いつも、塀をはさんで隣にいた。
余計に気になったのは、自分と同じような境遇だからかもしれない。
MEMORY
〜始まりの終わり〜
彼が、隣の小さな少年が気になりだしたのは三蔵がバイトを始めてからだ。
焔がいつものように高校から帰ってきて、閉め切っていた窓を開けると、
いつも悟空は庭で一人遊んでいた。
三蔵と焔はなぜか仲が非常に悪かったので、悟空自身にも焔は
興味を持たなかったのだ。
その日もやはりいつものようにちらりと悟空のほうだけを見るだけで、
すぐに背を向ける。
すると、その時だった。
「あははっ!やめろよジープくすぐたいっ!!」
犬の鳴き声とともに笑い声が聞こえたのだ。
その声に、焔の足が止まる。もう一度、焔は悟空を振り返ると、
小さな子供は犬とじゃれあっていたのだ。
その光景は特にどういう、という訳ではない。
いつもの焔であれば無視したであろう。だが、焔の目に入ってきた悟空は
とても印象深く、
「・・・・・楽しそうだな、孫悟空?」
「・・・隣の・・・焔兄ちゃん?」
いつのまにか焔は泥だらけの悟空に声をかけていた。
『・・・・一体、どういった変わりようだ?』
電話の向こうから驚いたような声が返ってくる。
それもそのはず、三蔵は前々から観世音菩薩から子供2人での生活は大変だろうと
こちらへ来るよう声をかけていたがそのたびに断られ、今では聞かなくなったぐらいだ。
「どうもこうもない。こっちの事情が変わっただけだ。」
三蔵は淡々と言葉を紡ぐ。
「で、いいのか?だめなのか?」
よっぽどさっさと電話を切ってしまいたいのか、三蔵は答えを急かす。
『・・・とにかく、事情を話せ。それによって決めるからよ。』
数日後・・・
「ただいまっ!」
午前授業により、悟空はまだ日が高いうちに家に戻ってくる。
いつもは授業の後、日が暮れるまで友人らと遊んでいるのだが、今日は
まだ昼飯を食べていないので早々に帰ってくる。
すると、家の前に止まっていた引越し屋のトラックを見つけた悟空が
不思議に思いながら家に入ると、
「よっ、早かったな。」
「あっおばちゃん!」
単身赴任で遠くへ行っていたはずの観世音菩薩が自分を出迎えるではないか。
いつもならこの時間は学校に行っているはずの三蔵もいる。
しかも、部屋の中の家具類はすっかり片付けられていたのだ。
「一体どうしたんだよ?」
悟空は靴を脱ぎ散らかしながら三蔵の方に駆け寄る。
夜逃げでもするのかと心配な悟空を尻目に三蔵は平然と
「引越しするだけだ。」
答えるではないか。
「えっどこに?学校は?」
「場所はあのババアが住んでいる所、学校はもう転校届を出してある。
今すぐ出発するからとっとと飯食えよ。」
三蔵は答えながら最後の荷物らしきものをぎゅっとまとめる。
あまりにも突拍子も無いことを言われ悟空は一瞬言葉を失った。
「・・・ちょ、ちょっと待てよっ!!いきなり出発するって言われても俺困るよ!!
