北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成27年(2015年)12月18日付

社保審、16年度診療報酬改定へ視点

 2016年度診療報酬改定の基本的視点が社会保障審議会医療保険部会・医療部会により作成、中医協でもこれまでに審議してきた内容を整理した意見書をまとめた。機能分化・連携、かかりつけ医機能など、25年の医療のあるべき姿を見据え、地域医療包括ケアシステムの構築へ、今後はより具体的な方向性が話し合われる。

 中医協は近く決定される改定率を念頭に、現在、集中的に議論している入院医療、外来医療、在宅医療等の在り方について、年明けに示される「改定の骨子」を踏まえ、議論を進める。


全日病15年度経営調査、医業収支率99.8%で初の赤字に

 全日病は、2015年度病院経営調査(15年5月状況)の結果をまとめた。987病院の回答集計では、医業収支率が前年度の104.6%から99.8%にダウン。総収支率も4.4ポイント減の100.2%で、赤字病院は36.2%を占めた。全地域、全種別で悪化し、調査開始以降、初めて赤字になった。  病床種別の医業収支率は、一般のみが5.3ポイント減の97.8%、療養のみが7.0ポイント減の105.8%、一般・療養併設が3.1ポイント減の102.7%、精神のみが7.0ポイント減の104.5%。DPC対象病院は4.7ポイント減の97.5%だった。


北大保健科学研究院、岩見沢で地域見守り実証研究

 北大保健科学研究院は岩見沢市などと共同で、地上デジタルテレビのデータ放送とインターネットを活用し、市民の健康保持と高齢者らの遠隔見守りシステム構築を目指す日本初の実証研究を開始した。協力施設はほかに、北海道テレビ(HTB)、テレビ朝日、日立製作所、市第三セクター「はまなすインフォメーション」。

 産官学連携による革新的イノベーション創出を目指す北大COIプログラムの一環で、COI岩見沢健康コミュニティプロジェクトとして実施。生活インフラとしての可能性を検討し、費用対効果を分析する。システムは同研究院と市の監修の下、テレビ朝日と日立が地域に合わせ開発した。市と三セクによるコールセンターシステムも活用する。


手稲渓仁会、増築棟竣工 636床体制に

 手稲区の手稲渓仁会病院(田中繁道理事長、成田吉明院長)は、2013年11月から進めていた増築棟の工事が竣工。札幌西円山病院から41床を移設して、636床体制となった。セキュリティを強化するとともにアメニティを大幅に向上。今後は、新棟の仕様を基本的なスタイルとして、既存棟の改修を段階的に進め、高度急性期・急性期病院としての機能拡充を図っていく考えだ。

 救命救急センター棟の後方に建設された新棟は、RC造地下2階地上7階建て延べ1万4,000平方メートル。病棟も含め各フロア入口などに電子ロックを設置。新生児室といった特に厳重なセキュリティが必要な場所は、入室できるスタッフの職種を限定している。


小樽協会、職員が変則2交代制支持

 小樽協会病院(吉田秀明理事長、柿木滋夫院長・240床)看護部は、12時間夜勤と遅日勤を組み合わせた「変則2交代制」を11年から試験導入。現在は5病棟中3病棟で正式に採用し、看護職員や労組から高い支持を得ている。

 変則2交代制の勤務シフトは、日勤午前8時半〜午後4時50分(実労働時間7時間20分)、遅日勤午後1時〜9時20分(実労働時間7時間20分)、夜勤午後9時〜翌日午前9時(実労働時間10時間50分)で構成。典型的な勤務例は、1〜3日の日勤の後、遅日勤1回、夜勤1回、夜勤明け、休みというサイクル。夜勤明け後、休みが2日続く例も少なくない。


厚労省検討会、医療等分野IDで報告書

 厚生労働省の「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」は、医療等分野(健康・医療・介護分野)の情報連携に用いる識別子(ID)の具体的な制度設計等に関する報告書をまとめた。共通のID生成により、異なるネットワーク間で患者情報の連携が可能となり、各種データベースをつなぐ基盤が整えば、幅広い医療情報の収集も期待できるとしている。

 現在、医療機関や介護事業所等が加入する地域医療情報ネットワーク整備が進んでいるが、それぞれの管理システムで異なるIDを用いて管理しているため、ネットワーク間の情報連携が円滑にできないという問題がある。


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