「この戦争・・・・どうすれば終わると思う?モビルスーツのパイロットとして君は」














自分がどんなに甘い考えで戦っていたか















「どうして・・・・・それを・・・・」












今更になって、思い知らされた





















The coffee which tastes bitter,and optimistic thought









先程、彼から渡された苦いコーヒーを飲んだはずなのに、口の中が渇いてうまくしゃべれない。
キラキラとしたドレスに着替えさせられたカガリも、驚いたように口をパクパクさせている。
「おや、やっぱり本当だったか」
彼の納得するような一言に、キラが我に返る。
――――しまった・・・・はったりか・・・・!!
目の前に座るアンドリュー・バルトフェルドは、凍りつく二人をよそに、まるで世間話のように自分の入れたコーヒーを飲みながら話を続ける。
「ボクがああやって街に出るときは、黒子くん達がいろいろついてきちゃってね。困ったもんだよ、うちの心配性の副官くんは」
ねえ?と視線だけで脇にいるアイシャに同意を求める。
「あらアンディ、ダメよそんなこと言っちゃ。マーチンくんは優秀なんだから」
しかし、アイシャは彼の言葉をさりげなく嗜めた。
「ああ、彼は色んな所に黒子君達を忍ばせていてくれていてね。君達、内緒話をするならもっと小さな声でするべきだな」
(・・・・・聞かれていた・・・・っ!!)
コーヒーから顔を上げたアンドリューは、本当に何事もないように忠告してくれる。
キラは拳を握り締め、最悪の場面をシュミレートした。
地球軍の最新MSに乗り、ザフトの敵となった自分。
アンチ砂漠の虎を掲げているレジスタンスのカガリ。
明らかに敵である自分達を逃がすほど、彼は甘くないだろう。
よくて捕虜、最悪の場合この場で射殺されても不思議ではないのだ。
キラの動揺に気づいていないとばかりに、アンドリューは立ち上がって窓の外を見る。
「ボクはこの地球に降りてきてから少々退屈気味でね。まぁ砂漠も悪くはないが、弱いものいじめには飽き飽きしている」
ちらりとカガリのほうへ視線を向けた。
「誰が弱いものだっ!!おまえのせいで街が・・・・・っ!!!」
アンドリューの馬鹿にするような視線に逆上したカガリは、今どこでどのような状況にいるかということを忘れて彼に食って掛かる。
「カガリ!!」
かみつかんばかりに立ち上がったカガリを、キラは慌てて腕を引っ張って止めた。
彼女はアンドリューの言葉に激昂したことにより、レジスタンスだということを自らばらしてしまったのだ。
しかし、アンドリューは飄々とした態度を崩さない。
「そういえば君も、『死んだほうがマシ』なクチかね?」
「貴様ぁぁぁっ!!!」
彼の言葉はさらにカガリの神経を逆立てる。
カガリは慣れないドレスのことをすっかり忘れ、腕を振り上げ、机に乗りかかろうとまでする。
キラはそんな彼女を止めようと必死だ。
「戦争には時間制限もルールもない・・・・ならば、どうすれば勝ち負けが決まる?どこで終わりにすればいい?」
今度はキラにするどい視線を向ける。彼の手には黒光りする拳銃が握られている。
キラは反射的にカガリを自分の体でかばい、必死に脱出口を探す。
「やはりどちらかが滅びなければいけないのか・・・」
アンドリューは自嘲気味に呟き、銃口を二人に向ける。
キラの体がこわばり、カガリは小さく息を呑む。その時だった。

「戦争に勝ち負けなんてないんだよっ!!!!」

いきなり降ってきた聞き覚えのある声に、キラは銃口を向けられているのも忘れて回りを見回した。
アンドリューが立っている隣のカーテンがかかった窓に、人影が映り・・・・
ガシャァァン!!!!
「うわっ」「なんだ!?」「キャッ」「あら」
いきなり窓をぶち破って入ってくる侵入者。
誰もが驚き、アンドリューに至っては思わず銃を下ろしてしまう。
「ガロードっ!?」



The coffee which tastes bitter,and optimistic thought
                                ――――――――――苦いコーヒーと甘い考え



続く