北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2018年(平成30年)7月27日付 

道内市町村の地域医療確保、独自事業63%が実施

 道は、道内179市町村(うち公的医療機関を有するのは156市町村)を対象に2月実施した2017年「地域医療の確保に関する事業等調査」の結果をまとめた。前年と同様に医師等の医療従事者を対象とした奨学金貸付事業に半数近くの市町村が取り組む一方、独自事業を実施する市町村も大きく増えた。
 17年時点で「医療従事者を目指す学生に対する奨学金の貸付事業」を実施しているのは2.2ポイント増の48.6%。医学部生・歯学部生向けの事業は38市町村(1自治体増)が取り組んでいる。

 


道厚生連17年度決算、医業収益0.8%増

 道厚生連の2017年度決算は、医業収益が前年度比0.8%増の818億7,300万円、その他事業と事業外を含む事業収益合計は0.9%増の868億3,400万円となり、プラスに転じた。
 病院・診療所の受診者数が、人口減少や高齢化の進展、経済や医療情勢などの影響を受け減少傾向にある中、医療機能見直しや地域連携強化、一層の合理化や効率化の推進を図った。総合病院の診療単価は救急患者や紹介患者が減少したことで入院がダウンしたものの、外来は高額薬剤投与や医療機器の活用などでアップし、収益合計では損益計画の目標を達成できた。

 


北大分子生物学教室、乳がん放射線抵抗性の機構解明

 北大分子生物学教室の佐邊壽孝教授と小野寺康仁講師らの研究グループは、悪性度の高い乳がん細胞がミトコンドリア輸送と連携し、浸潤性と放射線治療抵抗性に共通して関与する新たな分子メカニズムを発見したと発表した。このメカニズムは、脂質異常症治療に用いられるメバロン酸経路阻害薬(スタチン)で阻害でき、浸潤・転移阻害や放射線治療増感が同時に期待できるという。
 多くのがん細胞内部では活性酸素が増え、浸潤性などの悪性形質に寄与する一方、過剰な活性酸素はがん細胞にとっても有害で、細胞死を引き起こす。

 


北野循環器クリニック、新築移転し19床体制に

 札幌市清田区の北野循環器クリニック(越野督央理事長)は、移転新築工事を終えてリニューアルオープンした。同じグループの宮脇整形外科医院(恵庭市)から19床を移設。人工透析ベッドも増床して診療体制を大幅に強化した。
 新クリニックは2階建てで、延べ床面積はこれまでの2倍となる約2,000平方メートル。診療科は内科、外科、循環器内科、人工透析内科で変更なし。診察室2室やCT検査室、マッサージ室、人工透析室などを配置。将来、導入を予定している内視鏡検査の専用室も用意している。1階の人工透析室には、11床増の41床を配置。

 


17年診療行為別調査、医科入院1日当たり点数が全16項目で上昇

 厚生労働省は、2017年社会医療診療行為別統計の概況をまとめた。同年6月審査分の医科入院1日当たり点数は「入院料等」が最も高く1,237点(前年比2.9%増)、次いで「診断群分類による包括評価(DPC)等」が1,023点(1.4%増)となった。
 増減率は手術9.3%増、麻酔9.1%増が高く、16年度診療報酬改定で「重症度、医療・看護必要度」が見直され、手術等を評価するC項目が導入されたことが影響しているとみられる。また全16項目で上昇しており、全体では3.7%増の3,398点だった。1件当たり点数は2.0%増の5万1,989点、日数は0.26日減の15.30日。

 




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