北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成26年(2014年)6月20日付

道医代議員会、医療の平等性維持を

 道医(長瀬清会長)は15日、第142回定時代議員会を開いた。長瀬会長はあいさつで、「今国会では社会保障制度改革に関する極めて重要な法案が十分な議論がされず、安易に通過している」とし、今後に禍根を残さないかを懸念。日医の次期役員改選では副会長に中川俊男氏を推薦する考えを示した。
 規制改革の議論では、反対が強かった選択療養を患者申出療養へと名を変え、押し切るやり方に疑問を投げかけ、「診療範囲の安易な拡大は世界に誇る医療制度を崩壊させ、平等を旨としてきた日本の社会の格差を広げる」と指摘した。


西胆振医療情報ネット、東胆振と連携拡大へ

 インターネット回線を通じて、患者の服薬や検査データ、レントゲン画像などの診療情報を共有する西胆振医療情報連携システムネットワーク「SWAN」(スワネット)は、新たに調剤薬局に参加を呼び掛けるとともに、東胆振圏との運用連携拡大に向けた準備作業を開始した。
 スワネットはID―Linkを活用したシステムで、室蘭市医師会も参加。開示病院は製鉄記念室蘭、市立室蘭総合、日鋼記念の3病院でスタート、その後伊達赤十字と洞爺協会の2病院も加わり、閲覧施設は圏内43医療機関となっている。


病原体と免疫応答追究を、堤会長が臨床ウイルス学会で講演

 第55回日本臨床ウイルス学会(会長・堤裕幸札医大小児科学講座教授)が札幌市で開かれ、「ウイルス感染(症)の疫学研究」と題し、堤会長が講演。教室一丸で取り組んできた成果を示しつつ、病原体と免疫応答を追究する必要性を強調した。
 堤会長は、ロタウイルスとノロウイルスの流行動向を解説。札幌の入院患児95例を取り上げ、入院を要する小児急性胃腸炎の原因ウイルスは、ノロウイルス13%に対し、ロタウイルスが48%で「小児の重症例はロタウイルスが主流」とした。


旭医大病院、3つの関門で患者誤認防止

 旭医大病院(松野丈夫院長・602床)の医療安全管理部は、医師が外来で診療を開始し終了するまで3つの関門を設けて患者照合を促し、患者誤認を防止するシステムを構築した。本格運用からの3カ月間で、25件の患者誤認を防ぐ成果を上げている。
 同病院の1日平均外来患者数は約1,600人、同規模大学病院の平均より約500人多い。23年には外来での患者誤認インシデント増加が確認されたことから、患者が診療券と一体で動くことが重要と考え、24年3月から診療券携行ホルダーを導入している。


道看協あす総会、会長など役員改選

 道看協は、26年度通常総会を21日に札幌市白石区の札幌コンベンションセンターで開く。任期満了に伴い、会長をはじめ理事12人、監事1人、推薦委員9人の改選などについて審議するほか、日看協代議員・予備代議員の選出などを行う。
 役員改選は、会長に現職の平山妙子氏、副会長に竹内明子氏が立候補を表明しており、当日に選挙結果が発表される。議決事項は4議案で、25年度決算・監査報告のほか、会計制度に精通した会員外の監事の選任について審議する予定だ。


私的病院勤務医の25年賃上率、過去10年で最高

 全国病院経営管理学会がまとめた「2014年版病院給与・勤務条件実態調査」によると、私的病院の25年医師1人平均賃上率は3.13%(平均年齢41.6歳、勤続年数6.3年)となり、16年以降の10年間で最も高かった。看護師は1.79%(35.2歳、8.1年)の伸びとなっている。
 調査は25年6月に行い、一般、精神科を合わせ198施設が回答した。

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