療等強化を

 江別市の「市立病院の役割とあり方を検討する委員会」(西澤寛俊委員長)は、70床程度の病床削減や精神病床の段階的な廃止などを柱とする経営再建案をまとめた。再び経営危機を起こすことのないよう長期ビジョンを示すとともに、構造的な課題に取り組み、抜本的な再建が実現するための中期戦略を提言している。

 278床ある一般病床の規模は、地域の医療需要の動向、担うべき医療の供給に必要な体制の両面から、206〜208床程度が適正とし、一時的な休止など、国の方針や医療需要の変化に即して将来的な活用検討の余地を残す。59床の精神病床は、市内民間医療機関へ機能を移管することとし、段階的な廃止を求めている。


●中医協総会 急性期1重症患者割合 必要度Iは31%に 

●札幌市19年救急出動 10万件越え過去最高  

●北整会 中村氏が脊髄再生医療の現状紹介

●函館脳神経外科 急患の血管内血栓回収術 マニュアルで不安軽減

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