戦争を退け平和を築く道

平和とは何か?
 戦争のない状態であっても、自由がなければ平和とは言えないだろう。それは、偽りの平和と言うべきである。そして、自由がなくなれば、必ず戦争がやって来る。自由に生きることができれば、誰も戦争をしようなどとは思わないが、人は自由のためにはどんなことでもするものだ。
 今日本では、戦争をするための法整備、市民や自治体の権利を奪う法案が、次々と国会を通過している。締めくくりは、憲法第9条の改悪である。国民主権と矛盾する日本国憲法第1〜8条の天皇条項は、もちろんこのままで良いはずがないが、今の情況では憲法そのものを守らないと、日本そのものが危ない。

戦争は、どうして起こるのだろうか?
 宗教やイデオロギーの対立は、戦争の原因ではない。それはただ、民衆を戦争に駆り立てるための道具として利用されるに過ぎない。思想信条が異なろうとも、それだけで殺し合いをすることが無意味なことは、誰にでも分かる。それなのに、他者を差別し憎悪し、ついには殺し合うまでになるのは、自分たちの不遇が、彼らによってもたらされているのだと思い込むことによる。そのように民衆同士が憎悪し合うことを、為政者は望んでいるのだ。
 ブッシュもシャロンも、テロを許さないと言いながら、民衆がその怒りをテロにしか向けられないような状況を、どんどん作り出している。日本でも昨今、北朝鮮に対する自民党や民主党タカ派議員たちの偏見に満ちた言動と、それを垂れ流すマスコミの報道に、全く空恐ろしいものを感じるのは私だけだろうか。中国に関しても、ごく一部の入国者による凶悪犯罪や、尖閣諸島の領土問題、閣僚の靖国神社参拝に対する批判等を、偏向報道してイメージを落とそうという意図がありありと読み取れ、対中好感度の世論調査を見ても、明らかに悪い方向に進んで来ている。
東西冷戦の時期、ソ連が攻めて来るなどと言う論がないこともなかったが、高度経済成長期の日本には、戦争をするメリットは何もなかったので、戦争に直接まきこまれることはなかった。しかし、今の日本はどうだろうか。国家財政は莫大な赤字を抱えているし、アメリカがこければ・・・、いや、その前に日本がアメリカの危機を救うため、どん底を味わわされる日が遠からず来るに違いない。その時に、戦争をしようと悪あがきをする連中が台頭して来ることは目に見えている。今のうちに、そのような動きを封じ込めておかねば、大変なことになるだろう。私がテロリストだったら、まず某都知事を暗殺することを計画する。
  彼は元々首相の座を狙っていたし、好戦的な言動には事欠かない。しかも十分なカリスマ性のある彼のようなファシストが実際に権力を握れば、何をしでかすか分かったものではない。もっとも、私はテロリズムによって世界がよくなるとは信じていないので、彼を暗殺しようという人がいても、協力するつもりはないが・・・

日本が再び戦争をする時代が、来るのだろうか?
 それは、寄せ場(日雇労働者の街)を見れば分かると思ってきた。資本主義の矛盾が、そこに集中しているからだ。どんな戦争も、経済的な破綻が原因となって起こる。寄せ場は、労働者を使い捨てにする資本主義にとって、景気の安全弁として重要な意味を持つ場所である。だから、そこで起こっていることは、日本全体の経済の情況を知る最大の手掛かりなのだ。
  大阪に、月3回発行の人民新聞(06-6572-9440、http://www.jimmin.com)というすばらしい新聞があり、その1月25日号に、名古屋市白川公園のホームレス野宿テント強制撤去(1月24日)のことが大きく報道された。  名古屋の寄せ場(笹島)には、大阪(釜ヶ崎)、東京(山谷)、横浜(寿)のようにドヤ(簡易宿泊所)街がなく、手配士(日雇人夫を集める不法斡旋業者)の集る場所があるだけだ。(職安もあるが、ほとんど機能していない。)従って、昔から日雇い労働者のホームレス率は高かったが、リストラなどで高齢の失業者が増えている近年、ますますホームレスが増え、彼らのアジール(避難所)として公園が重要な場所になっている。しかし、昔からホームレスに冷たい名古屋市は、愛知万博「愛・地球博」(皮肉な!)開催に向け野宿者排除に乗り出し、かつて白川公園に140軒あったテント・小屋から仮設シェルターへの強引な移転を推し進めた。そして、最後まで居残った8軒に対し、解体撤去の行政代執行を告示し、その3日後には600人もの市職員とガードマンを動員して強行したのである。
  これに抗議しようとして駆けつけ、ガードマン数名に担ぎ上げられ排除されてしまった長居公園仲間の会(大阪)の中桐氏が、次のような記事を書いている。「名古屋市職員は『私もこんなことはしたくない』と、のたまった。ガードマンを盾に最後まで手を汚そうとしない彼らに『こいつらこそ偽善者だ! 笑いながら人を殺す輩だ!』と強く思った。またガードマンの中には高齢の労働者や学生アルバイトらしき人たちも多く見受けられた。不安定な雇用を強いられ、いつ野宿生活となってもおかしくない彼らと対峙せざるを得ない現実に、言い知れぬ悲しみがこみ上げてくる。本来手を携えて支配と闘うはずの者同士が、闘い合わされる。これが戦争だ!」

