一九九五年
「邪鬼祭1989ライブ」
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>表面
一・夢うつつの世界
二・盲人の白い花
三・地獄の赤の花あかり
四・終末奴隷
五・南無阿弥陀仏の夕暮れに
六・縊死
七・春怒濤、夢ちらちら

>裏面
一・四国地獄巡り
二・夜行人
三・御魂の神隠し
四・その時はクスリ

邪鬼祭
十月の鶏頭の匂いは私の気持ちを少しも落ち着かせる事も 無くただただ真っ赤な夕暮れに吸い込まれるだけでありま した。道端には彼岸花が咲き乱れ、祭の時期になると頬に あたる風も冷たくなります。黒いマントを着こんで夜を散 歩すると天狗に逢ったのですが、怖くなり誰に届くか判ら ないがとりあえず叫んでみるのです。私の喉にあの毒々し い彼岸花が咲くまで叫んでみるのです。あの路地の墓地裏 には私の喉に咲けなかった彼岸花の種子が寂しく落ちてい ました。ライ病に苦しむ老人たちの背中に漂う重苦しい空 気にむせび泣いてる人を知っているのだが、どうもその人 が、その路地に種を蒔いているみたいなのです。口が聞け ないみたいに吃りながら私に話かけます。「邪鬼祭までに 彼岸花をこの路地に植えなくてはなりません」そう言いな がらその人は黙々とただ腐りかけの肉を食べていました。 本当なら私が責任を取って花を咲かせなくてはいけないの ですが、頭の中に違う人が入ってくるので造花を買ってき て道にばら蒔くことにしました。もしそれが間違った行為 だとしても少しも怖くありません。だってもうそれは、六 年も前の事ですから。邪鬼祭は三年前に無くなってしまい ました。それが残念でなりません。
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