北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2019年(令和元年) 12月13日付

「外来医療計画」道が意見公募、医療機能情報を可視化

 道は、外来医療計画(素案)の意見公募を開始した。医療計画の一部として、2020?23年度の外来診療の方向性等を初めて策定。医療機関の役割分担・連携の推進、外来医療機能情報の可視化をはじめ、診療所が比較的少ない地域における診療従事、医療機器の共同利用の促進、さらに外来医療機能の偏在解消、効果的な医療機器活用の取り組みなどを必要施策に盛り込んだ。

 外来患者の受療動向は、一部の圏域を除き、高い自給率となっているが、対応割合は圏域でばらつきがあり、大半が病院を受診し、診療所は3割以下という地域もあると指摘。診療所従事医師は札幌圏が多く、次いで上川中部圏、南渡島圏など。


医師の時間外上限規制、6割が「医療崩壊招く」─日病調査

 日病が実施した2019年度「勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査」結果によると、医師の働き方改革による時間外労働の上限規制によって、地域医療の崩壊を招く危険性があると回答した会員病院は6割近くに上り、主な影響として「救急医療からの撤退」「外来診療の制限・縮小」「病院の経営破綻」などの影響を心配している病院が多いことが分かった。

 13年4月と18年4月を比較すると、「常勤医師数が増加した」が54.5%、「ほとんど変化ない」が26.2%、「減少した」が18.2%。増加は「5人未満」23.8%、「5?10人未満」22.4%、減少は「2?4人未満」37.8%、「4?6人未満」29.7%で、「10人以上」も2.7%みられた。


札医大研究G、肝前駆細胞の継代培養方法を解明

 札医大フロンティア医学研究所組織再生学部門の市戸義久助教と木野潤一大学院生らの研究グループ(三高俊広教授)は、ラット小型肝細胞の親細胞に相当する前駆細胞が、基底膜を構成するタンパク質のラミニン(LN)111上で、自己複製能と肝細胞の基本機能を維持しながら、継代培養する機序を解明した。

 小型肝細胞は、高い増殖機能を持ち、効率よく機能的な肝細胞に分化する能力を持つものの、継代培養や大量増幅できなかった。同グループでは、マトリゲルコートディッシュ上で、小型肝細胞の一部が自己複製能を維持したまま継代培養できることを見いだし、その細胞を「HPPCs」(Hepatocytic parental progenitor cells)と名付けていた。


札幌白石記念、救患の誤認ゼロ実現へ搬送直後カードで識別

 札幌市白石区の札幌白石記念病院(野中雅理事長、宮田節也院長・103床)は、救急患者の受け入れに際し、視覚的に見分けられるよう識別・色分けしたカードを活用。安全で円滑な患者対応につなげることで、誤認ゼロに取り組んでいる。

 同病院は、脳神経外科、循環器内科主体の急性期病院として、24時間体制で年間約1,200件の救急患者に応需。救急処置室1室で、3台のストレッチャーを用い、電子カルテでオーダーし印刷された指示書を医師の机に置いていくが、患者が次々と搬入される状況で、書類が混在してしまい、誤認につながる恐れがあった。


帯広第一がPNS全面導入、新人の自己効力感向上

 帯広市の帯広第一病院(小林光樹理事長、山並秀章院長・247床)は、2018年度からPNS(Partnership Nursing System)を全面的に導入。患者安全や看護の質向上とともに、新人の自己効力感向上に役立てている。

 PNSは、2人の看護師が協働して複数の患者を受け持つ看護方式で、福井大病院が2009年に開発した。超過勤務の削減や1人で患者を担当するストレスの軽減、OJTの充実、安心・安全・安楽な看護の提供などが期待できる。

 スタッフを同大病院に派遣して研修等を受けさせ、17年度からペアリングを導入し実践。時間外勤務が半減するなどの効果もみられたため本格導入した。


19年度上期道立病院改革プラン、羽幌が入院収入増え目標達成

 道立病院の新事業改革プランの点検を行う事業推進委員会が札幌市で開かれ、5病院における2019年度上半期の評価を公表した。地域連携室活動による紹介・逆紹介の増加、医師事務作業補助者増員や看護職員交替制勤務の選択制導入による勤務環境改善等を評価、次期診療報酬改定を見据えて、新たな施設基準・加算の取得検討を進めることを求めた。

 江差は総合診療内科の注射や検査、整形外科の手術等の増加、地域包括ケア病床の利用増などで前年同期より好転。羽幌は地域包括ケア入院管理料1の取得により入院が38.5%増、外来患者数も増えたことから目標を達成した。


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