平成二十六年六月十一日
議会報告(第二号) 遠軽町議会議員 一宮 龍彦
◎報告 その一
議会改革活性化特別委員会
新政クラブ
→杉本、高橋、黒坂
町民ネット
→奥田、稲葉
新自由クラブ
→阿部、竹中
無会派
→一宮
以上八名
各会派からの選出で、議会のあり方を検討します。
今日までに、6回の委員会が開かれ、検討事項は、七点です。
今後、新たな課題が出てきたときには随時、取り上げていくことにしています。
① 議員定数について
昨年の選挙で議会への関心の低さが欠員という結果になってしまいました。議員の数は何名が適当なのか、今年度中に結論を出す予定になっています。ちなみに前議会では、18名を16名にする提案が否決されています。
② 議員報酬等について
報酬費用弁償、政務調査費、日当制等について議論をしていきます。
今のところ全国で日当制を採用している議会は、福島県の矢祭町だけだと思います。日当三万円。
遠軽の議会では、報酬が安すぎるという議員もいますが、そもそも町村議会というのはボランティアの精神で成り立っている組織です。
そのあたりの認識がそれぞれの議員の立場で異なっているようです。
③ 通年会期制について
現在、年4回の本会議と必要に応じて招集される臨時議会をもって議会活動がなされています。
通年で議会することになると、どんなメリットがあるのか。列挙してみます。
・ 町長が年に一回議会を招集すればよいことになり、閉会中を無くすことにより、臨時会そのものが不要となる
・ 本会議や委員会は議会が主体的判断で機動的にいつでも開ける。
・ 一般質問も本会議を開けばいつでもできる。
・ 閉会中は、請願陳情以外は受理できないとされていたが、議案等もいつでも受理審査できる。議会が十分な審議期間と時間を確保することによって、議案等の審議方法も選択肢が広がる。
・ 会議時間も平日の午前10時から午後5時だけでなく、休日・夜間も活用し、住民の傍聴の利便はもとより、議会の審議に参加する機会も増やせる。
・ 議員立候補者の範囲も広げられる可能性が出てくる。
・ 議会活動の期間が大幅に拡大することによって、議会本来の立法機能・財政機能・行政監督機能を十二分に果たす機会と時間が確保され、これらの機能を発揮することが期待される。
・ 専決処分も完全になくせる。
※メリットは以上のようにたくさんありますが、逆にデメリットについても議論していきます。
④ 休日夜間議会について
住民の皆さんの議会傍聴の機会を増やすために休日夜間議会を開催するというのが主旨になっています。
一歩進めて、議会議員という立場に関心を持ちながら、昼間の環境では、参加するのが難しい人々にも、議員になるチャンスを広げようというのが私の考えです。
この町の現在はもとより、将来のまちのより良き姿をつくり上げていく議論の場に、有為な人材が集合することを目標にしています。
⑤ 議会広報の充実(議会ネット中継)について
議会の中で、どのような議論がなされているのか、議会の様子を住民の皆さんにお知らせすることを検討しています。
今までは、まちの広報や議会だよりだけでしたが、例えば、インターネットで配信し、いつでもどこででも質疑の内容を確認できるようにするのが目的です。
⑥ 議会資料のペーパ
レス化について
議会審議のための資料は、膨大な量になります。
議場でパソコンやタブレットを使用することで、議会から紙を少なくしていこうというものです。
議論の争点は、デジタル機器を扱うことを得意としない議員にいかにして理解していただき、使ってもらえるかです。
完全なペーパーレスは無理としても、可能な限りの自然へのいたわりと、経費の節約、職員の労力の削減といったことを実現していくべきと思います。
⑦ 議会運営上の活性化について
議会の条例や規則の見直しを、その都度検討し改善をしていくことにしています。
◎報告 その二
退職職員の再任用
年金制度の改正に伴って、年金の支給が六十五歳からになりましたが、その救済策として、国では再任用制を導入し、希望する公務員に対しては採用をしていくことになりました。
議会内の議論として、遠軽町の退職者についても国や道にならって希望者には再任用の制度を取り入れることは容認しましたが、その給料の額をめぐって、紛糾しました。組合側との交渉が難航したようです。
役場側から提案された給料の額が、国家公務員や道の職員並みであったので、町内事情に比べてあまりにも優遇されているということで議員のほとんどが反対をしました。(組合系の議員は最初の提案に賛意)。
