北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2019年(令和元年) 11月1日付

地域医療構想意見交換会、再検証等の考え方説明─厚労省

 厚生労働省は、「地域医療構想に関する自治体等との意見交換会」を札幌市で開いた。説明に当たった医政局地域医療計画課の鈴木健彦課長は民間医療機関、回復期や慢性期の病床を持つ病院データも今後公表する方針を明らかにした。

 鈴木課長は、地域医療構想で具体的対応の再検証を要請する公立・公的等424病院(道内54病院)の公表について経緯、再検証の基本的な考え方、診療実績の分析方法等、再検証要請内容などについて説明。

 地域の議論を活性化するのが目的で、▼唐突であり、事前に関係者に十分な説明ができていなかった▼急性期のデータを可視化する観点から、地域事情を十分に織り込むことができていない▼名前の挙がった病院に対し、何かを強制するようなものでない─と、陳謝とともに理解を求めた。


事故調報告ポイント解説、状況分析・組織で判断─日医セミナー

 日医は、医療事故調査制度「管理者・実務者セミナー」を札幌市で開催。同制度の概況、医療事故報告の判断、当該医療機関の対応、支援団体・外部委員の役割、報告書の作成などを解説した。

 報告のポイントに、▼提供した医療に起因しているか否か▼当該医療従事者が、当該患者個人の死亡が起こりうることについて、説明または記録していたか▼当該医療の提供前に当該死亡を予期していたと認められるか─を挙げ、「当該医療従事者等から事情を十分聴取し、組織として判断」するよう求めた。


北大循環器内科が道内初、経皮的左心耳閉鎖術を実施

 北大病院循環器内科(安斉俊久教授)の神谷究助教らのチームは、9月から保険適用となった「経皮的左心耳閉鎖術」を道内で初実施した。カテーテルを用いて左心耳を閉鎖デバイスで塞ぎ、左心耳内に血栓ができないようにして塞栓症を予防する新たな治療で、日本循環器学会など関連学会が定めた厳しい基準を満たした認定施設のみが治療を行えるという。

 心房細動は不整脈疾患の一種で、心房が規則正しく収縮できず、痙攣するように小刻みに震えるような状態となる。患者は左心房の中の左心耳の血液の流れが特に遅くなり、血液が停滞するために血栓ができやすく、脳卒中など全身塞栓症の原因になる。


北海道大野記念、心房中隔欠損に経皮的治療

 札幌市西区の北海道大野記念病院(齋藤孝次理事長、大川洋平院長・276床)は、経皮的心房中隔欠損閉鎖術の施設認定を受けた。成人の心房中隔欠損に対して、カテーテルを用いた低侵襲治療が可能となり、リスクの高い高齢者にも活用していく。

 先天性心房中隔欠損は、小児のうちに発見・治療されるケースが大部分だが、思春期まで無症状で40歳以降に症状が出現する場合もある。国内で多くの治療実績を有する岡山大病院の患者データをみると、大まかに20歳以下が6割、30?60歳代が3割、70歳以上が1割となっている。

 北海道大野記念は、これまで年に2?3例、成人に開胸手術や低侵襲心臓手術(MICS)を実施。


渓和会江別、透析リハ環境整備

 江別市の渓和会江別病院(品田恵佐理事長、大森一吉院長・199床)は、透析リハビリテーションを安心して実施できる環境を整備。高い継続率を維持するとともに、患者のQOLの向上に成果を上げている。

 透析患者の高齢化により、転倒の増加やQOL低下が著しいことを受け、医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士で対策チームを立ち上げた。

 透析患者を対象にした講話で、出席者から「日常での運動が難しい」「医療者がいる中で運動したい」といった意見があったことを踏まえ、腎臓リハビリテーションガイドラインを参考にしたマニュアルづくりや、運動メニュー作成などの準備を進め、2017年12月に導入した。


道内民間給与、医師平均52歳125万円に─道人事委19年度調査

 道人事委員会が2019年度勧告に際して行った4月の民間給与実態調査結果によると、道内医師の時間外手当を含む給与支給額は、平均年齢52.2歳で125万396円(前年度54.9歳、143万5,202円)、看護師は35.5歳33万2,385円(41.0歳34万7,187円)だった。

 医師の職階別では、医科長が50.3歳128万3,720円(52.1歳162万3,149円)、副院長59.1歳139万9,229円(59.9歳176万5,401円)、病院長は62.0歳207万6,593円(62.5歳193万9,595円)。

 道の医療職(1)給料表が適用される病院事業職員(医師)は、45.4歳104万980円(45.1歳101万4,995円)となっている。


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