北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成28年(2016年)5月13日付

道の地域医療に対する勤務医調査、「業務多忙」課題に

 道は、都市部や地域に勤務している医師を対象に、地域勤務に対する意向調査を実施。「現在の勤務先で困っていること、不安・不満に思っていること」は「業務が多忙」「働きがいや自分自身の将来展望」の順に多いなどとする結果をまとめた。

 調査は、地方センター病院25施設と地方の病院(人口1万人未満の市町村にある市町村立病院・公的病院)46施設、都市部の病院(札幌市、旭川市で卒後臨床研修医を有する市立病院・公的病院)5施設の計76施設に勤務する1,663人を対象に2015年11月に行った。


道が医療介護連携へ専門部会、市町村の現状・課題を議論

 道は、地域包括ケアシステム構築を目指して、「医療と介護の連携の推進に向けた意見交換会専門部会」(部会長・藤原秀俊道医副会長)を発足。道内の人口推計や医療・介護需要予測、介護関係基盤整備、要介護度区分認定状況、地域支援事業などを踏まえて、「多職種連携」「情報共有」「研修」を進めていくための現状と課題の議論を開始した。2018年度からの本格実施を視野に、今夏をめどに市町村への支援策をまとめる予定だ。

 同専門部会は、1月に組織した「医療と介護の連携の推進に向けた意見交換会」の個別課題の議論を深めるため、11関係団体代表者により設置された。


道透析療法学会で中元氏が講演、レベル高い日本の透析

 第89回北海道透析療法学会(会長・伊丹儀友伊丹腎クリニック院長)が札幌市で開かれ、埼玉医大総合診療内科の中元秀友教授が特別講演。日本の透析医療は質が高い上、医療保険制度の充実によって少ない自己負担で受けられるとアピールした。

 中元教授は諸外国の透析医療の現状に触れ、医療費総額に占める透析医療費は米国1.3%に対し日本は3.8%と高く、100万人当たり透析人口は1.6倍と説明。1年死亡率は米国25%、日本9%と差があり、社会復帰率はそれぞれ2割、8割とするデータを示した。


札幌西円山、神経内科総合医療センター開設

 札幌市中央区の札幌西円山病院(田中繁道理事長、浦信行院長・780床)は、神経内科総合医療センターを開設した。千葉進副院長がセンター長を兼任し、他科や各種コメディカルとのチーム医療に加え、渓仁会グループのスケールメリットを生かした治療体制を構築していく。

 同病院は、180人以上のリハビリスタッフをそろえ、回復期リハ病棟のほか、神経内科病棟にもリハビリスペースを設けて、神経難病患者のQOL向上に取り組んでいる。


道PT会研修大会で大塚氏、神経リハ 脳の可塑性促す

 第25回道理学療法士会全道学術研修大会(大会長・照井豊小樽協会病院リハビリテーション科係長)が小樽市で開かれ、長野県・相澤病院リハセラピスト部門の大塚功部長が機能解剖に基づく脳卒中リハビリをテーマに基調講演。脳の可塑性を促す神経リハビリを解説するとともに、ストレスのない療養環境が求められると述べた。

 大塚部長は、脳卒中リハビリを充実させるため、各種ガイドラインでは発症後早期のリハビリを推奨していると前置き。しかし、海外研究では、発症24時間以内の早期離床でリハビリを開始した群は、3カ月後のADL自立度が通常群より悪かったため、臨床病型や重症度、合併症の有無などを考慮しない、一律の早期離床は「危険性がある」と提起した。


病院経営管理学会調査、私的の医師賃上げ率過去10年で最高に

 全国病院経営管理学会は「2016年版 病院給与勤務条件実態調査」の結果をまとめた。私的病院の15年医師1人平均賃上げ率(平均年齢42.6歳、勤続年数6.2年)は3.35%となり、ここ10年間で最も高かった13年実績を0.22ポイント、前年を0.96ポイントそれぞれ上回った。看護師(35.8歳、7.9年)は1.70%で前年より0.11ポイント上昇したが、08年の2.10%に比べると、小幅な伸びにとどまっている。


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