数回におよぶ理事者側からの提案説明がありましたが、そのまま提案を受け入れるということになりませんでした。
結局、役場側からの最終提案が、給料表は国や道と同じにするが、運用をもって引き下げ支給するということで決着することになりました。
◎報告 その三
議会報告会
今年第1回目の議会報告会が5月9日午後3時に白滝からスタートしました。
白滝での担当議員は岩上、佐藤、今村、一宮の4名で、議会改革活性化特別委員会からの報告者として杉本議員が参加しました。住民側からの出席者は6名でした。
○質疑の内容
《白滝》
※ 疲弊しつつある地域の産業を議会はどう考えるのか。
※ 動物のワクチンは予防のためであって、何かが起きてから対処しても間に合わない。今年の六月ころから豚肉の需要が確実に増えていくと伝えられている。そのあたりの対処を。
※ 地元酪農・畜産対策の議論を活発に。
※ 人口減少による地域の疲弊に対処すべき。
※ 産業用大麻の栽培は地域おこしの資源になる可能性が高い。議会も理解を。
《丸瀬布》
※ 難病の指定を受けた人への補助の復活を。
※ 議員を減らすと地域の声が届かなくなる。
※ 議会ホームページについて見られない人もいる。
※ 議会報告会は続けるべき。
《生田原》
※ 税金の支払い回数を増やしてほしい。
※ パークゴルフシーズン券は高齢者には苦痛。高齢者には割引を。
※ 安国の水道に関して地下水に影響がないのか。議会は住民の声をもっと聞いてほしい。
※ 鳥獣被害についての対処は如何。
※ 福祉センター(生田原)の修理を。
《遠軽》
※ 議会報告会は全議員で。
※ 今後の交付税の削減について議会としての認識をしっかりと。
※ 議会基本条例で住民参加をうたっているが一般会議など町民参加を考えるべき。
◎報告 その四
今回の議会で、四点の課題について一般質問を行いました。
① 監査委員の選任について
② 空き家条例制定について
③ 中小企業振興基本条例について
④ 図書館の民営化について
質問① 監査委員の選任について
一宮 昨今、外部監査が取りざたされております。
当町の方針として、この制度を取り入れる考えをお持ちかどうか、お伺いいたします。
町長 一宮議員の質問にお答えいたします。
一点目の「監査委員の選任について」というご質問についてでありますが、監査委員は、地方自治法に基づき普通地方公共団体の長が、議会の同意を得て、識見を有する者及び議員の内から選任することになっております。
ご質問の外部監査につきましては、平成二十三年一月に「地方自治法抜本改正についての考え方」において、現行の監査委員制度・外部監査制度については、その廃止を含めゼロベースで見直しを進めることとされております。
このため、外部監査につきましては、監査委員制度のあり方を含めた地方自治法の改正について今後の推移を見守りたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
一宮 町長の答弁で、二十三年度に何か新しい法律ができるという風に聞いたのですが、聞き逃してしまったのでもう一度お願いいたします。国の方で外部監査制度を見直すということですか。
町長 二十三年の一月に地方自治法抜本改正についての考え方というのがございまして、そこで、現行の監査委員制度・外部監査制度について、その廃止を含めて、ゼロベースで見直しを進めるということとされているということでございますので、
これについては、それをもとにこの監査委員制度を地方自治法の改正があるんではないかというふうにも思っておりますので、変わってくればそれに従わざるを得ないだろうと考えております。
一宮 情報が私、足りなくて、その辺のところを把握していなかったので今回の質問になったんですが、従来の方針で行くと、総務省の二十二年度の調査結果というものがありまして、これを続けていっていただければ、将来のまちづくりに資することになるのではないかというふうに思っているものですから、確認しようとしたのですが、どんな方をまちづくりのための監査委員として依頼するかですが、遠軽町の将来の計画を立てるときに、専門的な知識をもって、参加していただきたいという気持ちです。
ここに総務省の出している外部監査の目的というものがありますので、読み上げさせていただきます。
