議会議員の報酬削減問題
平成15年3月24日(日) 記
議員報酬削減提案を取り下げ
今回の議会でも、議長宛に「議員報酬削減」の提案書を提出しましたが、話し合いの結果、取り下げることにしました。
取り下げの理由は、議員報酬だけでなく、理事者、職員の給与についても、改めて見直す時期に来ており、このことから、5月からの新しい議会で、必ず提案がなされます。
単発的な見直しではなく、上記の提案の方が総合的な人件費の削減がなされますので、その方が、より効果的な改革になると判断し取り下げました。
平成15年1月23日(木) 記
留辺蘂町の事例
今日の道新のトップ記事で、留辺蘂町では1月22日開催の臨時議会で、職員給与と特別職の本給を削減したということです。内容については、新聞を読んだ方はご存知だと思いますが、念のためまとめてみます。
新年度から2年間、実施するということです。ちなみに、議会側は、13年、14年の時限立法で既に削減しており、新年度からは、選挙後の議会側の判断ということになっているそうです。
町長・助役 | 21%減額 | 削減内訳 | |
教育長・収入役 | 17%減額 | ||
定年退職補充 | 0人 | ||
一般職員 | 4〜10%削減 | (180人) | 6月12月勤勉手当3、300万円 |
課長級 | 10%削減 | 95万円(1人) | 期末・勤勉手当役職加算凍結2、800万円 |
係長級 | 6%削減 | 42万円(1人) | 毎月の給与から管理職手当と時間外勤務手当を減額する。9,400万円(年間) |
役職なし | 4%削減 | 16万円(1人) | |
年間人件費削減総額 | 2億1千6百万円 |
議会議員の報酬削減の提案は否決
平成14年3月議会で、それぞれの議員が「考えるのに時間が欲しい」ということで、提案を断
念した議員の報酬問題は、その後3ヶ月という期間を経て、2名の議員の賛成を得て、議長に
提出し、議会運営委員会の中で協議をして、提案の運びと成りました。しかし、結果は、誠に
残念ながら「賛成者少数」ということで「否決」され、廃案という事になってしまいました。
採決の方法は起立採決ということで、私を入れて5名の議員が賛成の起立を行いました。
賛成議員 | 梅田議員、菅井議員、高橋(義詔)議員、東海林議員、一宮議員 |
反対議員 |
浅水議員 有沢議員 石田議員 伊藤議員 遠藤議員 太田議員 小林議員 |
欠席 | 成田議員 山田議員 |
議案第19号
「議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について」
上記の議案を別紙の通り地方自治法第112条及び会議規則第14条第2項の規定により提出します。
平成14年6月19日
遠軽町議会議長 竹内徳治 様
提出者 遠軽町議会議員 一 宮 龍 彦
賛成者 遠軽町議会議員 高 橋 義 詔
賛成者 遠軽町議会議員 菅 井 正 志
提案理由
本町財政逼迫のため、議員報酬額を改正したい。
別紙
議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例(昭和59年条例第1号)の一部を次のように改正
する。
第2条1号中(議長)「310,000円」を「280,000円」に改め
同条2号中(副議l長)「246,000円」を「220,000円」に改め
同条3号及び第4号中(常任委員長及び議運委員長)「222,000円」を「200,000円」に改め
同条5号中(一般議員)「210,000円」を「190,000円」に改める。
附 則
この条例は、平成14年7月1日から施行する。
【説明】
私が所属する町民クラブには8名の議員がおりますが、他の会派はわかりませんが、議案に対しての意見の拘束というものはありませんので、個々の立場で判断し採決に臨みます。この案件につきましても、提案者である私が、独自の判断で行って、高橋議員と菅井議員にのみ賛成者としてお願いして、提案したものです。民主クラブだけは除いて、他の会派には、事前に提出することは伝えておきましたが、賛成してくれるようには頼んではおりません。追加議案提出締切の15分前に議会事務局に提出し、議長に受付をお願いしました。提出された議案の扱いは、遠軽議会の場合は提出者と賛成者議員が各1名で2名であれば当然にして受け付けをし、議場において採決しなければならない規定になっています。遠軽町にとって悪影響を及ぼすような議案であっても、提出されれば、議場に持ち込み、審議をしなければならない事になっています。議会運営委員会としては一応、議案として議事日程に加えるか否かを協議をしますが、拘束力はありません。
