渋谷すばるソロコンがあるというのを7月上旬の東京ドームでのライブで知らされ、今度こそはと気合いを入れて挑みまして、幸運にもチケットも当選してあとは当日を待つばかり。
前回は「渋谷すばる with 大倉BAND」というタイトルだったと記憶しているんですが、メンバーの大倉忠義と競演にFIVEが加わった形。今回はそこから大倉が抜けて、渋谷すばる with FIVE LIVE 2008 というタイトルで告知されました。
FIVEの演奏で、すばるの歌が聴ける喜びと期待はそれは絶大です。FIVEを単なる演奏バックとしてではなく、withというように共にライブを作る相手という姿勢も好きでした。
何はともあれ、渋谷すばる単独でのライブをようやく迎えることが出来たわけです。
どんなライブなんだろう、とワクワクした気分でお台場のジャニーズシアターに駆けつけたワタシを迎えてくれたのは、「本日は、 ようこそ Five flat Flowers fast live へお越し下さいました」というアナウンス。
え・・・・・?
この気持ちが、始終ワタシを支配することになったわけです。
渋谷すばる with FIVEの申込はしたけれど、Five flat Flowersとやらは存じ上げないんですけど、どちら様で?といったところでしょうか。
チケットに書かれている文字だけど、これはライブのタイトルじゃないの?
しかし、ライブが始まると、当初のタイトル通り渋谷すばる with FIVE LIVE 2008なんです。披露している曲も半数くらいは関ジャニ∞やメンバーの曲だったり。本編ラストが「大阪ロマネスク」ですからね、ほとんどエイトコンのような雰囲気です。
そんなライブなんですが、本人曰く、Five flat Flowersという新しいユニットをFIVEのメンバーと共に立ち上げたそうで、これがいわばお披露目ライブであると。渋谷すばる with FIVE という認識のまま会場に来た、すばる or エイト or FIVE のファンは、「Five flat Flowers の○○です」という自己紹介を、どんな気持ちで聞いたのだろう。
でも、内容は渋谷すばる with FIVEのようだし、そういう触れ込みだしで、どうもしっくりと来ない。新しいユニットとして独自の音楽を表現するのに、たまたまエイトの曲をチョイスしたのなら、客席の大半がしているエイトコンさながらの手振りは一体なんなのだろう。
いろんな戸惑いや迷いが次々と生じて、とりあえず新しいユニットを尊重して手振りは自粛することにして、別物として見ようと決心した矢先に、念を押されるようにFive flat Flowersの意義を解説される。
どうやら、関ジャニ∞としては出来ない音楽を、新しいユニットで存分にやっていきたい、やってみたい、自由な環境でやりたい音楽をするのが夢で、そういう気持ちをFIVEも持ち続けていてくれて、互いに長い道のりを歩いて来たけれど、理想的な形に現在なったのがFive flat Flowersというユニットなのだ、ということは十分伝わるし、理解したし尊重も出来る。けれど、ワタシに一体どうしろというの?というほど、解説が続く。
ソロコンだと思ってきたら新ユニットのお披露目で、目が??マークになっているであろう観客への言い訳にも聞こえてしまうほど長い。
長いを通り越して、くどい。
ソロコンがこういう形になりました、くらいの短いアッサリとした説明で十分で、あとは音楽を聴いて貰ったら一番判って貰えるのではないかな。新しいユニットのライブが楽しければ観客は受け入れるし、おのずと次に繋がると思う。音楽で繋がりたいのならなおのこと。
そこに言葉を埋め込むと、言葉に気を取られて音楽が聞こえてこない気がする。
アンコールで、V6の曲をジャニーズさながらに歌い踊る5人を披露し、ジャニーズとしてバンドをやっていくのだ、という姿勢を見ました。彼らは事務所の中で新しい道を開拓していく、いわばパイオニアになっていくのかもしれないな、と感じた。
それぞれの空いた時間で、求める音楽の追究が出来るのかはよく判らない。持てる時間の全てを音楽活動に費やすことの出来る、バンドといわれて名の知れたグループですら、グループとしての活動とソロ活動は同時進行ではないイメージがある。
求める音楽性がどこにあり、どういうものなのか素人のワタシには判らないけれど、彼らは彼らなりの答えを見つけたのだろうと思う。
ただ、どんなライブでも、理屈なく楽しいものがいいと思う。
あまり多くの言葉を詰め込まれると、言葉の中でいろいろと比べてしまう。比べながら、途方もなく寂しい気持ちになったりもする。楽しい場所から、突然現実に引き戻すのも言葉であったりする。
いろんなことを理解しているつもりでいても、最後の感情という砦が脆く崩れてしまいそうになる。人の気持ちは移ろうもので、変わっていくのも避けられない。長く生きているとそんな経験も積んでいる。判っていても、一抹の寂しさを誤魔化しきれない感情があります。
「eighter となら不可能はない。なんでも出来る気がする」と言って貰った言葉に、応えられなかったのかな。自分としては精一杯やったつもりでも、出来ないことはたくさんあるのが現実で、新番組も放送されなかったりとか色々と。そもそもeighterって、なんだろう?ワタシはeighterだったんだろうか?正しいeighterの姿って、本当はなんだったんだろう。
違うことを言っているのだと理論的に解釈しようとすればするほど、同じ言葉をかけて貰った時のことが何度も頭の中を駆けめぐってしまう。判ることは、この人は新しい自分の道を見つけたのだ、ということと、それが幸せなことなのだということ。
すばるBANDの進化を聴く楽しみは、もうなくなるのかな・・・と思いつつも、FIVEの音に乗せて聴くすばるの歌はどれも素晴らしく、音と音が響き合って新しい音を創り出しているようでした。満たされた空気が支配する会場に身を置きながら、すばるの新しい門出が彼の夢の実現であるならば、祝福して見送りたいと思います。
一体感のある、いいライブでした。