外部監査導入の目的は、「住民の福祉の増進に務め、最小の経費で最大の効果をあげることと組織の合理化に努めるとともに規模の適正化をはかることの二点とされているのですが、まさしく遠軽の今後の総合計画を作成するうえで、こういう観点が大事になってくるのだろうと思うんです。
町長の外部監査制度についてのお考えをお伺いしてこの質問の最後にします。
町長 自治法に基づいている制度ですから、これはその通りやるしかありません。
外部監査についてどう思っているかというのは、制度は制度ですから、守っていこうと思っていますが、外部監査自体を、例えば、総合計画の策定の時に外部監査のかたを入れてやるというのも一つの方法とは思いますが、私自身は、監査の方がどんな方かわかりませんが、学者さんなのか、あまりやっているところはないですが、実際に契約をしてやっているところもありますが、新聞を賑わしたとおり、監査法人自体が、いろいろと問題もあったりですね、それはそれとして置いておきながら、やっぱりそういった計画であったり、町をこれからどうするんだというときには、やはり我々自身が主体的にやっていくべきだろうと思います。
その中でアドバイスとか意見とかいう形で幅広くいただくのはやぶさかではございませんが、外部監査の人の意見にそのまま従うというような考えをもってはおりません。そして今、町の監査のかたも非常に識見豊富で、素晴らし監査をいただいているという認識をしています。
今の段階で、遠軽町が、今、外部監査が必要ですかといわれると、今は必要ないと思います。くどいようですが、これも法律上変わってくれば、また変わってまいります。
質問② 空き家条例制定について
一宮 町内にはかなり以前から老朽化した建物が散見されます。防災の視点、景観の視点、犯罪防止の視点等より、全国的に条例制定の流れにあり、住民の安全安心を守る施策が展開されております。
当町でも条例制定を急ぐべきと思いますが、当町の考えをお伺いいたします。
町長 一宮議員の二点目のご質問の、『空き家条例』の制定について、お答えいたします。
遠軽町では、これまで、年に一軒程度,劣化の著しい危険な空き家に関する苦情や、その対応を求める要望が寄せられることがありました。
しかし、これらの空き家はあくまでも、個人の財産であるため、まずは、所有者を調査した上で、所有者にその状況を説明し、対応をお願いしてきたところでありまして、これまでは、所有者にご理解をいただき、問題に対処してきているところです。
従いまして、遠軽町としては、あくまでも、空き家に関する問題は、個人の財産であるため、所有者にその対応を求めるべきと考えているところであり、現段階では、空き家の所有者のみなさんに、ご理解とご協力をいただけるという現状にあることや、寄せられる苦情件数も極めて少ないことなどから、『空き家条例』は制定されていませんが、住民の安全安心は確保されているものと考えているところです。
また、国におきましても、『空き家対策特別措置法』の制定に向けた動きもあり、市町村への費用補助や、税法上の措置など、その内容の詳細も見極めたいと考えているところでもありますので、ご理解お願いしたいと思います。
一宮 以前に、担当課長さんとお話したことがあるのですが、地元の方たちに何とかしてほしいということを、お願いされたりしています。
私どもの自治会だけの問題ではないのではないかと思いまして、昨年、雪が降る前に、町内市街地なんですが、廃屋的な、もう潰れそうなものが、どれくらいあるかということで、現地を調査してまいりました。後で、参考に写真をおあげしたいと思いますが。
凡そ四十軒くらい、もうどうしようもないな、風が吹いたら窓枠だとかトタン板が飛んで行って、隣の家の窓にぶつかって壊したとかといったそういうかたちの実例は一、二あります。その実例については、その廃屋を持っている方は、遠軽におられるんですね、注意してもなしのつぶてということで、その被害を受けた方が、直接お巡りさんに、何とかしてほしいと言いにいったこと、そういった事件的なこと、事件とは言わないかもしれませんが、被害届的なことが警察に寄せられています。そんな実態があるんです。
町長も先ほどの答弁で、苦情が二、三きているという話で、担当課としてはどの程度の遠軽の廃屋を把握しておられるか、その辺を確認をしておきたいのですが、いかがでしょうか。