言論の自由が殺される時・・・
 イラクで、アメリカの傀儡政権を生むだけだと言って妨害行動やテロの頻発する中、選挙が行われた。イラクにとって、アメリカとは何なのか。先の第二次世界大戦で日本は敗北し、アメリカによる占領を受け入れたが、それは日本がアメリカに対して先制攻撃をして開戦に踏み切ったのだから、仕方がない。しかし、イラクはアメリカに戦争を仕掛けられて(しかも不当な言いがかりにより)敗北したのだ。だから、アメリカによる現在の占領は、全く正当性を欠いている。こんなことを許している現在の世界情勢は、狂っている。アメリカの支配に抵抗して、かつてフセイン政権を支えた世俗的なスンニー派(スンナ派、正統派)は選挙をボイコットし、人口比では多数派のシーア派(イスラム圏では79年革命で王制を打倒したイラン以外、少数派)、トルコやイランにもまたがり祖国を持たない世界最大の民族クルド族などの対立があおられ、そんな中で正当な選挙など、行われるはずがないではないか。選挙をするなら、アメリカ軍が撤退してからにすべきである。
 アメリカは、かつてベトナム戦争でソンミ村の大虐殺を行い、今回の対イラク戦争では、ファルージャ市の大虐殺を行った。このような暴虐に対し、日本のマスコミは正しい報道を全く行っていない。もとより、正しい報道なんてものはないとも言える。どちらの側に立ってものを伝えるかということだけなのだ。天皇を告発した従軍慰安婦の民衆裁判の番組について、「公正な報道をするように。」と安倍氏に圧力をかけられ、番組の核心部分を直前にカットしてしまったNHKは、内部告発をしたディレクターを無視し、報道の自由の危機を問うている朝日新聞を逆に告発し、安倍氏や中川氏のコメントばかり報道している。会長が世論に抗せず退いても何も変わっていないし、もうどうしようもないほど腐り切っているとしか言いようがない。
 言論の自由が保証されているはずの現在の日本で、天皇制に関する議論のように、未だに多くのタブーが存在し自己規制が働いていることは、本当におかしな、また危険なことであり、このままでは戦前と同じように段々と正しいことが言えなくなることが心配である。かつての大本営発表みたいに、最初は当局に都合のいいことだけ報道しているが、そのうち事実を捻じ曲げてデタラメな報道しかしないようになったら、末期的である。NHKは、受信料収入によって、政権の側でなく資本の側でもなく、国民の側に立つ報道をすることが可能な唯一のマスメディアとも言えるのだ。そのことに、NHK自身が気付いていないのだから、全く情けない。NHKを解体させてはならないのだ。
 日本のマスコミは、NHKや民放、全国紙(朝日も含めて)に至るまで、明らかにイラクの民衆の側には立っていないし、国内の被抑圧者、闘う者の側にも立っていないことは確かだ。大企業の広告で成り立っているようなメディアに、本当のことは言えない。そのようなマスコミが、一度だって天皇制を否定したり、靖国神社を廃止すべきだというような意見を、まともに取り上げたことが、あっただろうか? 正しい情報や正当な意見は、ミニコミや口コミ、インターネット等から、得るしかないかもしれない。

平和を作り出すために!
 我々は、一刻も早く、このような偽りの平和の世界から、脱出しなければならない。歴史は、アメリカがイラクでやっているような、またイスラエルがパレスチナでやっているような暴虐を、決して許しはしないだろう。ブッシュはテロと闘うなどと威勢のいいことを言っているが、アメリカのCIAが過去どれだけのテロ行為を世界でやってきたか。アメリカこそ世界最大のテロ国家である。日本でも戦後、国鉄総裁が列車に轢かれて殺される(当初自殺とされた)下山事件というのがあったが、共産党を押さえ込むためにCIAがやった謀略であった可能性が大きい。シャロンなどは、堂々とPLO幹部の車にミサイルを打ち込んではばからないのだから、悪魔のような男である。ローマ帝国によるパックス・ロマーナが滅びたように、パックス・アメリカーナという偽りの平和も、打ち砕かれ滅び去る日は遠からず来る。一人一人が、認めたくないこと、不条理なこと、不正義なことについて、NOを突きつけるべきなのだ。それだけで、世の中は劇的に変わる。
 石原慎太郎を暗殺する必要などさらさらないのだ。彼をひきずりおろして、ただの老人にしておけばいいだけのことだ。世界を変えるのに、ヒーローは必要ない。ソ連邦と、その覇権による東欧社会主義国家は、組織を持たない民衆の力によって、あまりにもあっけなく崩壊した。アメリカと、それをとりまく官軍産複合体による資本主義的グローバル世界支配だって、一人一人の民衆の力により粉々に打ち砕くことは、可能なのである。多くの人がその気になりさえすれば、それは決して難しいことではないはずだ。
 それなのに、多くの先進国の大衆は、今の安定した暮らしを守ろうとし、世界の不正義には目をつぶっている。世界の構造にNOを唱える個人をバッシングし、抹殺しようとさえする。そうやって、実は自分の首を締め、自由が奪われていることには、気付こうともしない。不正義な世界を温存しては、決して幸せを得ることができないということに、どうして気付いてくれないのだろうか!
 資本のおこぼれを少々もらうくらいで、自分の心を犠牲にしてしまうのは、あまりにももったいない。お金があれば、美味しい食事ができ、きれいな服を着られ、自動車やマンションも手に入る。しかし、それらのものがすべてあっても、決して心が満たされるわけではない。 自由だけが、人間を幸せにすることができるのであり、自由だけは、お金で買うことはできないのだ、逆に自由を、お金で売り飛ばすことはできる。人間は、常に自由を求めている。自由こそ、人間にとって最も価値のあるものであると、断言してもよい。誰にとっても、人生は一度きりしかない。あの世などは存在しない! この世を、真の平和が体現される、神の国にしなければならない!!


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