北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成27年(2015年)11月20日付

本道の15年度新基金、36事業を実施へ

 道総医協地域医療専門委員会(委員長・小熊豊道医副会長)が札幌市で開かれ、2015年度医療介護総合確保基金(新基金)医療分の第2回内示を受け、道が提示した15年度予定事業計画案を議論した。要望額に対する内示総額(交付率)が89%となったことから、予定していた40事業のうち24事業の配分額を減額したほか、病院内保育所施設整備など4事業は中止となり、計36事業に取り組む方針がおおむね了承された。

 新基金は総額33.2億円で、対象事業は▽地域医療構想達成に向けた医療機関の施設・設備の整備▽居宅等における医療の提供▽医療従事者の確保―の3区分。


航空医療シンポ初開催、固定翼機 本道に不可欠

 『北海道における航空医療搬送の実情と求める姿』をテーマに、航空医療シンポジウムが札幌市で初めて開かれた。日本臓器移植関連学会協議会委員の岡田眞人氏(聖隷福祉事業団法人本部)は、諸外国を例に「広域医療ネットワークを支えるために、ICU救急車、医療用ヘリコプターとともに、医療用固定翼機は必要不可欠」と強調。さらに道、医療機関、自衛隊、航空関係者などからなるシンポジストは、固定翼機による救急対応への患者ニーズ、効果は高いとして、本格導入、早急な国内配備を訴えた。

 道航空医療ネットワーク研究会(会長・浅井康文札医大名誉教授、HAMN)は、2010年4月から4年間・通算13カ月にわたり、メディカルウィング(優先固定翼機)による緊急医療搬送の研究運航を国内で初めて実施。


ロボット支援鏡視下手術、スキルと安全確保重要

 北海道ロボット支援鏡視下手術研究会は、第5回学術講演会を、札幌市で民間企業と共催した。後藤百万名古屋大泌尿器科学教授が、「本邦における泌尿器ロボット支援手術の現状と展望」と題して特別講演し、名大病院におけるガイドラインの紹介などを通して、スキル向上や安全性確保の重要性を訴えた。

 9月時点でダヴィンチシステムは世界で3,400台以上、うち国内は道内の13台を含め200台稼働している。海外では外科領域での活用増加が目立つが、国内は2012年にロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術が保険適用となって以来、泌尿器科での症例数が大幅に増加している。


斗南、「通訳クラウド」道内初導入

 中央区のKKR札幌医療センター斗南病院(奥芝俊一院長・243床)は、増加する外国人患者に対応するために、「通訳クラウド」を道内で初めて導入した。タブレット型端末を活用して、窓口から診療室まで利用できるようにしている。

 同病院は、札幌市内中心部にあり、治療に訪れる外国人患者が多いことから、不安感をできるだけ少なくしたいと、NECのサービスを導入。専用のアプリケーションからビデオ通話をかけることで、通訳センターにつながり、画面を通じて、病院スタッフと外国人患者の同時通訳を行う。


函館脳神経外科、CST設置でスキントラブル報告ゼロに

 函館市の函館脳神経外科病院(西谷幹雄理事長・128床)は、患者の尊厳を重視した質の高い排泄ケアを目指し、コンチネンスサポートチーム(CST)を設置して丸1年が経過した。看護部での取り組みに加え、患者の個別ケアシートを作成することによって、スタッフ間の情報共有を強化。おむつ交換回数や尿漏れが大きく減少し、スキントラブル報告もゼロになるなど、大きな成果を上げている。

 同病院は、脳神経外科単科の急性期病院で、入院患者は60〜80歳代が多く、おむつ使用の排泄ケアを必要とする患者は半数を占めている。


日医総研、若手医師勤務先の選択要因分析

 日医総研は、医師不足・偏在問題解消に向けて、卒後10年未満の若手医師が、勤務先を選択する際に考慮する要因を分析し、ワーキングペーパーにまとめた。全体的に「年収の多さ」や「1カ月当たり当直回数の少なさ」を重視し、「過疎地・へき地・離島」「3次救急病院」を敬遠する傾向がみられるため、これらの条件を調整することで、医師確保がある程度可能になると訴えている。

 「若手医師がどのような勤務条件をどの程度重視しているのか」を把握するため、2004年3月以降に医学部を卒業した医師を対象に、診療科別、男女別、地域別、出身大学別(国公立か私立か)等に分けて調査した。


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