担当課長 議員の質問にありました空き家の住宅戸数を今、調査を致しておりまして、今年の五月現在で、遠軽、生田原、丸瀬布、白滝の全地域を合わせて、三百八十五軒が空き家になっているものがあります。これは空き家でございますので、そのあと入居者等がありましたらこの数は減るということでご理解をお願いしたいと思います。
一宮 最近、結構、新聞紙上を賑わわしていまして、例えば、ここに四月二十三日の道新の記事がありますが、「空き家対策待ったなし」という記事がございます。記者が書いたものではなく、読者の声という欄があるんですが、空き家の隣に住む人から相談された例でも、『所有者探しもままならない状態、放置された庭木にカラスが営巣をしたり、人家への日射を遮るなどの問題がある。劣化の進む家屋や塀は危険であるし、非行の場所にもなりかねない。この要因になるのは住人の死亡などで空き家になった場合、相続人が負の遺産として、放置しているというのも少なくない、解体費用や、更地にした場合の固定資産などの負担なども空き家放置の要因となっている。自治体の行政指導と自治会などと連携して対処するマニュアル作成が急がれる』という読者の声が載せられております。
危険ですよ。住民のかたも危ないから何とかしてくださいと言っているんですね。
急がねばならないんじゃないですかということなんですね。
また、道内で条例を作っている自治体がいくつくらいあるのか、わかれば教えてください。
担当課長 平成二十六年四月一日現在で道内百七十九市町村中、三十二の自治体が条例化をしているということでございます。
一宮 六分の一の自治体が
すでにこれを作っている。これが多いか少ないかは、それぞれでしょうから、遠軽町の住民のかたが何とかしてほしいと言っていることに対して対処するのが行政の仕事だと思いますので、何とか条例制定をお願いしたい。
条例は作らないまても、そういうことに対処できるような施策を行っていただきたいなと考えますが、いかがでしょうか。
担当課長 先ほど町長も答弁の中でお話しいただいた通り、今現在も、住民生活課のほうでは、住民からそのような相談や苦情が来ましたら直ちに現場の方を確認させていただきまして、自治会の中とか、隣近所の方に、その所有者の所在等を確認をしたうえで、まず所有者を確定して、そちらの方に、現状どういったことになっているかということを説明をして、更にどういう対応をしてほしいかということをお願いして、実際にこれまで、こういうことで対応して解決をしてきていることでありまして、もし今後、そのような話がありましたら、ぜひ、私どものほうに連絡いただけたら直ちに対応させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
一宮 ぜひ、私の隣の家の苦情もよろしくお願い致します。
質問③ 中小企業振基
本条例制定について
一宮 町内中小企業のために、当町には、いくつかの条例がありますが、更なる振興策として、2010年6月18日に閣議決定された中小企業憲章に基づき、あらたに基本条例の策定をする用意があるかどうかをお伺いいたします。
町長 全道の中小企業は、全事業所数において約九十九%、従業員数では約八十四%を占め、地域経済と雇用の面で大きな役割をはたしております。
このような状況の下、道内の自治体におきましては、平成二十六年四月一日現在、百七十九自治体中十六自治体で、地域経済の活性化を推進していくことを基本とする「中小企業振興基本条例」が策定されている事例がございますが、遠軽町の現状といたしましては、町民の皆様からのご意見を踏まえ、中小企業の重要性を認識し、私が掲げている五つの政策の柱の中に位置づけて、各種施策を展開しているところでございます。
従いまして、現段階では条例を策定する用意は持ち合わせておりませんが、今後も必要性や実効性などの状況を見ていきたいと考えておりますので、ご理解をお願い申し上げます。
一宮 条例が必要な理由を書いてきましたので、読み上げさせていただきたいと思います。
『平成十二年四月に地方分権一括法が施行されたことにより国と地方の役割分担がはっきりとし、地方は住民に身近な行政を実施し、自主性・自立性を持って実施することになりました。
その中で地域経済の基盤となっている中小企業振興についても中小企業基本法の改正により、以前は国が示したメニューの中で全国一律に実施していたものが、地域の自然的、経済的、社会的な実情に応じた振興策を実施する責任が生じました。
