北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成26年(2014年)11月14日付

急性心筋梗塞パス、本格運用スタート

 道地域連携クリティカルパス運営協議会(会長・宝金清博北大脳神経外科学分野教授)は、急性心筋梗塞クリティカルパスの試行を終え、本格運用を開始した。今後は、巡回型パスに活用している「脳卒中あんしん連携ノート」と、「急性心筋梗塞あんしん連携ノート」の合冊を進め、両疾患の患者・家族が再発や重症化を予防できるように機能、利便性を高めていく。
 25年7月から試行運用がスタートした急性心筋梗塞パスは、9圏域の急性期19医療機関、かかりつけ医20医療機関(札幌10、十勝、西胆振各7、後志3、上川中部、南渡島各2、東胆振、遠紋、桧山各1。両機能重複5)が参加して10月から本格実施された。


終末期医療ガイドライン、判断はチームの総意で

 日本救急医学会と日本集中治療医学会、日本循環器学会は「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン」を公表した。終末期である判断やその後の対応は主治医を含む複数の医師と看護師らからなる医療チームの総意であることが重要とし、患者、家族らへ理解が深まる説明を求めた。医療チームが判断できない場合は、施設倫理委員会で妥当性を検討することも勧奨。Q&A集(17項目)も作成して、分かりやすく紹介している。


心臓血管センター北海道大野、僧帽弁形成術で右開胸MICS

 札幌市西区の心臓血管センター北海道大野病院(齋藤孝次理事長、大野猛三院長・157床)は、心臓手術に胸骨正中切開を行わない低侵襲手術を導入。2年間で各種手術28例に実施し、特に僧帽弁形成術では出血量を抑えるなど患者負担軽減と早期社会復帰につなげている。
 同病院では、以前から開心術を小さな皮膚切開で行う正中切開の小切開開心術(MICS)を取り入れてきた。しかし、正中切開を行ったことがある再手術症例では、胸骨切開によって癒着している臓器の出血やグラフトの損傷、感染症の危険性等があったことと、さらに侵襲を小さくする目的で、24年に右開胸MICSを導入した。


北海道泌尿器科記念、来年9月に新病院オープンへ

 札幌市東区の北海道泌尿器科記念病院(谷口光太郎理事長、南谷正水院長・96床)は、北41条東1丁目1番25に移転新築し来年9月に新病院をオープンする。専門診療体制を強化するのに伴い、現建物は内科を柱に分院として整備。新病院40床、分院56床の2病院体制で機能分化、地域医療連携を推進させる。
 新病院はRC造4階建て延べ約5,200平方メートル。1階が外来と検査、事務部門で、診察室と処置室各3室をはじめ、内視鏡室、採血室、臨床検査室、外来化学療法室(3床)、医療相談室のほか、新たに救急用診察室を設置し、外来環境を整える。


ID―Link、初のユーザー連絡会

 道ID―Linkユーザー連絡会(主催・NPO法人道南地域医療連携協議会)が札幌市で初めて開かれた。地域の医療機関をインターネット回線で結び、患者の診療情報を共有するID―Linkシステムを導入している道内の10協議会(施設)が集い、担当者が取り組み状況を報告。医療機関連携に大きく貢献している一方、在宅との連携に向けた活用促進が課題に挙がった。br> 南桧山地域医療連携システム運営協議会(イ・ネット南桧山)はシステム導入の効果として、▽重複検査・投薬を防ぐ▽検査データや処方内容を紹介先の医療機関へ問い合わせる必要がなく、医師や看護師の業務負担が軽減▽画像データを逆紹介予定の医療機関へ事前に送り、受診や入院の必要性、治療アドバイスをもらえる―などを提示した。

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