北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成27年(2015年)4月17日付

道、周産期医療の実態把握へ

 道は産科の医師不足が深刻化し、周産期母子医療センターでも分娩の取り扱いが困難になっている状況を踏まえ、「周産期医療体制の実態調査」を行う考えだ。当直体制の整備状況や、医師・看護師等の業務分担、医師事務作業補助体制等をはじめ、負担軽減に関する意見や課題・要望なども把握し、今後の周産期医療体制整備に向けた基礎資料に活用する。
 本道の2012年出生数は少子化の進行により1988年の65%程度まで減少しているが、低出生体重児の出生率は1.5倍に増加。産婦人科医師数の減少に歯止めはかかりつつあるものの、現場の負担は増す傾向にある。


全日病調査、7対1病床 報酬改定後5.2%減

 全日病は会員病院を対象に、2013年10月と診療報酬改定後の14年10月の入院基本料、特定入院料などの届け出状況を比較調査。一般病棟入院基本料「7対1」は、380病院から343病院へと37病院減少し、病床数合計も3,343床、5.2%減との結果をまとめた。「10対1」は31病院1,391床増えた。
 調査は14年12月〜1月に実施、1,345病院の状況を集計した。
 「7対1」から移行した117病院の変更先をみると、すべてを他の入院基本料等にした43病院のうち、「10対1」へが30病院2,629床となったほか、地域包括ケア病棟入院料1が6病院236床だった。


北大衛生学・細胞予防医学、線維筋痛症の鑑別に成功

 北大衛生学・細胞予防医学分野の若尾宏准教授らの研究グループは、血液細胞中のマイト細胞(Tリンパ球)をマーカーとして、線維筋痛症の鑑別に初めて成功したと発表した。従来の痛みを指標とした主観的診断よりも迅速で客観的な診断が可能となるほか、この手法を用いて類似症状を呈する脊椎関節炎や関節リウマチとの鑑別も可能という。
 線維筋痛症は慢性全身性疼痛や疲労、睡眠障害などを特徴とする原因不明の難病。全身性疼痛は脊椎関節炎や関節リウマチなどでも見られ、線維筋痛症患者はこれらの疾患を併発していることが多く、リウマチや疼痛の専門医でも鑑別診断は非常に困難となっている。


道内市立病院2015年度整備、美唄が新病院基本構想着手

 道内各市立病院の2015年度整備計画がまとまった。市立美唄病院は老朽化に伴う保健医療福祉の複合施設の一体整備に向け基本構想や基本計画策定費に着手するのをはじめ、市立札幌病院は急性期機能を強化するためにスタッフ増員を促進、岩見沢市立総合病院は院内保育園、病児保育を開始。市立釧路総合病院は内視鏡手術支援用ロボットを導入する。
 市立美唄病院は、保健センター、地域包括支援センター、介護予防拠点機能を整備し、病床数は60床程度にスリム化。診療科は内科、小児科、外科、整形外科を基本に、産婦人科の継続や院内助産院開設を模索、介護保険施設への転換の可否を検討し、総合診療医確保なども計画している。


愛全、人工呼吸患者のケア向上

 札幌市南区の愛全病院(赤塚知以理事長、島崎孝志院長・609床)は、人工呼吸病棟での看護師と介護職の夜間配置数の組み替え、スタッフ研修の充実、業務分担の見直しなどを図るとともに、人工呼吸患者の離床や外出機会を増やす工夫など、尊厳を大切にしたケア向上への取り組みを強化している。
 慢性期を担う同病院では急性期治療後の患者受け入れ、在宅療養支援、高齢者の特性に応じた専門医療などを展開しており、人工呼吸病棟には20〜25人が入院している。


私的病院の14年賃上げ率、医師は前年下回る

 全国病院経営管理学会は「2015年版 病院給与勤務条件実態調査」の結果をまとめた。私的病院の14年医師1人平均賃上げ率は2.39%(平均年齢43.9歳、勤続年数6.1年)となり、ここ10年間で最も高かった前年実績を0.74ポイント下回った。看護師(35.8歳、7.2年)は1.59%で、05年以降では09年に次ぐ低い伸びとなっている。
 調査は14年6月に行い、一般と精神を合わせた私的病院210施設が回答した。

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