寒中お見舞い申し上げます  ・・・何故「農民芸術学校」なのか・・・
 
  このニュース・レターを毎月欠かさず発行して、もうすぐ丸16年になります。新年号は、年賀状代わりのつもりで発行してきましたが、昨年中途から月初発行のルールを守れなくなり、ほぼ月末発行が定着してしまいました。というわけで、年始のあいさつをするのには、少々発行が遅れてしまいましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。
このような暮らしを始めて16年、さすがに時代は変わって来ました。農的暮らしを目指す人は、確実に増えているように思います。ロハスだとかスローライフだとかいう言葉もはやり、それっぽい雑誌も随分たくさん出版されるようになっています。何か、そういうのをファッションにしてしまうのは、ちょっと違うなあと思うのですが、一時の流行ではなく確実にそういう時代の流れになってくれれば、日本も世界も少しはましな方向に行くと淡い期待を抱いています。
 しかし、日本の政治やマスコミは全くお粗末。真実は隠され、大切なことはほとんど語られもしない暗澹たる状況です。1億総中流、アメリカに次ぐGNP第2位の経済大国などという過去の幻想は吹っ飛び、アメリカ型の自由主義経済を追及した結末が、今やまぎれもない格差社会の到来です。年収200万円に満たない貧困層は1000万人を超え、その率は先進国中でアメリカに次ぎ第2位。そして、戦争否定と軍隊不保持を掲げる憲法を持ちながら、軍事費はこれもアメリカに次ぐ世界第2位というおかしさ。一方で、大都市では年老いたホームレスが次々に野垂れ死にしています。昨年、名古屋で整備不良か何かで墜落炎上した戦闘機が1機120億円。それだけのお金があれば、ホームレスの問題など一気に解決できるはずですが、政治家は人を殺す道具には金をつぎ込むくせに、人を救うお金には出し惜しみをします。
 自衛隊は、地雷同様の残酷兵器とされるクラスター爆弾も大量に所有していますが、一体その兵器をどのような有事にどのように使うつもりなのか、考えただけでもおぞましいことです。インド用での自衛隊による外国艦船への給油活動を継続することだけが目的で生まれた福田内閣も、与党とどっこいどっこいのお粗末な野党のおかげですんなりお役目を果たし、国民の意志などそっちのけで対米関係だけは絶対服従を貫徹というみじめな姿です。昨年末には、マスコミが全く報道しない中、米軍の第一指令本部が日本国内に移転しました。これで独立国家などといえるのでしょうか? テレビでも新聞でもアメリカ大統領の予備選挙や大リーグのことは、日本の政局やプロ野球を差し置いても報道しますが、アメリカ以外の外国の重要なニュースは、本当にわずかしか報道されることはありません。このような報道の偏向には、何かアメリカの圧力でもあるのでしょうか? 誰もが、日本がアメリカに逆らえないことに気付いていながら、自分の生活さえ守ることができれば構わないという現状維持派がほとんどで、自主独立を主張するのは、一握りの超右翼と超左翼(ワタクシも?)だけになってしまったようです。
  国内での事件と言えば、家族内殺人だとか世界でもダントツに多い自殺だとか、暗くなるようなニュースばかりというのに、テレビでは低俗でガサツなお笑いと、グルメだの大食いだの人間としてあるべき食の姿を歪めるような異常な番組の氾濫です。もういい加減にしろ!と、どなりたくのを抑えつつ、まあ余り固いことばかり言うのもつまらないし、たまにはいい番組も面白い番組もあるので、テレビも結構見ている私でした。
  世相に関して、ぼやいてばかりいても仕方ありません。私には、有機農業と音楽活動によって世直しをするという責務がますます大きくなっているのを、強く感じるこの頃です。毎年のように言い続けていますが、今年こそ「農民芸術学校」の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すことができればと思います。というのも、そのために手に入れた土地の支払いが、もうすぐそこに迫っていますし、この土地を本当に生かすことを考えなくてはいけないからです。そのために、皆様のお知恵も拝借したいと思います。ホームページの掲示板やブログでは、双方向の意見交換を行なっていますし、インターネットをされていない方はお手紙でも構いませんので、ぜひ皆様の意見やアイディアをお寄せいただければ幸いです。私の構想する学校は、私個人のものではなく、多くの人が協力して共に創って行くことができればというのが私の願いです。この学校は、自立と共生による社会を築くためのものです。依存=搾取と競争=差別によって成立している社会を打ち砕くための知識と技術を身につけるための学校なのです。 

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