楊ゼンさんちの事情
極普通の日曜。
夜、目覚まし代わりに朝の日の光を使うためカーテンを開けきった
窓から当然のごとく光が差し込み、一般的にどこにでもいるスズメの鳴き声が
外から聞こえる。
太公望はいつものように目を開け、コシコシと目をこすりゆっくりと体を起こす。
そう、今日も一日が始まるのだ。
だが着替えようとベッドから降りようとした時、いつもの休日にふさわしくないものの
存在を、太公望は見てしまう。
「望・・・vvv」
何故か楊ゼンが自分の隣で眠っているのだ。
しかも寝言で自分の名を呟きながら。
朝だから、太公望の思考がいまいち働かない。
(ここはわしの部屋で・・・わしのベッド・・・隣にいるのは変態・・・・・・。)
「落ちろこの変態!!(怒)」
やっとこの状況を把握した太公望がまずしたことは隣でのんびり眠る楊ゼンをベッドから
蹴り落とし踏みつけることだった。
*
「母さん母さんっ!!」
太公望は転がるように階段を下りる。朝は朝食を作るため台所にいるはずだ。
すると思ったとおり、台所で忙しそうにぱたぱた動きまわる母がいた。
「母さん!!」
「何?」
母はこちらを見ずに包丁で野菜を切りながら答える。
「なんで朝からあの変態を家に入れているのだ!?
おかげでわしは目覚めばっちり不快だったぞ!?」
太公望はこぶしを握りながら力説した。
が、
「何言っているの。家に入れたのは楊ゼン君だけで変態なんて入れてないわよ。
いいから早く着替えなさい。」
と、やはりこちらを見ないで忙しそうにコンロに火をつける。
「だーかーらっ!その楊ゼンが変態なのだ!!」
「誰が変態ですって?」
頭の上から声が聞こえ太公望は見上げると、ちょうどその朝の会話の
中心人物が立っていた。
「おはようございます、今日も可愛いですねvv」
「ぐえっ(苦)」
復活した楊ゼンは目の前の太公望をぎゅっと抱きしめる。
しかし母親は幸せそうな楊ゼンと苦しそうな太公望に何の疑問も感想もないのか
「あら楊ゼンくん。望なんて放っといてまだ寝ていてもいいのに。」
普通に対処するではないか。
「いいえ、望君と一緒に朝ご飯を食べたかったからいいですよ。
それに伯母さんのおいしい朝ご飯を温かいうちにいただきたかったですしね。」
と、ウインクする。
「まあっvたくさん食べてってねvv」
レディースキラー楊ゼン(笑)のこのセクスィーウインクはあらゆる女性を虜に
してしまう効果があるのだ。
もちろんそれは太公望の母親も例外ではない。
太公望的に言わせてもらえばそれは鳥肌ものだが。
「とにかく離せ!出てけ―――!!」
こうして太公望の普通な・・・いや、普通じゃない休日が始まったのであった。
*
「じゃ、行ってきます♪」
楊ゼンは自分の犬、哮天犬とともにうきうきと車に乗り込む。
「気をつけて行ってきてね。望、楊ゼン君に迷惑かけないようにするのよ。」
無理やり車に乗せられてふてくされる太公望には何となく腑に落ちないことがあった。
一週間ぶりの日曜を、何故変態とともに海に行かなければいけないのだろうかと。
そう、あのドタバタ朝食の後、自室に戻って宿題でもしようかと太公望が腰をあげた時
楊ゼンが
『海へ行きませんか?』
と、突拍子もないことを言い出したのだ。
今日は家でダラダラを決めこんでいた太公望は眉をひそめ
『はあ?わしはこれから宿題をしなければならぬのだが。
それに今海へ行っても寒いだけだぞ。』
と、遠回しに断るが
『宿題なんて帰ってきた後手伝ってあげますから♪
じゃ、レッツゴーvv』
『れ、れっつごーじゃない!(汗)離せ!離さぬか!!』
こうして太公望は簡単に拉致られてしまったという訳だ。
頼みの口うるさい母親は遊んでいないで勉強しろといつもなら言ってくれるが
今日に限って
『いってらっしゃいv』
なんて言い出す始末だ。
結局楊ゼンの押し切り勝ちとなる。
これも楊ゼンの魅りょ・・・いや、人徳のおかげだろう。
それで今日、真冬の海へと赴くことになってしまったのだ。
「ったく、なんでこんな寒い時期に海なんぞ行かねばならぬのだ。」
「いいでしょう?それくらい。まあ、別に違う所でもいいですけど。」
太公望は違う所へ行きたいが何だか怪しげな所へ
連れ去られそうな気がしたので黙っておく。
