北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成27年(2015年)2月6日付

研修医交流会、参加者の9割「よかった」

 道臨床研修病院等連絡協議会と道ブロック臨床研修制度協議会の26年度合同会議(道厚生局・道共催)が札幌市で開かれ、昨年4月に初めて実施された医科初期臨床研修医交流会の状況が報告された。1年次、2年次混合で行われた交流会では、他病院の状況が聞け、悩みを共有できたなど、「よかった」とする意見が9割近くを占め、27年度も継続することを確認した。
 交流会は、研修医に情報交換の場がなく、自院以外で行われている研修内容が分からないなどとする指摘があったのを踏まえ、26年度臨床研修病院合同プレゼンテーションに合わせて企画された。


道災害拠点病院等連絡協議会、27年度に大規模震災訓練計画

 道災害拠点病院等連絡協議会と道DMAT連絡協議会の26年度会議が札幌市で開かれ、27年度に日本海溝・千島海溝型地震を想定して、道と自衛隊北部方面隊が大規模震災対処訓練を実施する計画が示された。道内全域の陸・海・空自衛隊に加え、警察や消防、日赤、電力、通信会社などが参加。航空患者搬送や初の洋上医療拠点設置のほか、3月下旬に移転新築する自衛隊札幌病院も加わって、これまでにない大規模な災害実働訓練を展開する。
 同訓練は8月下旬〜9月上旬を予定。釧路・日高・十勝沖で、マグニチュード9クラスの地震が起こり、沿岸部で津波が発生し、死者1万人、負傷者3万人に上るとの想定で実施する。。


北大眼科チーム、結膜リンパ腫の病態進行メカニズム解明

 北大眼科学分野の石田晋教授、神田敦宏特任講師、石塚タンエルダル大学院生らの研究チームは、結膜節外性濾胞辺縁帯B細胞性リンパ腫の病態進行メカニズムを解明し、(プロ)レニン受容体[(P)RR]及びレニン・アンジオテンシン系(RAS)が重要な鍵分子であることを、ヒト組織で初めて突き止めたと発表した。新規薬物治療の標的として期待されるという。
 結膜リンパ腫の治療法では、放射線療法と化学療法の効果が明らかな一方で副作用問題が指摘され、外科手術で病巣部分を摘出しても再発する症例があり、患者の負担軽減や医療費削減への要請から治療薬開発が課題となっている。


函館中央、委員会中心に児童虐待防止推進

 函館中央病院(高※田竹人理事長、橋本友幸院長・527床)は、虐待が疑われる受診児を見過ごさないよう、院内児童虐待防止委員会を運営してから4年経過した。子どもたちの命を守るため、早期発見に努めるとともに、保護者への子育て支援を通して予防活動を推進している。
 道南唯一の総合周産期母子医療センターを有する同病院で、医師、看護師、MSWらで組織する委員会が22年8月に発足。虐待の疑いが否定できない児童を「気がかり児」と位置付け、院内スタッフが発見した際、委員会事務局の医療相談室(休日夜間は当直小児科医)に連絡。明らかな虐待の場合は、すぐに児童相談所や警察に通報している。(※は異体字の高=はしごだか)


増えるCE当直、医療安全に期待

 26年度診療報酬改定で、特定集中治療室(ICU)管理料1の施設基準に「専任の臨床工学技士(CE)が、常時、院内に勤務」が盛り込まれたことを受け、算定に当たってCEを当直させる病院が道内で増えつつある。医療の質と安全の向上が期待されている。
 札幌市手稲区の手稲渓仁会病院(田中繁道理事長・595床)は、26年3月から当直1人体制を導入。CE19人のうち、若手を中心に15人がローテーションで担当している。


福祉医療機構25年度経営分析、一般病院収益率が1.3ポイント減

 福祉医療機構がまとめた25年度病院経営分析参考指標によると、貸付先の一般病院822施設(前年度比12施設減)の収益率は2年連続低下となり、前年度比1.3ポイント減の1.5%だった。平均在院日数は0.6日短縮し20.2日、病床利用率が0.3ポイント減の80.3%で、在院日数短縮と利用率上昇の両立は3年続けて達成できなかった。
 一般病院(全病床に占める一般病床の割合が50%超、平均病床数186.8床)の1日平均患者数は、入院が2.9人増の149.9人、外来は2.0人増の281.6人と、ともに増えた。

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