Nゲージ模型もやっています。細密化は叶いませんし特に基本的な思想もないのですが、少し改造したりして私がかつて接した事のある蒸機たちの雰囲気を再現できたらと思っています。特定番号機の体裁をとっていますが、私のテクではそれは不可能です。あくまで「・・・・風」と捉えていただけると幸いです。

D51 1042

 Nゲージ模型で初めて追分機関区配置D51の特定ナンバー機として発売されたのがマイクロエースのD51 1042。模型としてはキマロキセットのラインナップの一つで、ロータリー車とのセット販売でした。マイクロエース独特のスタイルで腰高だったのと、ヘッドライトが奥まった感じで変だったので車高を幾分か下げる改造と、ヘッドライトを銀河モデル製に取り替える改造をしてあります。他にも少し手を加えていますが、そこは省略します。まだ少し腰高ですが、オリジナルスタイルよりD51っぽく見えると思います。

D51 711

 Nゲージ模型としては新規参入メーカーと言えるリアルライン。その第1回製品であるD51711です。同時にSL末期同じ追分機関区に配置されていた710番も発売されましたが、金銭的な都合もありギースルの711番のみ購入しました。第1回製品と言うこともあり各所に造りの荒さが見られ、ランボードなど曲がっていますが、私的には十分購入の対象となりうる製品でした。この製品の一番の美点はスケールがきちんと1/150になっているところでしょう。逆に走りは個体差が大きいと言われていますが、私の持っている物は線路への置き方に気を遣うものの、きちんと置けば牽引力も十分で走りもスムーズです。唯一クロスヘッドから繋がるユニオンリンクと合併テコの造りが実物と大幅に異なるのが私としては気に入らないところです。もっともKATOの昔からの製品(D51やC11)ではそれすら表現されて居ないのですが・・・・。

D51 603タイプ

 ずっと以前から所有していたKATOのD51。2008年まではオリジナルの標準型のまま使っていました。しかし別のNゲージ蒸機を改造するという事に手を染めて、その楽しさに目覚めてしまいD51も北海道型にすることにしました。ナンバーはやはり最後に身近にいた603番。これは開放キャブで良いということと、有名機なのでパーツメーカーのナンバーにあったと言うことが大きかったと思います。残念ながら細密化するテクニックはないのであくまで「タイプ」と言うことにしました。偶然実物の603号機とこのKATOのモデルは砂蒔き管の配置がほぼ同じでした。603番は私が知っている限り暫く滝川機関区にあり、最後に検査を受けた蒸気機関車として知られていますが、滝川機関区の無煙化時に追分に移ってきて本線SL最後の日に最後から2番目の運用を努めました。
 うーん、ヘッドライトが上向いてますねぇ・・・・・。

 改造ポイント
切り詰めデフ、ヘッドライト交換、シールドビーム補助灯、フロント連結器開放テコ(KATO C62
用Asseyパーツ)、スノープロー、フロントデッキ手すり取り付け、煙室扉ハンドル交換、ドーム前手すり、動力逆転器てこカバー、汽笛交換(KATO C55用Asseyパーツ)、ATS発電機、キャブ旋回窓(運転席側のみ)、キャブ窓ガラス取り付け、タブレットキャッチャー、バタフライスクリーン、テンダー増炭板、石炭かさ上げ、テンダー前照灯、前後標識灯。

D51 308タイプ

 リアルラインのD51711が2008年末に再生産されました。最初の製品と比べて造りが少し良くなってランボードの歪みもなくなり汽笛も金色塗装になるなど少し変化が見られます。しかし同じナンバーにするのも能がないので上のD51603の時に購入したナンバープレートに追分のギースルガマである308番が付いていたので(他にもギースルガマのナンバーがありましたが開放キャブのカマでした。)このナンバーを付けることにしました。KATO向けのサイズなので1/150で造られているリアルラインのD51では少しオーバースケールですが、気にしないことにしました。アップにしてもあまり気になりません。さてD51の個体差を決める一つのポイントでもある砂蒔き管の配置、この模型の配置は実物の711よりも308の方に近くなっています。
 この308と711は運転する場合よく重連にしていますが、2両繋げでもスムーズに走ります。

