北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2019年(令和元年) 6月14日付

道内病院、18年度882床減少─中核病院削減 介護医療院転換も

 道の病院現況調査(4月1日現在)に基づく本紙集計によると、558病院の総病床数は9万3,458床となり、2018年度の1年間に882床減少した。種別は、一般が253床、療養が425床、精神が184床、結核が20床それぞれダウン。感染症病床は変動がなかった。経営改善や稼働率アップを目指して、地域の中核病院の病床削減、慢性期病床の介護医療院への転換なども目立った。

 基準病床数に対する一般・療養病床は2次医療圏全てで過剰。札幌圏の1万2,192床を筆頭に、西胆振1,865床、南渡島1,238床、上川中部1,272床、後志1,149床、中空知983床、南空知934床、釧路815床、十勝768床などとなっている。

 


全自病協の医師働き方改革調査、年960時間超の割合低下

 全自病協の「医師の働き方改革調査」によると、年960時間を超える時間外労働の割合は、2018年が6・8%となり、前年から0.9ポイント、16年からは6.5ポイント低下した。労働時間管理を含む働き方改革の取り組みは着実に進んでいるものの、医師不足や地域・診療科偏在が深刻で、地方の中小病院は若手医師が集まらず、管理職医師への負担が集中している病院もあると分析している。

 現状の時間外労働を減らすためには、医師数を全体で1.2倍に増やすことが必要と指摘。診療科別では、救急科と放射線科を1.5倍、産婦人科と麻酔科を1.4倍、小児科と精神科を1.3倍と推計している。

 


札医大千見寺G、慢性炎症性筋疾患に新治療法

 札医大解剖学第2講座の千見寺貴子客員講師(現北大保健科学研究院准教授)らの研究グループは、慢性炎症性筋疾患に対して、細胞老化システムを利用した新たな間葉系幹/間質細胞治療を開発した。

 細胞治療のプラットフォームとして世界的に利用されている間葉系幹/間質細胞は、生体内に投与後すぐに消失するにも関わらず、治療効果が継続するが、その仕組みは不明な部分が多い。

 メカニズムを解明するため、組織修復の際の生体内の間葉系幹/間質細胞を解析したところ、組織損傷後に細胞老化因子P16INK4aの発現と同時に貪食細胞が集積し、速やかに除去されていることが判明した。

 


五輪橋整形外科、隣接地活用し建て替えへ

 札幌市南区の五輪橋整形外科病院(佐藤直一理事長、広瀬和哉院長・95床)は、隣接する五輪橋産婦人科小児科病院跡地を活用し建て替え工事を計画している。9月にも着工し、2022年春のグランドオープンを目指す。

 同病院は開業から40年近く経過し、建物の老朽化とともに、6床室など施設の狭隘化が課題となっていたため、建て替えを決めた。

 1期工事として、20年9月までに五輪橋産婦人科小児科病院跡地に新棟を建設する。新棟には仮の外来を設け、病床を稼働させた状態で診療を継続。2期工事で現病院の建て替えに着手し、建物が全てそろった段階で、1期工事の新棟部分を改修する。

 


カレスサッポロ、異業種に積極参入─多角的収益構造で医業安定

 中央区で時計台記念病院などを運営する社会医療法人カレスサッポロ(大城辰美理事長)は、高齢者住宅併設のクリニックを開業するなど、医療と介護で幅広いサービスを提供する一方、異業種にも積極的に参入。多角的な収益構造で経営安定化を図り、本業の質の向上につなげている。

 同法人は、2010年に大城理事長が就任して以来、経営体制を一新。最初の5カ年計画で赤字から黒字へと転換し、第2次5カ年計画では、急性期専門特化型の医療体制を見直して、地域包括ケア拠点施設に併設する「よつば家庭医療クリニック」を16年に開業するなど、介護施設、在宅医療、高齢者住宅の運営を加えた総合的な保健・医療・介護福祉サービスの提供へと事業を拡大しつつある。

 


医療法人立の医業利益率、精神科除き低下─17年度病院経営管理指標

 厚生労働省が公表した2017年度の「病院経営管理指標に関する調査研究」で、医療法人立の病院種別医業利益率は精神科を除いていずれも低下し、一般が0.2%(前年度比2.0ポイント減)と最も低くなり、療養型が2.3%(0.9ポイント減)と最も高かった。精神科は1.8%(0.2ポイント増)、ケアミックスは0.5%(1.2ポイント減)。

 全国738(医療法人立419、自治体立246、社保関係団体立8、その他公的65)施設の回答をまとめた。過去5年間、医療法人はいずれも黒字で推移しており、一般と療養型は15年度までの悪化傾向が16年度は改善したものの、17年度は再び悪化した。精神科は13年度以降横ばい、ケアミックスも横ばいだったが、悪化した。

 



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●道作業療法学会学術大会 50年先のあり方問う
●新IEC規格発行 白土北大教授ら主導の放射線治療
●市立稚内 心筋梗塞 出張医が治療
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