百姓賛歌!
 
 百姓ほど、すばらしい生き方はない。百姓は、ただの農民ではない。自給的農民、あるいは独立自営農民と言い換えてもよい。自然と共に生き、誰に指図されることもなく、自分で自分の好きなように生きることのできる、ほとんど唯一の生き方と言ってよい。
  百姓は、サラリーマン(正社員、公務員など)のように経済的に安定はしていないし、平均的サラリーマンほどお金を稼ぐことは、ほとんど無理だ。所得を上げている農家もあるが、そういう農家を百姓とは言わない。そういう農家を、農業者あるいは生産者と呼ぶことがあっても、百姓とは言わないのである。
  百姓仕事は、決して儲かることはない。機械化したり、施設化したり、アルバイトを使ったりして農業で稼ぐ方法もあるが、それで豊かになれるかと言うと、そんなことはない。収入も増えるが支出も増え、へたをすると大きな赤字になることもある。しかし、百姓は大きく儲かることはなくとも、大きな損をすることもない。お金がなくても自給できるものがたくさんあるし、都会ではお金を出しても買えないようなものをたくさん手に入れることもできる。百姓は、利益を上げることを目指すのではなく、いかに支出を減らして自給率を高めるかということを目指すべきである。サラリーマンよりもはるかに少ない収入で、はるかに豊かな暮らしを満喫することができる。そして、何よりも、自由である。
  私は、農地をほぼ全て借金で購入し、返済はまだ長期にわたる。大変だと思われるかもしれない。しかし、苦労をしないで手に入れることのできる幸福など、存在しない。私は、この農地を大切に守り、自分の作りたいものだけを自由に作ることができることを、本当に幸せに感じている。このような生き方を、ぜひ多くの人に実践して欲しいと思う。そうすれば、差別も搾取もない、失業も環境破壊もない、戦争も飢餓もない、そういう世界が実現できると信じている。

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