また、今回のような議案は報酬審議会という諮問機関がありますが、この機関は理事者側の諮問機関であって議会の諮問機関ではありません。事前に審議会の意見を聞いて、手続きをするのは、当たり前のことのように思うかもしれませんが、この審議会は「町長が議員報酬等の額に関する条例を議会に提出しようとする場合において、その諮問に応じ当該議員報酬等の額について審議し意見を答申するものとする」(審議会条例第2条)ということで、議会が提案する場合の規定ではありません。該当はしませんが、常識的には、第三者の意見も必要とは思いますが、今回の提案の場合は、「報酬の切り下げ」であって、町財政に少しでも余裕を与え、ついでに行財政改革の進展を促すということが目的で提案したものですので、審議会の意見を必要とするものではありません。絶対に審議会を通さなければならないという強制的なものでもありません。切り上げを要求するような場合は常識的に、議会が町長に相談をして、町長の方から、審議会に諮問するという手続きが普通でしょうが。
数年前、議会議員の報酬のカットが行われましたが、そのときにも報酬審議会の諮問を受けたわけではなく、何ら問題なく議会側独自の提案で議案が提出されました。このときは、議員報酬の加算割合の15%を削減するという提案で可決されました。
私の提案は、あくまでも切り上げ前の額に戻しなさいということです。議員の報酬も理事者(町長、助役、収入役、教育長のことです)の給料も同じ時期に、審議会にかけて切り上げOKの答申を貰ったのですから、逆に、理事者が財政の逼迫を理由に翌年、賃上げ前の給料に差し戻したのですから、議員の報酬も同時に下げるのが、当たり前のことと思うのですが、議会の多数の常識は全然違うみたいです。
夜も8時をまわっていたと思いますが、追加として出された他の議案の審議が全て終了してから、最後の議案第19号「議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について」を議事日程に追加し審議するか否かを協議しましたが、日程に追加することは全会一致で賛成され、後は議場で、議案の審議を行い、その後、また委員会を開き、採決の方法を決めるという議会運営のやりかたです。
議場の中での私の「提案理由の補足説明」は、以下のとおりです。
提案理由
議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例案の提出について、提案理由を申し述べたいと思います。
遡りますこと6年まえ、平成8年3月議会におきまして、当時、有沢議長のもとで、グループ22という会派があり、一度、同じ内容で提案を申し上げ、議会運営委員会で検討していただき、賛同を得ることなく、提案を中止した経過がございます。このときは、歳費の引き上げを3ヶ月棚上げして、七月からの執行という事に落ち着いた経緯であります。
具体的に申し上げますと、理事者側の提案で、理事者側と共に議会特別職の給与の引き上げをする為の条例改正を審議し、一部異論を唱えた議員もおりましたが、提案どおり可決され執行の運びとなりました。
その翌年に、理事者側からの提案として、理事者と管理職の、つまり、町長、助役、収入役そして教育長の給与を、町財政の逼迫という重大な理由で、引き上げ前の給料に差し戻すことと、管理職の手当をカットする提案があり、可決されました。なぜ、このときに議会側の報酬も引き下げする提案を一緒にしなかったのかということでを非常に残念に思うものであります。
今度の提案理由としての根拠は、背景に、3月議会での予算書に散見されますように、財政状況の逼迫は、当時に比較しましても、より一層厳しいものになっておりますことは、議員諸兄お気づきの通りであります。さらに、歳入についても、税収の伸び悩み、国の財政悪化に伴っての、交付税のカットということで、どれ一つとっても明るい材料は何ら見当たらないのであります。