「それにさっき僕が望を担ぎ上げたときそんな本気で抵抗していませんでしたしねぇ?」
するとその言葉を聞いた太公望は勝ち誇るような楊ゼンの方へ
ぎぎぎっと首の向きを変える。
「・・・それは母さんがいたからだ。しかし本気で抵抗してもよかったかのう?」
ここだけの話だが太公望には本気で抵抗しなかった理由には宿題の手伝いをしてもらえる、
というのも入っているが。
「・・・じゃあサクサク行きましょうか♪(汗)」
そんな裏の事情も知らず額に汗を流しながら何とか平静を保とうとする楊ゼンに
太公望はこっそりため息をついたのだった。
*
さくっさくっ
白い浜辺に2人と一匹の足跡がついていく。
誰も、何も言わないが打ち合わせたかのように2人、同時に立ち止まり
海を見つめる。動くのは、白い大きな犬がカニを追いかけて走り回るのみ。
打ち寄せる波、遠くまで広がる水平線
そして・・・
「・・・誰もいないのう・・・・・・。」
見事誰もいない秋の海。
「・・・誰もいませんねぇ・・・・・・。」
地元の人ぐらいいるだろうと思っていたが、漁の時期は既に過ぎていたらしく
人っ子一人見当たらない。
ここまで誰もいないとなると誘った本人である楊ゼンも
どうコメントしていいかわからなかった。
「えーと・・・取り敢えず・・・・・。」
「・・・取り敢えず?」
「入ります?海に。」
「入るかぼけぇ!!(怒)」
こうして楊ゼンの必死のフォロー(ボケ?)も太公望の遠慮なしの突っ込みによって
簡単に沈められてしまったのだった。
*
「ほら、取ってこい!!」
はだしの太公望は(結局足だけ入ってみた。)木の棒を投げて、
哮天犬と戯れる。
こうなったらとことん遊ぼうと開き直ったのだ。
海に飛び込み、びしょびしょになった哮天犬に抱きついたりするから
太公望の服はなかなか悲惨な状態になっている。
だがそれはもう太公望の気にするところではない。
太公望がふと、立ち止まり楊ゼンのほうを振り向くと彼は自分の後ろで
眩しそうに目を細めて見つめていて、太公望が自分のほうを見ていると気づくと
ゆっくり微笑んだ。
その様子が太公望の目にはいつもの変態ではないように見えた。
そう、それは・・・・・
(・・・・・・・っ(////////))
ふいに目覚めた自分の心。
太公望は自分の顔が赤いのは、夕日のせいだと思うことにする。
太公望はついっと微笑む楊ゼンから視線をはずした。
そうでもしなければ、自分が保てない。
目に焼きついた夕日の赤い光を浴びる楊ゼンを否定するかのように
太公望は全力ダッシュで哮天犬の後を追いかけることにした。
*
それから・・・
「望、一緒にごはんを食べに行きましょうvv」
「望、夜景を見に行きませんか?」
「望、添い寝してあげますvv」
楊ゼンは自分の大学が休講になるたびに太公望の家にやってきて
なにかあるごとに太公望にくっつこうとした。
ある時には、
「ヤらせてくださいっ!!」
とかなんとか言って寝ている太公望にのしかかったりしたりする。
まあそんな時太公望にみぞおちに蹴りをいれられるが。
そんな日々が2ヶ月ほど続き、太公望にとってもだんだんそれが当たり前となってきた。
だが、ある日を境に毎日のように来ていた楊ゼンはぷっつりと姿を見せなくなった。
*
「望ちゃん、またため息?」
「え?」
けだるい月曜日の朝がやってきた。
日曜日は本来ならば楊ゼンから『どこか行きましょうよv』と誘われる曜日。
そのため、その言葉を必死にかわして毎週月曜はぐったりとしていた。
だがここ3週間ほど音沙汰なしの状態が続いている。
始めのうちは
『変態が来なくなった♪』
と、喜んでいたが鬱陶しかった彼の姿がここまで見ないと、
さすがに太公望も心配になってきたのだろう。
「本日5回目。楊ゼンって彼のことでしょ?」
「ちっ違う!!(////////)」
太公望は慌てて否定するが
「そう?」
からかうような普賢の目に真っ赤な顔になった太公望はさぞ滑稽に映っただろう。
太公望はその目から逃げるように机に突っ伏してしまう。
「ねえ望ちゃん、そんなに気になるなら見に行ってみたら?」
「・・・何を・・・?」
ちらっと机と自分の腕の間から隣の彼を覗く。
「望ちゃんの彼氏。崑崙学園へ行けば会えるんじゃない?」
「・・・だれが彼氏だ。それに簡単に入れないだろう。」
