北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2018年(平成30年) 11月9日付

がん検診・特定健診、同時実施促進へ─道と道対がん協会

 道は、道対がん協会(長瀬清会長)と協力して、がん検診と特定健診の同時実施を推進するとともに、これまでの「がん対策推進会議」を「がん及び生活習慣病対策推進会議」に改称して体制を強化。3月に策定した第3期がん対策推進計画の実効性を高めるため、市町村や関係機関・団体とともに生活習慣の改善に係る1次予防と健診受診率の向上を図る2次予防の取り組みを充実させていく考えだ。
 道内市町村の2016年度部位別がん検診受診率は、胃が8.8%(全国8.6%)と全国を若干上回っているものの、肺が4.8%(7.7%)、大腸が6.3%(8.8%)、子宮が14.3%(16.4%)、乳が16.6%(18.2%)と低い。

 


がん教育充実へNW、支援プロジェクトが発足

 道内の医療者や行政担当者、教員、がん患者・体験者らによる「がん教育支援プロジェクト」が発足した。発起人は札幌厚生病院の阿部雅一腫瘍内科部長。2020年度に小学校から順次開始される「がん教育」で、がん診療医ら医療者が直面しうる教育上の問題解決を支援するほか、道内のがん教育体制の整備を図り、医療者と教育現場のネットワーク構築を目指す。
 発起人の阿部氏は、北大消化器内科客員臨床教授を務めていた10年前に、医学生の「生と死を考える授業」を担当していた。その経験からがん教育の大切さを実感し、「若いうちからがんを理解し、目的を持って生きることが大事だと感じた」と振り返る。

 


北大皮膚科・医化学チーム、扁平上皮がん転移機構解明

 北大皮膚科学教室の柳輝希特任助教、同大医化学教室の畠山鎮次教授らの研究グループは、皮膚・頭頸部領域で最も多い悪性腫瘍の一つである扁平上皮がんにおいて、TRIM29分子が遊走・浸潤・転移を制御する新たな分子機構を解明した。診断・予後予測の新規バイオマーカーとして有用と考えられるほか、治療標的につながる可能性もあるという。米腫瘍学専門誌「Cancer Research」に2日付で掲載された。
 扁平上皮がんは、皮膚や頭頸部領域において最も多い悪性腫瘍の一つ。初期段階では外科的切除などで根治するが、浸潤がんとなった場合や転移した場合には放射線治療や化学治療が効きづらくなり、死に至ることも多い。

 


帯広厚生新病院竣工、道東の拠点機能強化

 帯広市の帯広厚生病院(菊池英明院長)が、2016年3月以降、建設工事を進めてきた新病院が竣工。5日から外来診療を開始した。さまざまな最新機器を導入し、高度医療をさらに充実させるとともに、各種機能の集約、スタッフ専用動線の確保など、効率化を推進。災害時に医療の継続が可能な体制も整えた。
 新病院は、帯広競馬場南向かいの西14条南10丁目にオープン。地上10階建て、延べ床面積は従来の1.3倍となる6万3,500平方メートルとし、駐車場も1.4倍の887台分を確保した。

 


14年道内がん死亡数、男女とも肺が1位

 道と北海道がんセンターは2014年道内がん登録状況をまとめた。部位別死亡数は、男女ともに「肺」が最も多かった。
 部位別の罹患数は男性が肺、胃、大腸(結腸、直腸)の順で、前立腺が肝臓(肝、肝内胆管)より多い。上位3つのがんは85歳以上でも増加傾向を示し、前立腺は75〜79歳、肝臓は80〜84歳で最も高く、若年層は大腸が多かった。
 女性は乳、大腸、肺が上位で、膵臓が肝臓を上回った。大腸は80歳以上で急激に増加、胃は35〜39歳で増え、その後も増加傾向を示している。

 


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