条例策定の意図するものは何かということでありますが、遠軽町の自然、観光、経済、少子高齢化、過疎化などの現状と課題を踏まえたうえで振興策を作成し実施する責任が生じました。そのために、それら現状と課題を把握した中で、遠軽町の中小企業をどのように位置づけどのように振興していくのかというその方向づけ、指針となるのがこの基本条例であると考えます。
そのうえで、条例の整理ということで、まず、基本法を作成したうえで、その下に個別の既存条例を配置すべきと考えますがいかがでしょうか。
担当課長 只今のご質問にお答えいたします。まず、中小企業の基本的な重要性の認識ですが、中小企業につきましては、地域の経済を牽引するということで認識しておりまして地域の発展にはかかすことのできない存在と考えております。
そのうえで基本条例の制定の必要性ということでございますが、先ほど町長の答弁にもありましたとおりであります。ただ、町民生活は多岐にわたっております。
中小企業の分野で、遠軽町として特色を出すということも大変有効なものと考えておりますけれども、その一方で、例えば福祉、或は教育、そういった政策分野はどうするのか、そういった議論もあるのではないかという風に考えておりますので、町長の答弁の主旨によりご理解をいただきたいと思っております。
それともう一つ、後段の、現在商工関連の個別条例もございますけれども、その上位に位置づけて制定するべきでないかというご質問ですが、基本条例の位置づけにつきましては、各地方自治体の条例につきましては、憲法あるいは法律の範囲の中で定められておりまして、法体系上も地方自治体の個別条例につきましては、上位というよりはどちらかというと同等の位置づけになるのではないかという風に考えております。
質問④ 図書館運営について
一宮 議会活性化の取り込みの一つとして、議会報告会が実施されております。この中で、図書館利用者から、休みが多くて利用に不便を感じているという意見がありました。昨今、全国で図書館の運営が民間に委託され、民間の発想で図書館を運営しているところも出てきました。
当町でも、課題解消のため民間運営への考えがあるか否かをお伺いいたします。
教育長 一宮議員の4点目のご質問の、図書館運営について、でありますが、過日行われた議会報告会の住民の声として、休みが多くて利用に不便を感じるとの意見があったとのご指摘ありがとうございました。
そこで、これらの課題を解決するために、遠軽町にあって、民間運営とする考えがあるか否かとのご質問にお答えいたします。
全国的には、図書館の運営が民間に委託され、民間の発想で運営されているところもあることは承知しております。
図書館は、社会教育法の精神に基づき、設置運営されている施設で、設置及び管理は、市町村教育委員会の事務とされております。
さて、地方自治法は「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるとき」に指定管理者制度の適用を許容していますが、図書館への指定管理者制度適用は、住民サービスの向上、経費削減を図ることを目的とされてはいますが、図書館サービスは、単に利用者が増えるとか、開館時間数の延長、開館日数の増といった量的なものだけでは実現できないと考えます。
図書館本来の目的を果たすためには、何より熟練職員の確保が最も重要であります。
業務の民間委託化等は、委託期間に期限があり、長
期的視野に立った運営が難しくなると想定され、図書館になじまないのではないかと考えているところであります。
当町といたしましては、図書館の設置目的が法律などにより明示されており、また、専門職員である司書の安定的な雇用の確保と継続的な研修機会の提供を保証していくために、図書館の運営については、現在、民間運営の考えは持っておりませんので、ご理解を賜りたいと思います。
一宮 先ほど答弁された管理者制度という言葉も入っていましたけれど、新聞ネタで恐縮ですが、今年の四月二日に佐賀県の武雄市が委託一年、これは大手の本屋さんですが、委託する前は、そうでもないんですが、武雄市自体の人口は五万人ぐらいです。委託した後、一年たっての来館者が3、6倍、利用者の数は九十二万人とちょっと掴みどころのない数字ですが、あと一つの新聞の話、これは、四月三日の道新ですが、ご存知だと思うんですが、小清水町、ここで、四月一日からだと思いますが、指定管理者制度に移行した町立小清水図書館ということで、館長さんが元学校の先生なんですが、運営を通してお世話になった地域に貢献したい。