すると太公望の前に一枚の紙が差し出された。
「行ってみる?僕この日は用事があって行けないけど。」
それは、崑崙学園学校公開のチラシだった。
*
講堂から説明会を聞き終えて学生達がぞろぞろと出てくる。
その中に、太公望はいた。
受験方法、進路、科目など聞く講習会の後は学園内自由見学の時間となっていた。
太公望はふらふらと、あてもないままさ迷い歩く。
(別に・・・あやつを探しているわけではないぞ。)
自分で言い聞かせるように心中で呟く。
だが文系希望の太公望が無意識に理系の教室や実験室を歩いていたのは事実だ。
これでは楊ゼンに出会ってしまっては言い訳できない。
だがそんな事にも気付いているのか気付いていないのか、太公望は
ずんずんと学園内を歩いていった。
キイ・・・・・・
「・・・・ん?」
ふと、振り向くと通り過ぎた後ろのドアが開いた。
ちらっとパンフを見るとそこは見学可能となっている。
何となく気になった太公望はそこのドアへ入ってみることにした。
*
「おおう・・・・・(汗)」
そこは、何かの研究室らしく机はフラスコや試験管があふれ、
本棚にはびっちりと書類や本で埋まっていた。
間取りから見て他の部屋と同じ作りだろうがいりみだれた実験道具で
なんとなく息苦しさを感じる。
試験管には色鮮やかな薬品が一本には大量、一本には少量と不規則に
入れられている。
しかし、あまり化学を選択していない太公望にとってこれはたんなる
色水にしか見えなかった。
他の見学の学生は誰もいない。
何故か、説明係である大学生もその部屋にはまったく見当たらなかった。
太公望に出来るのは、
「こんなもん何に使うのかのう・・・?」
試験管をふりふりと揺らすことだけだ。
「・・・・・・・・・・?」
すると太公望は急に液体の温度が上がってきたことに気が付く。
そして、
「ぬ、ぬおっ!?」
ぶくぶくといきなり試験管から白い煙と泡が吹き出してきたのだ。
これは素人目でも危険だということがわかる。
慌てて元の位置に置こうとするが机がかなりごちゃごちゃしているため
元の位置も新たに置ける場所もまったく見当たらない。
こうしてうろうろしているうちにもどんどん泡が吹き出す。
(ひ――――!!(滝汗))
吹き上がる泡が最高潮となり溢れ出そうになったその時、
「落ち着いて、手を離してくださいっ。」
頭の上から声が聞こえた。
太公望はその声が誰かということを理解する前に言われた通り手を離した。
すると落ちると思われた試験管はぱっと後ろの誰かが掴みそのまま持っていかれる。
それでやっと太公望は一息つくと、試験管を何事もなく処理する人物に気がついた。
「・・・楊ゼン・・・・・・?」
*
太公望は不機嫌だった。
なんといっても・・・
「いやー、危なかったですね望vなんか勝手に試験管を振って
白い煙を出している時はどうしようかと思いましたけど♪」
なんといっても危険人物楊ゼンに弱みを掴まれてしまったからだ。
太公望はあの後、試験管を処理した楊ゼンに連れられ隣の部屋に来ていた。
そこは休憩室なのか隣続きの研究室なのかわからないが
先程いた研究室と同じような部屋だ。違う所を挙げるとすれば少し大きめな
ソファーがあるということだろう。そのソファーに、今太公望は座っている。
「・・・わしは化学を選択しておらんし。」
太公望はからかう楊ゼンにわずかながらも反撃を試みる。
「へえ?じゃ望は文系なんだ。じゃなんでここの学科を見学しに来たんですか?」
「うっ・・・(汗)」
だが逆に墓穴を掘ってしまった。
すっと楊ゼンの手が太公望の頬が触れる。
「ねえ望?」
楊ゼンはにやりと笑う。
「・・・わかっておるくせに。」
太公望はため息をつき、そのまま降りてくる楊ゼンの唇を受け入れた。
*
「楊・・・ゼンっ・・・・・・!!」
太公望は自分に覆い被さるものの名を呼ぶ。
「・・ちょ・・・やっ・・・・」
「気持ち、良いでしょう?」
楊ゼンはわかっているとでも言いたげに太公望のうっすら桃色に染まった
片方の胸の突起を揉みしだき、もう一方を口に含み舌で嘗める。
それが、何とも言えぬ未知の快感となりもどかしさでつい腰を引いてしまうが
せまいソファーにやんわりと押さえつけられ逃げることもかなわない。
「ほら・・・胸だけであなたのココはこんなになっていますよ・・・?
