北海道医療新聞社

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週刊:介護新聞

2021年(令和3年)1月1日付

キーワードは現場革新

 限られた人材や資源で地域の高齢者を今後も変わらず支えていくために注目されているのが、テクノロジーを活用し生産性向上を図る介護現場革新だ。4月施行される2021年度介護保険制度見直し・介護報酬改定でも取り組み推進方針が色濃く反映されており、対応を求められる場面が増えそうだ。ICT導入による業務効率化や社会参加促進、人手不足の中でも介護サービスの質の維持・向上を実現するマネジメントモデル構築など、変わり始めている現場をレポートする。


上士幌町 タブレット配布 包括Cモニタリングと福祉バス予約実証事業

 上士幌町は、2020年4月に開設したICT推進室と地域包括支援センターが連携して同年10月から、タブレット型端末を使った高齢者の生活支援に関わる2つの実証事業を進めている。1つはビデオ通話による要支援者のモニタリング、もう1つはで福祉バスの予約を入れる試みで、いずれも高齢者自身で端末を操作する。開始から約2カ月、抵抗のあった80代、90代も、ICT推進員の粘り強いサポートで意識に変化が見られるようになってきた。


札幌介護事業協同組合 技能実習生受け入れ再開 カンボジアから4人

 ICT活用による業務効率化とともに、介護現場革新で期待されるのが外国人介護人材活用だ。そうした中、新型コロナウイルス感染拡大の影響で滞っていた道内の外国人技能実習生受け入れが再開された。先駆けとなったのは札幌介護事業協同組合が監理団体として調整していたカンボジア人4人で、2020年12月から札幌市内の2事業所で実習をスタート。半年以上に及んだ延期期間を乗り越え、異国の地でスキルアップに取り組む。


札幌市東区・おいらーく通所介護エルパサ 「ICTリハ」導入

 利用者一人ひとりの年齢や既往歴等を基に、AIが全国の要介護者のビッグデータから介護度改善ケースの運動療法データを分析し、理想の機能訓練計画を提案する「ICTリハ」。導入しているのは札幌市東区内の通所介護「次世代型デイトレセンター ライルパークSapporo(エルパサ)」。運動、栄養、社会参加をコンセプトにeスポーツといった現代的要素も取り入れた豊富なプログラムを提供し、趣味嗜(し)好の多様化する高齢者世代に対応していく。エルパサは医療法人社団豊生会グループのおいらーくが「運動・栄養・社会参加」をコンセプトに地域高齢者の健康寿命延伸を目指し、同区東苗穂9条3丁目のドラッグストアを改修し2020年9月にオープンした。


●社福、民間事業者、在宅医療から先駆的ICT導入事例報告 「地域包括ケアのDX」セミナー
●ICT活用状況 特養4割に見守り機器スマホ等で記録入力も WAM調査
●21年度報酬改定 感染症対応強化、人材確保・現場革新が柱 社保審分科会審議報告まとめ
●介護保険サービス道内事業所指定=20年11月30日
●介護人材確保・現場革新 厚労省・社保審給付費分科会審議報告参考資料から
●20年度特養の人材確保に関する調査 福祉医療機構


【連載】●〇まる福連携 福祉分野からみた異業種との対話=休
     一般社団法人福祉システム北海道代表理事 高橋銀司氏

    ●「介護医療」への思い=7
     ちとせの介護医療連携の会 事務局長 木下浩志氏

    ●道具七分に腕三分-介護は心と言葉と行い-高谷施設長の放談記=休
     社会福祉法人札幌明啓院・特養フローラルさつなえ高谷敦生施設長
    

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