運営の内容はですね、来館のたびにたまるポイントで、町内で使える商品券と交換できる制度の導入や、夏休みや冬休みの工作教室の開催などサービスの拡充をする。読書離れが進む中、図書館に足を運んでもらうきっかけになればと。
これは、先ほど答弁されている中でも、官というか行政でも努力している話ですが、民間の目線で、読書する方たちのニーズに応えていくというか、やはり、目線が違うんだと思うんですね。
従来、遠軽町で図書館運営をやってきていますが、先日、教育評価報告書というものを見せていただいたのですが、昨年はかなり来館者が減って、今後また努力をしていくという報告がされておりました。誰がやろうと減るものは減り、誰がやろうと増えるものだという観点からいえば、どちらがやってもいいのかなと思いますが、やはり、利用者の利便性という部分では、官がやると、決まった時間から決まった時間、ま、要するに、民間がやると開館時間が長くなるんですね。で、開館の日は多くなる。利用者にとってどちらがいいかというと、やっぱり長い時間開館していてほしい、日常の働くいろいろなパターンがありますので、休日も開館していてほしい、それってやっぱり官ではできないんじゃないかと思うんですね。従って民でやるということは、民は三百六十五日やれといわれれば、給料さえいただければ、なんぼでも働くという民の発想ですが、そこらへんを考えると民間にした方がいいのではないかと思います。
どうなんですかね。費用だとか利便性だとかいう点で。
体育協会も管理者制度でやっているという事例があります。管理者制度も悪くないなというふうに思っていますが、考えてもらえませんか。
図書館長 基本的には、遠軽町の考え方は、先ほど教育長がお答えしましたとおり図書館の位置づけとしては、先ほど教育長が考えたとおりの考え方でおります。 そのため民間委託は考えておりません。
また、民間委託になれば、休みが増やせる、開館時間も増やせるんではないかという、お金さえもらえばなんぼでも、というお話がありましたけど、それはそれなりに労働基準法等いろんな法律の制約があると思います。その辺が官の方で同じようにやっていいよということであれば、条件整備されるのであれば、同じようにできると思います。
一宮 誤解されたら困るんですけれども、金さえ出せばというのは、冗談で言ったんですが、それを本気に取られたみたいでちょっとまずいなと思います。私の言葉がまずかったら取り消しますが。労働基準法の話もちょっとされましたが、それは労働基準法に違反してやるという話ではなく、基本ルールを守るのは当たり前の話で、それをオーバーしてやるということはだれも言っていません。その辺のところを誤解しないでほしい。
要するに、私は、議会報告会の延長線で話をしていまして、何とかして、利用する時間を増やしてほしいという要望に基づいて言っていますので、それが、今の状態で可能であればやってほしいと思いますし、いま言われたから言いますが、可能であればやってほしい。
図書館長 先ほど答弁した商工観光課の課長の答弁と同じになりますが、町でやっている施策事業は図書館事業だけではありません。全体でどの辺をどのように強化していくんだ、人の配置はどうするんだ、経済的な配分をどうするんだ、そういうものを総合的に考えていかなければならないと思います。
その中で、図書館を強化していけというような結論がでるようであれば、その方向で進んでいきたいと思います。
一宮 しつこくて悪いんですが、その部署の長というのはまさしく長ですよね。その方がこうあるべきだという発想を持って組織の中に訴えるというその形が物事を開いていくんだろうと思います。
横並びというその発想から出てほしいような気がします。その部署で、こうあるべきだというものがあればどんどん組織の中に訴えて、それを変えていくくらいの気持ちを持ってもらわないと何も変わっていかないんじゃないかと思います。
教育部長 過去に、時間延長の関係につきましては、平成二十二年及び二十三年度に、ゴールデンウィーク、及び夏それから冬休み期間中に、休館日を開館したという、試行ですが、実施してきた経緯もございます。それは、町民からの要望も踏まえたうえでの実施でありましたが、結果として開館を実行したにもかかわらず利用者が増えたということにはならなかったという経緯もございます。
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