「死は生の延長上にある」、「生と死は別物ではなく、もともと生は死を内包している」―生と死にまつわるさまざまな言葉は、そのまま「生きる」ことと「死ぬ」ことの難しさ、意味を問いかけています。この世に生を受けてから私たちは、同時に死すべき運命を背負って生きています。「死」は昔から忌み嫌われるものとして忌避されてきましたが、「死」という恐怖から逃げるのではなく、「死」を考えることで、改めて「生」の価値を見出すこともできます。札幌で開かれた「第9回北海道在宅医療推進フォーラム〜みんなで死について考えてみませんか」(主催:同フォーラム実行員会)並びに「家で生まれて家で死ぬシンポジウムin札幌」(主催:家で生まれて家で死ぬことを考える会・北海道大学大学院保健科学研究院)では、「生」と「死」ということに正面から向き合い、現在の医療・介護の在り方について意見を交流しました。同フォーラムでは医師や看護師などが、在宅における「死」などについて講演。うち、本号では訪問看護と特別養護老人ホームの取り組みを紹介します。もう一方のシンポジウムでは、自宅出産と在宅死の現場が紹介され、家を現場とした生と死について考えました。それぞれの講演概要を紹介します。
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