去る3月の雄武町議会でも、議員報酬1割削減という議決を行っているところであります。削減理由といたしましては、財政逼迫と行財政改革の進展を促す為ということであります。
このたびの条例改正の内容であります平成8年の改正前の報酬に戻すという提案を、議員諸兄の英断をもちまして、仮に通して戴いたとしても、近隣町村の議員報酬と比較しても何ら、遜色がないのであります。他議会とのバランスが悪くなるという議員もいますが、地方分権が始まって、そんなことを未だ言っている議会があるとすれば、はなはだ問題の多い議会といわざるを得ません。横並びの行政はもう終わりと口を酸っぱくして言われていることであります。独自の発想で、つくり上げていかなければならないわが町を、余所見をしてばかりの、真似事ばかりの議会では主体性はどこにあるかと言わざるを得ません。
ともに、痛みを分かち合い、我慢すべきは我慢するという精神でなければ、立ち行かないのではありませんか。
行政側との給料とのバランスを計ることも大事と言われる議員もおりますが、議会の報酬という性格は、あくまでも報酬でありまして、行政側のいわゆる生活給とは、全く意味合いを異にするものであります。
なぜ今ごろ提案をしてくるのかとか、提案する前にもっと議論を深めて、提案をすべきだということを言う議員のお方もおります。
なぜ今ごろという問いかけには、こう応えます。先ほども申し述べさせていただいたように、6年前から提案はしていますと。
また、議論を深めてという問には、町財政がどんな状態なのか、十分にわかっているではありませんか。町民からあがってくる要望にも満足に応えられない状況は、議会の審議の中で、やっていれば自明の理であります。
はたまた、来期の議員たちの報酬に影響するという論点は、今回の提案には、不要であります。なぜならば、来期のことは、来期の議員が決めることであり、今、提案させて戴いているのは、今議会の皆さんの良識を問い、賢明な判断を仰いでいるということなのであります。
これから、冬の時代に入ろうとしているときに、覚悟の程を議会が示さなければ、町民は良識の議会という風には言わないのであります。
町民から選ばれた、議会人が範を示すことで、行財政改革の推進を少しでも促すという役目を果たす事になるのではないでしょうか。
以上、このたびの提案に至った理由を申し上げ、議員諸兄の賛同を願うものであります。
【上記の提案理由についての質疑の模様】
浅水議員 | @雄武町の例をあげていますが、逆に長い目で見れば、あそこは削減ではないはずです。勘違いではありませんか。 A議員はボランテァではありません。報酬を当たり前に貰うことで頑張りも出てくるのではありませんか。 B近隣町村との比較は、横並びではなく、遠軽町は人口が多いのだから、多くて当たり前ではないでしょうか。 |
答弁 | @同じ新聞記事をみて、解釈が違うというのはおかしい。あなたの言っていることの内容は新聞には書いていない。新聞は1割の削減である。 A議員の立場をボランテァと考えて立候補しているのか、給料取りの感覚でやっているのかそれは基本的にそれぞれの議員の考え方の相違であるから、議論しても平行線である。 B報酬比較については、削減しても、資料のとおり、まわりの町村と少しの遜色もない。報酬についていえば町村クラスでは横並びで結構であり人口の多少には関係ないと考えている。 |
前島議員 | 審議会へ諮っていないのはなぜですか。 |
答弁 | 必ずしも審議会は必要はないと考えている。議会独自の判断で報酬額を下方修正することは悪いことではないと考えている。 |
笹原議員 | 審議会というものの考え方は、今回のような場合であっても必要なので勘違いしてはいけない。 |
答弁 | 先ほども前島議員に言ったように、審議会の必要性は理解している。しかし、切り下げのような場合は必要はないと判断している。 |
以上3人からの質問がありましたが、この後、議会運営員会を開き採決方法は「起立採決」という事になりました。
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