北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成27年(2015年)5月15日付

15年度新基金事業、新規アイデア79件に

 地域医療介護総合確保基金(新基金)を財源に実施する、2015年度事業(医療分)に対する医療機関・関係団体等からの新規提案が79件になったことが、道のまとめで分かった。14年度に提案された継続可能事業も含め300件を超えるアイデアを参考に、6月上旬をめどに計画案が作成される見通しだ。
 道は15年度計画策定へ、「病床機能の分化・連携の促進」(急性期から回復期への転換等)に関する事業をはじめ、「医療従事者の確保・養成」「在宅医療等の充実」を3本柱に、取り組んでいく方針を定めている。


イムス札幌内科リハビリテーション病院、ハンド・リハ導入

 札幌市手稲区のイムス札幌内科リハビリテーション病院(中村哲也理事長、松本昭範院長・150床)は、麻痺上肢の手指機能再建を促すハンド・リハビリテーション・システムを道内病院に先駆けて導入した。個々の患者症状や段階に応じたプログラム設定が可能な上、関節可動域等の改善効果が高く、在宅でのリハビリ使用も期待されている。27日から新潟県で行われる第52回日本リハビリテーション医学会学術集会で臨床実績を発表する。


道透析学会、CKD―MBD治療戦略テーマに特別講演

 道透析療法学会(伊丹儀友会長)の第87回学会が札幌市で開かれ、慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD―MBD)の治療戦略をテーマに、大阪市立大泌尿器病態学の武本佳昭病院教授が特別講演。合併症の二次性副甲状腺機能亢進症に対する副甲状腺摘出術(PTx)の際、神経刺激装置による反回神経の術中モニタリングが将来スタンダードになると解説した。


佐々木内科病院、独居高齢者のインスリン注射管理を調査

 札幌市豊平区の佐々木内科病院(佐々木嵩理事長、石井勝久院長・42床)は、独居高齢者のインスリン注射管理と訪問看護師介入の実態を調査。ヘモグロビンA1c(HbA1c)値の高い患者は、穿刺や抜針、針の取り付け等に問題が多く、注射の打ち忘れが頻回な上、訪問看護の利用も少ないことが分かった。合併症を抱える高齢患者や認知症患者が増加していることから、糖尿病の重症化を防ぐため、佐々木理事長は「在宅サービス事業者等とも一緒になった連携強化が急がれる」と警鐘を鳴らしている。
 同病院は、道内初の糖尿病専門病院として1981年に開院。糖尿病患者は月平均約1,600人で65歳以上が半数強を占める。


高橋氏がセミナーで講演、医師事務作業補助者「配置推進を」

 第1回病院管理者・医師のための医師事務作業補助者マネジメントセミナーが札幌市で開かれ、主催した日本医師事務作業補助研究会道支部の高橋明代表世話人(札幌白石記念病院副院長)が講演。チーム医療の一員として医師事務作業補助者は欠かせない存在であり、配置を推進していくことが必要と説いた。
 高橋代表世話人は、医師の業務を診療、事務作業、学会発表に大別し、事務作業の一つである手術関係書類を挙げ、同意書や説明書、指示箋、クリティカルパス作成、NCD登録などで多大な時間が割かれると説明。「医師が診療行為に専念できれば、医療の質は高まり病院の収益も上がる」ことから、医師事務作業補助者(医療秘書、医療クラーク、メディカルアシスタントなど)の配置がさらに進むようアピールした。

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