北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成26年(2014年)11月7日付

道保険医会が同一建物減算調査、地域医療に影響深刻

 同一建物居住者への訪問診療料が大幅に引き下げられた影響で、訪問中止を含めて診療体制に変更があった道内介護施設は24%に上ることが、道保険医会(小笠原俊一会長)のアンケート調査で分かった。施設や患者だけでなく医療機関や医療介護提供体制にも深刻な状況を招いている。
 調査は7〜8月、道内で施設介護を提供する2,295事業所に行い、689施設(30%)が回答した。施設の内訳はグループホーム37%、有料老人ホーム17%、特養15%、小規模多機能型居宅介護10%などで、入所者数は19人以下が41%。


地域医療を守るシンポ、4団体が住民活動報告

 道医(長瀬清会長)が主催する「地域医療を守る住民活動に関するシンポジウム―住民と医療機関の連携を諸団体の実践事例に学ぶ2」が札幌市で開かれた。士別市立病院応援隊の岡松枝副代表、滝川市立病院「菜の花」応援団の椿坂幸夫会長、市立赤平総合病院ボランティア活動かあさん食堂「ぼらん亭」の黒坂順子ボランティアコーディネーター、地域医療を守る会「折り鶴」(留萌管内羽幌町)の渋谷弘己事務局長が、地域医療を守るための住民活動を報告した。


日本精神衛生学会道大会、若者の自殺で高いうつ病有病率

 日本精神衛生学会第30回北海道大会(大会長・傳田健三北大生活機能学分野教授)が、札幌市で開かれた。傳田大会長は、若者のうつ病と自殺をテーマに講演。調査結果や対策を紹介し、自身の状態への気づきの重要性などを訴えた。
 24年度の全国の自殺者数は15年ぶりに3万人を下回ったが、若い世代の死因の1位は自殺であり、深刻な状況にあると前置き。先進7カ国の中で、自殺者数は2位のカナダに比べ1.6倍と指摘。自殺者の80〜90%は生前に何らかの精神疾患に罹患しており、そのうち60〜70%がうつ病とあって、予防が急務という。


医療法人セレス、来年6月札幌市東区に新病院

 医療法人セレス(深澤俊行理事長)は、札幌市南区の定山渓温泉病院(後藤康之院長・62床)を同市東区のさっぽろ神経内科クリニック(19床)隣接地に移転。27年6月に、「さっぽろ神経内科東病院」と改称してオープンする予定だ。
 同法人は、パーキンソン病や多発性硬化症などの神経難病患者等の在宅生活を支えることを目的に、19年10月にさっぽろ神経内科クリニックを開設。訪問看護ステーション、療養通所介護事業所を併設するとともに、訪問診療なども行って、患者個々に合わせた医療、看護、リハビリ、福祉を提供している。


新札幌恵愛会、クラーク部門独立し教育体制強化

 札幌市厚別区の新札幌恵愛会病院(徳田禎久理事長、八十島孝博院長・86床)は、メディカルクラーク部門を再編。クラーク課として今春から独立させるとともに、部門ごとにリーダーを配置し、ローテーション業務やマニュアルの作成・改善を進めるなど、知識向上と連携強化、クラーク全体の質アップに努めている。
 同病院では20年から外来診察室、病棟にクラークを配置。翌年以降は外来や病棟、医事課、医局も加えてローテーション業務を開始した。24年には薬局やリハビリなどのコメディカル部門にも導入するなど、専門職が本来の仕事に専念できる環境整備、組織の定着化に力を注いでいる。

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