大型堆肥舎・「コクブ式」発酵促進機械

牧場では莫大な量の堆肥が出ます。
畑も沢山あるのでほとんど使い切れるのですが、いつでも畑に還元できるわけではありません。
環境保全の意味からも家畜の排泄物はきちんと処理し、有効利用しなければいけない事になりました。
(法律もでき、施行も近いです)
そこで、当牧場では北海道農業開発公社の資源リサイクル畜産環境整備事業事業・胆振東地区(早来町)により早来町畜産資源利用組合の協同利用施設として、コクブ式堆肥発酵システム(中道機械さん)を採用した堆肥舎の利用を取り入れました。↓
機械は巨大なロータリー(爪がついた棒がグルグル回ります)

これで堆肥をかき混ぜながらゆっくり移動していきますと、好気性の微生物が発酵を促進する仕組みです。

そして機械1台分堆肥が移動するので、毎日入り口にその分の排泄物・水分調整材を投入し、また出口では出来た堆肥を取り出すことになります。
機械1台で2つの漕をまかないます。

片側を進んでいって、向こうはじについたら、機械がとなりの漕にずれて又、かき混ぜながらゆっくり帰ってきます。

行って帰ってで6時間弱の運転時間です。材料をセットしたらボタンひとつで後は自動運転で帰ってきます。

この機械が2台ありますから合計12時間になります。

その他各漕にはエアレーションの配管とブロアが4台設置してありそれぞれ間欠運転を繰り返しています。(完全自動)
機械を反対側から見たところです。
投入直後の堆肥です。
麦ワラなどの長いものがそのままです。

あらかじめ原料調整庫で水分調整材と混合して積み上げ予熱かけてあります。
撹拌開始から5日くらいの位置の状態です。
もう堆肥の温度は70℃を超えています。

この温度が1週間以上は継続しますので、雑草の種や有害雑菌は死滅してしまいます。
出口の堆肥の様子です。
今時期の堆肥は冬場のしばれた(がっちり凍った)材料を使用していますので、水分的にはこの位ですね。

畑に散布する肥料なら良いところかな?
ちょっと寝かせれば完璧でしょう。
夏場になりますと、ともすればホコリが舞うほどパサパサになります。
これをまたフリ^バーン牛舎の敷料として使っています。雑菌が死滅しているので、真新しいオガクズより具合が良いです。昨年は5月〜10月位まで使用しました。

それ以外の季節のものは畑散布用です。
量が大幅に減るので足りなくなりそうなほどです。(その分肥効は有るでしょうが)
堆肥舎の原料・製品の出し入れは大型ショベルで行います。
作業時間は朝・夕2回あわせて2時間半くらいかかります。

撹拌機械とブロアの電気代と水分調整材代と人件費結構な出費ですが、これを牧場が購入する事になります。

しっかり良質な堆肥を作って、有効活用をはかって経費を相殺しませんとね(^0)

この施設は補助金により建設されていますので、その趣旨からも、真剣に取り組んでいます