北海道医療新聞社

▼バックナンバーはこちらから
週刊:北海道医療新聞

2019年(令和元年) 11月29日付

中医協総会、データ提出 対象拡大へ

 中医協総会が開かれ、入院医療その2として、療養病棟入院基本料とデータ提出加算を議論。厚生労働省はデータ提出義務対象病棟について、許可病床数200床未満の回復期リハビリテーション病棟5・6や療養病棟にも、一定の経過措置を設けた上で義務を課す考えを示した。療養病棟は平均在院日数が長いことなどから入院中1回のみとしている算定方法の見直しも併せて提示したほか、急性期病棟でも要介護度や要介護情報の入力を必須とすることなども論点とした。

 2018年度診療報酬改定では、回復期リハ病棟5・6と療養病棟が200床以上の病院にデータ提出が義務化されたものの、許可病床数が200床以上でも当該病棟が200床未満の場合は義務が課されなかった。


道内看護需給推計、25年に7,551人不足

 道は、第8次看護職員需給推計を公表した。2018年の就業者数7万8,870人に対して、25年の必要数は8万6,421人で、7,551人の不足が見込まれる。次期医療計画策定時に、道総医協や関係団体と協議しながら、効果的な確保対策を推進していく。

 25年の必要数の内訳は、▼病院・診療所5万8,569人▼無床診療所8,899人▼訪問看護事業所4,752人▼介護保険サービス7,042人▼社会福祉施設2,176人▼保健所382人▼都道府県・市町村2,331人▼助産所72人▼看護師等学校養成所・研究機関984人▼事業所322人▼その他892人。


道透析療法学会、友杉氏が腎性貧血治療で講演

 第96回北海道透析療法学会(会長・前野七門仁楡会病院副院長)が札幌市で開かれ、友杉直久金沢医大名誉教授が「AIを用いた腎性貧血治療の適正化の試み」と題して講演。患者の血液データから新規治療に対する生体反応を予測するAI開発を進める中で判明したこととして、ヘモグロビン(Hb)を赤血球数(RBC)と赤血球1個当たり平均ヘモグロビン量(MCH)の2つのファクターに分けて考察することで、理想的な治療法を提案できるようになると解説した。

 友杉氏は開発中のAIについて、患者の血液サンプルから得られたデータだけで体の反応を説明し、将来を予測する「先行予測型医療」だと説明。


北海道大野記念、TAVIで劣化生体弁治療

 札幌市西区の北海道大野記念病院(齋藤孝次理事長、大川洋平院長・276床)は、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)によるvalve-in-valve治療施設に認定された。

 劣化した大動脈生体弁の治療において、従来の開胸再手術よりも患者負担が大幅に軽減するため、ハイリスクな高齢者でも適応となる。

 大動脈弁狭窄症は根治治療が存在せず、開胸による弁置換術が行われている。人工弁の中でも生体弁は、耐用年数が10〜15年程度とされており、劣化した場合は開胸手術で対応するのが一般的だ。


道HAL研、歩行訓練でバランス改善

 第5回道ロボットスーツHAL研究会in札幌(会長・中村博彦中村記念病院理事長)が、札幌市で開催。獨協医科大埼玉医療センターリハビリテーション科の大林茂准教授が、「ロボットスーツHALによる歩行とpathleaderによる上肢機能へのアプロ―チ」と題して講演した。

 大林准教授は、ロボットスーツHALを、神経難病の歩行訓練に使用した経験を報告した。週に2〜4回、計9回を1クールとする訓練で、特にバランス力で効果を発揮。


医療経済実調、一般病院赤字やや改善

 厚生労働省は、2020年度診療報酬改定の基礎資料となる第22回医療経済実態調査の結果を公表。18年4月〜19年3月に終了した事業年度における一般病院(医業・介護収益に占める介護収益の割合が2%未満。特定機能病院は含まない)の1施設当たり損益差額率(医業・介護に関する損益差額を収益額で割った構成比率)は、前年度から0.3ポイント上昇のマイナス2.7%に改善したが、依然赤字が続いている。精神科病院は0.2ポイント悪化のプラス0.2%。

 一般病院の開設者別状況は、医療法人が0.2ポイント上昇のプラス2.8%、国立は0.2ポイント低下のマイナス2.3%、公立も0.2ポイント低下のマイナス13.2%、公的が1.1ポイント上昇のマイナス0.3%などとなっている。


●「重要業務」推奨へ─厚労省 働き方改革検討会 

●政府 規制改革推進WG タスクシフト等重点課題に  

●札医大生が矯正医療学ぶ 札幌刑務所で独自カリキュラム

●スクリーニング法検証で心リハ患者の栄養状態改善へ─函館渡辺

●帯広・北斗「カンタキあおぞら」 地域密着のまちづくりでニーズに柔軟対応

●プライマリ・ケアフォーラム 「つながる」テーマに交流

ご注意/このサイトに掲載されている記事、写真、図表などの流用・無断転載を禁じます。