C57 38タイプ

 追分機関区のカマではありませんが、室蘭本線を駆け抜けて追分にも毎日のように顔を見せた機関車、岩見沢第一機関区のC5738号機をプロトタイプにKATOのC57を改造しました。このナンバーの選択もパーツメーカーでナンバープレートがあった事と、改造当時キャブを密閉に改造するパーツが品切れしていたため、選択肢として開放キャブのままのカマと言う条件があった事です。基本的な改造内容はD51603に準じますが、KATOのC57では通常C57に付いているボイラー上の逆止め弁が省略されているので、それを追加しました。また岩見沢第一機関区の他のC57と比べての特徴としてフロントデッキの握り棒が公式側のみデフの切り詰めに伴いでデフ寄りに移設されて居る事と、ドーム前の手すりが取り付けられていないことがあげられます。その二大特徴で38号機っぽさを再現したつもりです。

 C5738は廃車後保存されるとの話もあったようですが、現実には解体されてしまい、今では東京都と愛媛県に動輪を残すのみとなっています。ですので細部は残された写真に頼るしかありません。岩見沢第一機関区に末期在籍したC57は1両ずつ形態が違うといっても過言ではありませんでした。その中でエンジン部分のみはこの38号機と現在岩見沢市に保存されている144号機は非常に良く似た改造がされていました。ですので解体された38号機の面影を求めるのなら144号機が参考になります。両機の一番の違いは144号機が2次型のためにテンダー台車が板枠台車になっている事です。

39679タイプ

 39679は日本最後の営業用SLとして追分駅構内の入換を担当した3両のうちの1両です。最終日の3月2日も動いていました。残念ながら国鉄最後の蒸機とも言える3台のうちの一台でありながら、しかも追分機関区の火事でも焼失しなかったにもかかわらず解体されてしまった薄幸な一台と言えるかも知れません。
 この39679はマイクロエースのキマロキセットの一つでキ100と抱き合わせ販売されていました(MAではなぜか追分機関区のカマをキマロキセットで出しています)。プロポーションを始めとして細部は結構実物の特徴を再現しているように見えるのですが、一点惜しいのが正面ナンバープレート。本機の最大の特徴でもある形式入りナンバープレートが再現されていません。これは何とかしたい所です。
 基本的に製品のままですが、形態のおかしいスノープローを銀河モデルの「SLニセコ号」セットに入っていた物に交換したのと、前面の重連用カプラーを力技でアーノルドからKATOカプラーに変更してあります。

D51 241

蒸機を知るファンなら言わずと知れた国鉄最期の蒸機牽引貨物列車を牽引したD51241です。2009年末にリアルラインから発売されました。特徴的なデフステー上のツララ切りは再現されていますが、残念ながら砂まき管の配置は実物とは大きく異なっています。値段が以前の711番と比べて非常に高くなったということでデフ前の手すり、車体釣り上げ用フックなど細部のディテーリングはかなり向上しました。ただ、リアルライン独特の粗(例えばシリンダーブロックとランボードの合わせの悪さなど)はそのまま残っています。が、これはじっくり見るとそうなのであって、走らせて見ると気になりません。今までに購入した3台のリアルD51の中で走りは一番スムーズで、ヘッドライトも点灯するようになりました。

今回のモデルは12月24日ではなく、それ以前の通常時バージョンとして再現されています。本機が火災で焼失して現存しない以上、多少不満点はあってもNゲージでその姿を偲ぶ事が出来るのは、夕張に住みあの12月24日を体験した者にとってありがたい限りです。一昔前ならこんなモデルが出るなんて考えもしませんでした。いい世の中になったものです。