第14回北海道胃瘻研究会(会長/小田寿釧路ろうさい病院消化器内科部長)が11月19日、札幌コンベンションセンターで開かれ、一般演題12題の発表と、共催セミナーとして「胃瘻の正しい使い方…経腸栄養」をテーマに大阪大学国際医工情報センター栄養デバイス未来医工学共同研究部門特任教授の井上善文氏が講演しました。井上氏は「胃瘻バッシング」という現象が起き、「胃瘻が単なる延命行為」「胃瘻を造設すると食べられなくなる」などの誤解が生じ、臨床では経鼻胃管の症例が増加し、CVポートを用いた静脈栄養が安易に選択されるようになってきたなど、適正な栄養管理ができなくなってきていると指摘。講演では原点に返って「胃瘻は何のために必要なのか、適正な経腸栄養を実施するには」というテーマに論及しました。
開会の挨拶に立った同研究会の代表世話人である町立長沼病院院長の倉敏郎氏は「胃瘻を巡って様々な意見が飛び交っていますが、正しい適応の患者さんについては、QOLを上げる最適な方法であることを今も確信しています。討論を重ねて素晴らしいケアを続けていきましょう」とアピール。
倉氏はまた、今回初めて特別企画として出展企業による最新の栄養剤・栄養関連器材のプレゼンテーションを実施することを紹介。さらに、自身が会長を務める第22回PEG・在宅医療学会学術集会が2017年9月23日に札幌コンベンションセンターで開催されること。その学術集会のセッションの1つとして、全国の各地域から選抜された優秀演題を発表する場を設け、北海道からの優秀演題の推薦はこの日発表される12演題の中から世話人会が推薦することを明らかにしました。
なお、同じく倉氏が当番世話人を務め第16回PTEG研究会学術集会が2017年9月24日に札幌コンベンションセンターで開かれることも広報しました。
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