北海道医療新聞社

▼バックナンバーはこちらから
週刊:北海道医療新聞

平成26年(2014年)2月28日付

26年度診療報酬改定、有床診の入院基本料拡充

 中医協が26年度診療報酬改定を答申したのを受け、医療機関の機能分化・強化、連携等に向けて、各項目の新たな点数や施設基準の概要が明らかになった。3月上旬には厚生労働省から関連告示、通知等が示され、関係団体等による説明会が本格化する。
 一般病棟における長期療養患者の評価を適正化するため、7対1、10対1で実施される特定除外制度の見直しは10月1日施行。90日超入院患者に療養病棟入院基本料を選択する場合、3月31日時点で入院している患者には当分の間、医療区分3とみなす経過措置が導入される。
 急性期後・回復期を担う病床の充実に向けて、亜急性期入院医療管理料に代わり新設される「地域包括ケア病棟入院料1」は2,558点、「同2」は2,058点で、施設基準にある「データ提出加算の届け出」は27年4月1日からの適用となる。


帯広協会、非造影MRIで血行動態評価

 帯広市の帯広協会病院(高橋透理事長、及能健一院長・360床)画像診断科は、庄内孝春札医大病院放射線診断科助教との共同研究で、非造影MRIである「Time―SLIP法」を用いて撮影した画像情報をもとに、脳幹部に生じているnidusと動静脈を分離し、3次元画像を作成。存在診断だけでなく血行動態評価も行っている。
 nidusは動脈と静脈の間にできる異常な血管の固まりで、流出入する血流は速いため、血管径が細いとCTやMRIでは撮影が難しく、従来は血管造影で評価していた。


函館新都市、脳卒中上肢まひにTMS治療導入

 函館市の函館新都市病院(伊藤丈雄理事長、青野允院長・155床)は、脳卒中で上肢まひを抱える患者に対するTMS(経頭蓋磁気刺激)治療を道内に先駆けて導入した。集中的なリハビリを組み合わせ、維持期であっても片まひの改善を促す。
 TMS治療は、東京慈恵会医大の安保雅博教授グループが20年に開発した。同グループの研究によると、脳卒中で左右どちらかの脳が損傷すると、もう片側の健康な脳が活動を補おうして機能が活発化するという。


医療機関担当者会議、急性心筋梗塞パスの試行期間延長

 道地域連携クリティカルパス運営協議会(会長・宝金清博北大脳神経外科学分野教授)が25年8月から試行している急性心筋梗塞クリティカルパスの運用状況を話し合う「急性心筋梗塞あんしん連携ノート」医療機関担当者会議が、札幌市で開かれた。
 運用上の課題や改善点を意見交換したほか、12日現在で参加機関30施設、患者登録46件に達し、当初2月末までとしていた試行期間を7月末まで延長することなどが報告された。今後は「脳卒中あんしん連携ノート」との一本化を課題として、運営協議会で26年度から検討する。

topへ戻る
ご注意/このサイトに掲載されている記事、写真、図表などの流用・無断転載を禁じます。