北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2019年(令和元年) 12月6日付

松家札医会長、増税分の財源反映 次期改定ポイントに

 札医(松家治道会長)は第128回臨時代議員会を開催。松家会長はあいさつで災害医療体制や認知症対応の充実、地域医療構想や外来医療計画に注視していくとともに、2020年度診療報酬改定では「消費税増税がどれだけ財源に反映されるかが大きなポイント」と指摘した。

 松家会長は、日医の政治力を重視しつつ、「医師の専門家集団として政府に対峙できるしっかりとしたグランドデザインを示し、理論構築をもって、戦う医師会としての姿勢も重要」と強調。


日医会長、働き方改革に前回上回る改定率必要

 日医の横倉義武会長は定例記者会見で、2020年度予算編成に関連して財務省の財政制度等審議会が2%半ば以上の診療報酬マイナス改定を求めていることに反発。「他産業に比べて医療分野の賃金の伸びが低いことも踏まえ、前回を大幅に上回り、さらに働き方改革が実現できるような改定率を確保するなど、地域の医療現場を支えるために十分な手当を講じるべきだ」と求めた。

 横倉会長は、医療・福祉従事者数は全就業者の11.9%を占め、全産業の中で3番目に多く、従事者も10年間で他産業より大きく伸びていると指摘。


医学部入学定員、旭医大12人減り道内327人に

 文部科学省は、防衛医大を除く全国81大学の2020年度医学部(医学科)入学定員を前年度比90人減の9,330人とする計画を公表した。3大学が計13人増員するが、旭医大を含む23大学が計103人を減らす。道内では、旭医大が19年度に期限を迎えた地域枠12人の再増員を行わず105人、北大112人と札医大110人は増減なく、3医育大計327人で、本格的な定員増員が始まった09年度以来の水準となった。

 地域の医師確保の観点からの定員増は19年度に期限を迎えたが、21年度までは19年度定員を超えない範囲で「必要性を慎重に精査しつつ、暫定的に現状を概ね維持する」とされている。


苫小牧東、MR活用し脳卒中リハ

 苫小牧市の苫小牧東病院(橋本洋一理事長・260床)は、脳卒中患者などを対象に、MR技術を活用したリハビリ・システムを導入。高次脳機能障害の改善等に役立てている。

 同システムは、大阪市のベンチャー企業が開発した。VR(Virtual Reality)は完全な仮想空間だが、MR(Mixed Reality)は、現実空間に仮想空間を組み合わせた状態を指す。患者が装着したホロレンズの視界には、現在いる部屋に数字や動物、図形などを投影させた映像が映し出され、視界は360度まで設定できる。

 数字を使ったリハビリでは、1から30までの数字が室内のあちこちに置かれ、患者はそれを順に探しながら、ホロレンズの視点と一致した瞬間に、手に持った専用スイッチを押して消していく。


札幌心臓血管クリニック、高度な治療を幅広く実践

 札幌市東区の札幌心臓血管クリニック(藤田勉理事長・85床)は、循環器内科・心臓血管外科・不整脈部門が密接に連携し、最新の心疾患治療を幅広く展開。積極的に道内各地の医療支援に取り組むほか、広報やマーケティング、地域連携を主体にした部門を立ち上げ、より多くの患者に高度な医療を提供している。

 同病院は、心臓・下肢動脈疾患の専門医療機関として2008年に開院。今では心臓カテーテル治療は、国内有数の症例実績を誇る。

 循環器内科に加え、12年に心臓血管外科、13年には不整脈を専門とするハートリズムセンターを開設。増え続ける患者に対応するため、増改築を重ね、開業時の19床から85床へ規模を拡大した。


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