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週刊:北海道医療新聞

2019年(令和元年) 10月18日付

医師確保計画の素案提示、産科小児科は集約化等推進─道検討委

 道の2019年度第3回「地域医療を担う医師の確保に関する検討委員会」(座長・佐古和廣道医副会長)が開かれ、道は20年度からの医師確保計画の素案(案)を示し、概ね了承された。前回示された骨子に対する同検討委や上部組織(地域医療を担う医師養成検討分科会)の意見、厚生労働省のガイドラインを踏まえ、計画の基本的な枠組みや文言を調整した。11月に開催する同分科会での協議を経て、道医療審議会に報告され、20年1月の第4回会議で計画案を検討する予定。

 素案の枠組みは、?基本的事項?本道の医師数等の現状?医師偏在指標?医師確保の方針?目標医師数?目標医師数を達成するために必要な施策?産科に係る医師偏在対策?小児科に係る医師偏在対策?計画の効果の測定と評価─で構成。


医療事故調査制度、4年で報告1500件に

 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)は、医療事故調査制度が開始された2015年10月から19年9月末までの4年間の状況をまとめた。報告件数は合計1,500件で、相談件数は7,751件、院内調査結果報告は1,168件に上った。

 1年目の報告件数は388件、2年目363件、3年目378件、4年目371件。報告医療機関の94.3%、1,415件を病院が占め、診療所は85件だった。

 診療科別の状況をみると、外科の249件、内科の189件をはじめ、整形外科、消化器科、循環器内科が100件を超えている。


北大医学部創立100周年、記念館がオープン

 北大医学部(吉岡充弘医学部長)の創立100周年記念事業の柱として、医学部構内で建設を進めてきた「北大医学部百年記念館」が完成した。同窓会館として、多くの同窓生が集って気軽に交流や情報交換ができるほか、次の100年の医学に貢献する研究推進と知の共創の場として活用が期待される。

 記念館は、医学部北側にあるアイソトープ総合センターの西側に、木造2階建て延べ約800平方メートルで建設された。1階はエントランスホールと大会議室、事務室、2階が小会議室と多目的ホール。講演会、研究会、会議はもちろん、同窓会や同期会、音楽会や上映会などさまざまなイベントに使用できる。簡単な調理設備を備え、ケータリングによる飲食も可能。


札幌北楡、TULSAで前立腺がん治療

  札幌市白石区の札幌北楡病院(米川元樹理事長、目黒順一院長・281床)は、前立腺がん治療に、国内で初めてMRIガイド経尿道的前立腺超音波アブレーション治療(TULSA)を導入した。外科手術に比べて副作用が少なく、治療時間も短いため、患者の負担軽減につながることが期待できる。

 TULSAは、尿道から治療器を挿入し、MRIと連動して前立腺内部から病変部を正確に超音波で加熱する治療法。

 事前に、がんの位置や前立腺の形状の画像情報をMRIで取得し、それを基に医師が加熱治療する範囲を5ミリメートルの断面毎に、立体的に指定できる。


開西、看護・介護連携にPNS活用

 帯広市の開西病院(細川吉博理事長・196床)は、医療療養病棟の看護・介護スタッフの連携強化にパートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)を活用。それぞれの専門性を生かしながら共に行動することで、ケアの質や業務効率の向上につなげている。

 60床の同病棟(平均入院患者数52.8人)に、看護師17人、介護職14人、看護補助者2人を配置。患者の8〜9割は経口摂取以外の栄養管理が必要で、3割に経腸栄養、6割に中心静脈栄養を提供している。

 看護職と介護職がペアで病室を担当していたものの、介護職は看護職の補助的業務を担っていたため、日常生活の援助や自立に向けた関わりが難しく、それぞれの専門性を十分に発揮しているとはいえない状況だった。


在院短縮と利用率上昇、道内一般8年ぶり両立─18年病院報告

 厚生労働省がまとめた2018年病院報告の概況によると、道内一般病床の年間平均在院日数は前年から0.2日短縮して17.3日、病床利用率は7年ぶり上昇となった前年から0.3ポイント増の75.1%と2年連続で増え、平均在院日数短縮と病床利用率上昇の両立を8年ぶりに達成した。過去10年で、平均在院日数が概ね短縮傾向の一方、病床利用率が向上したのは10年だけだった。精神は在院日数が延び、療養の利用率が低下した。

 全国の一般病床の在院日数は16.1日(0.1日短縮)、利用率76.2%(0.3ポイント増)、本道と同様傾向になっている。

 精神病床は、本道が在院258.9日(0.3日延伸)、利用率は86.4%(0.1ポイント上昇)、全国平均は265.8日(1.9日短縮)、86.1%(増減なし)だった。


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