オルタ・グローバリズムの総結集を!
 
  オルタ・グローバリズムとは何かと言うと、オルタナティヴ(もう一つの)世界を求める革新・ 反体制の結集ということになるだろうか。従来は、反(アンチ)グローバリズムという言葉がよく使われていたが、これでは、国粋主義や民族主義と同じようなものという誤解を生じかねないので、最近はオルタ・グローバリズムと言われるようになってきているようだ。フランスでは結構大きな勢力になっているので、アルテルモンディアリスムというフランス語も最近は使われてきている。
  共産党、新左翼、緑の党(エコロジスト)からアナキストまで、イデオロギーを問わず赤も緑も黒も一緒になり連帯して現代世界の支配者に立ち向かおうということである。また、労働者、農民、少数民族などの被支配者、人種、性別、障害などによる被差別者など、様々に分断された民衆・マイノリティーが結集して 同じ敵に立ち向かおうということでもある。私も、この考え方に全面的に賛成するものであるし、日本の左翼勢力も、民主党の大半と自民党にも一部いるリベラルと結集して、何とか現在の流れを180度変える政治に向かって欲しい。
  少数者同士がお互い反目しあっていては、巨大な敵を倒すことなどできはしない。この大きなグローバリズムという名の敵は、ネオリベラリズム(新自由主義)の流れの下で成長した、巨大な資本を持った銀行と多国籍企業、そしてその利益を代表する国家組織である。このネオリベあるいはグローバリズムによって、国内においては地域や階級の格差が拡大して貧困が深刻になり、世界においては途上国に大きな債務を負わせて環境破壊・戦争・飢餓などをもたらしている。従って、この巨大な敵に立ち向かう者たちは、イデオロギーやアイデンティティーを超えて共闘することはもちろんのこと、その国境も越えてインターナショナルにグローバルに闘う必要もあるわけだ。
  G8サミットやWTO、世界経済フォーラム(ダボス会議)といった資本主義国グループによるグローバリズムの流れに対抗し、ATTACが1997年にフランスで発足し、そこから世界社会フォーラムが生まれ、2001年ブラジル・ポルトアレグレ大会以来、もう一つの世界を目指す民衆の連帯の場となっている。このオルタ・グローバリズムということは、簡単に言えば反資本主義ということでもあるけれど、従来型の社会主義や共産主義というプロセスを志向するわけではない。物質・経済中心の社会から、人間・生命中心の社会への移行を求めるものだと言えるだろう。
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  フェアトレード、先住民の権利、反差別、フェミニズム、ジェンダーフリー、反戦平和、カウンターカルチャー・・・
 多くは70年代、まだグローバリズムという言葉がなく、グローバリゼーションという言葉にネガティブな意味がなかった頃、そういう問題は南北問題という 言葉で語られていた時から注目された考え方である。当時は、若者達がコミューン(共同体)を作ったり、ヒッピースタイルでフォークやロックなどの音楽でプ ロテスト・ソングを歌ったりした。最近では、コミューンは流行りそうもないのでエコ・ヴィレッジ(残念ながら、これはまだ日本で本格的な例がない?)だろうし、音楽ではもっと民族音楽やら手作りの楽器やらを使ったノージャンルや無国籍のものがそれらに替わっているような感じがする。クラシックでもベネズエラのエル・システマは欧米の一流オケに対抗したオルタ・グローバリズムの流れと言えるだろうし、農民オケもその流れだと考えている!

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