引越しするならするで言わなきゃいけないじゃんっナタクとか・・・・!」
「焔、とかか?」
「!!??」
いきなり三蔵に核心を突かれ、悟空は思わず言葉が詰まる。
「もう、焔とは会わせられない。だから引越しするんだ。
わかったらとっとと飯を食え。」
冷たく言い放つ三蔵に納得いかないとばかりに悟空は言い返す。
「嫌だよ!!俺、焔兄ちゃんとは離れたくないよっ!!」
駄々をこねる悟空・・・・いや、完全に焔に惹かれている悟空に
だんだん三蔵はいらついてきて、周りを見回す。
自分の母は、今いない。
三蔵は自分を涙目で見上げる小さい悟空を無言で抱きしめる。
「・・・・・三蔵・・・・・?」
「黙ってろ。」
いきなり抱きしめられて不思議に思ったのか自分を呼ぶ声を制し、
三蔵はそのまま悟空を抱きかかえて自分の部屋に向かって歩き出した。
「ちょ・・・・さんぞ・・・・っ!!」
苦しそうな声を出す悟空を尻目に三蔵は自分の行為を続ける。
部屋の扉の鍵をかけた後、悟空を床に下ろして上に乗りかかり小さな唇に
キスを落とす。
いつもいつも、触れてみたかった滑らかな肌・・・味わってみたかった唇・・・
「やっ・・・・さん・・・・ぞっ・・・!!」
三蔵は悟空の肌を嘗めるように撫で上げ、胸の飾りをつまんだりこねたりすると
敏感な悟空の身体が跳ね上がった。
焔に開発されたその身体は三蔵の巧みな愛撫で、その気は無かったはずなのに
だんだんと、熱がぐるぐると悟空の体中を駆け巡る。
悟空はこんな乱暴まがいに抱かれているというのに、感じて
口から甘い声が漏れてしまう敏感な自分の身体を呪った。
「淫乱な身体だな・・・・・よっぽど焔に可愛がられていたのか?」
三蔵の言葉に、悟空はかっと赤くなる。なんとか逃げ出そうとするがうまくいかない。
悟空はそれでも足をばたつかせていたが、三蔵はそこで逃がすほど甘くはない。
悟空の勃ちあがったものを手で包み、最初はゆっくりと、だんだん激しく扱いてやる。
自身を人質にとられてしまった悟空は暴れることもかなわない。
しかも、三蔵に触られているソコは我慢ができずに先端から白い滴が流れ出てきた。
そんな自分がいたたまれなくなってきた悟空の目元にじわりと涙が浮かぶ。
「・・・・そんな変な顔、するんじゃねーよ。」
悟空の様子を見た三蔵は一度悟空から手を離し目に溜まっていた涙の粒を下で掬い取った。
「だっ誰のせいだよ!!」
頭に霧がかかっていた悟空は三蔵の言葉にはっとしたように反応する。
それと同時に自分の置かれた状況を嫌が応でも再確認してしまい、
どうにか逃げようと悟空は三蔵の下でさらに暴れる。
だが、三蔵は悟空をそのまま逃すわけは無い。
「おまえのせいだよ。・・・・俺はおまえがもっと成長するまで待っていたのに、
焔なんぞに誘惑されやがって・・・」
「・・・・・・ふぇ?」
「・・・・俺は、お前が好きなんだよ。」
「はぁ・・・っ・・・さん・・・!!」
三蔵自身が、悟空の蕾に侵入する。
いつのまにか、甘くとかされて抵抗することも叶わない。
・・・・・悟空は逆らうことが出来なかった。
焔が好きなはずなのに今、三蔵に身体を許している。
そんな自分が嫌でなんとか逃げようとするがどうすることも出来ない。
「ごく・・・ぅ・・・っ・・」
しかも、三蔵の掠れた声で囁かれてしまえば身体はもっと快感を望んでしまい
意思と反して腰が揺れてしまう。
「ふわ・・ぁ・・・・熱・・・っ・・・」
三蔵に触れられた所が熱くなる。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が閉め切られた部屋に響き、耳を塞ぎたい衝動に駆られる。
だが、両手は一つにまとめられてフローリングの固い床に縫い止められていた。
与えられる、感じてはいけない快楽を悟空はただ甘受するしかなかった。
「・・・・もっ・・・・イく・・・っ!!」
「くっ・・・・!!」
前と後ろを同時に刺激されつづけた悟空は三蔵の手の中で白濁とした液を放ち
三蔵も締めつけられ、悟空の中に解き放つ。
そして、悟空の意識は消えていった・・・・。
焔が帰ってきた時、日は落ちたというのに隣の家の電気がついていなかった。
(・・・・・・・・どこかへ出掛けたのか?)
始めはそれぐらいしか考えていなかった。
自分が学校へ行っている間に引越ししてしまったということなど、
誰が思いつくだろうか。
直ぐに帰ってくるだろうと高をくくっていた焔が、事実に気付くまで
2日後・・・家が売家となって窓や扉が釘で打ち付けられたときだった。
焔がいなくなったことに気付いたその日、新しい家に連れてこられた悟空は
キキィーーーッ!!
「悟空!!」
車に轢かれそうになった犬を助けようと飛び出し、
三蔵の目の前ではねられてしまったのだ。
幸い、命には別状が無かったが、頭を強打して5年間の記憶を失ってしまう。
学校の友人も、自分がいた街も、そして焔のことも・・・・
三蔵は敢えて前の記憶を教えることなく、そして11年の月日が経った・・・・・・。
続く
MEMOLY第2話でしたっ
うーむ・・・・見事三空・・・・・これ本当に焔空もあるんですかね?(笑)
これで悟空幼年時代は終わりですな。次回から悟空大学生編v