自分では抜かないのですか・・・?」
楊ゼンはすでに勃ちあがってその存在を誇示している太公望の先端に
爪を立てると先走りがとろっと溢れ出す。
「やだ・・・・っ・・・・・」
顔を真っ赤にしてなんとか手で隠そうとするが太公望の意見も取り入れられることなく、楊ゼンはぱくっとくわえ、裏筋をそろりと嘗めあげた。
「ひゃっ・・・・・っ・・・」
思わず高い声を出してしまい、太公望は慌てて口を手で抑える。
しかし楊ゼンはそんな太公望にお構いなくさらに太公望を攻め立てた。
「でる・・・っ・・・から・・はな・・せっ・・・!!」
「出してもいいですよ・・・?」
太公望は楊ゼンの口の中で出してはいけないと我慢していたが
楊ゼンがくわえたまま話すものだから歯がかすかにあたり、
さらなる快感でとうとう楊ゼンの口の中に放ってしまう。
しかも太公望は自分の放ったものを飲み込み、口を拭う楊ゼンを見てしまい
思わず目に涙が浮かんだ。
「望・・・かわいい・・・・」
楊ゼンは舌で太公望の涙を掬い、力の抜けきった身体を抱きしめる。
「ん・・・・・・っ・・・」
そしてまたゆっくりと愛撫しながら手を降ろし、秘所の周辺を
自分の唾液で濡らした指で撫でじらしながらつぷっと指の先端を埋める。
「いた・・っ・・・・」
太公望は慣れない異物感と生理的な痛みでぎゅっと目をつぶりシーツを握る。
だがその緊張は中に入っている指の愛撫でだんだん緊張もほぐれていき
しばらく経てば十分な柔らかさになっていた。
それを確認した楊ゼンは指をすっと引き抜き、代わりに自分をあてがう。
「望・・・力を抜いていてください・・・・」
そのまま先程まで指で弄っていた所にゆっくりと自分を入れていった。
だが太公望は予想外の質量にさらに身体を強張らせる。
「やだ・・っ・・・そんなの・・・・はいらない・・・っ・・・」
なんとか楊ゼンは全て入れることができ、一度ゆっくりと息を吐いた。
太公望はもう一度何とか逃げようとするががっちりと押さえ込まれてしまっていて
逆に腰を動かすようなかたちになりさらに前立腺が刺激される。
「・・・くぁ・・・・・っ・・・」
さらに抽挿される楊ゼンにだんだん押さえ気味だった喘ぎもだんだん
大きくなっていく。
楊ゼンの動きに太公望の小さな身体は揺さぶられ、大きめなソファーも
ギシギシと悲鳴をあげる。
「・・・やっ・・・・もうっ・・・!!」
「望・・・っ・・もう少し我慢して・・・・っ・・・」
もう限界が近い太公望の膝を胸につくまで折り曲げさらに結合を深めた。
そして激しく楊ゼン自身を抜き差しする。
「いいですよ・・・っ・・・望・・・・いっしょに・・・っ・・・」
楊ゼンが太公望を手で扱きぐりっと奥深くを突き、
「ああぁぁあああああ!!!!」
そのまま2人同時に果てた。
*
「・・・で、何故にいきなり姿を消したのだ。」
太公望が目を覚ました時、すっかり日は暮れて見学の学生達は太公望以外
皆帰路についていた。
太公望の身体はまったくといっていいほど動かなくなっていて
楊ゼンにおんぶされ車に向かっている。
「何故って・・・あれ?伯母さんから聞いていませんでしたか?」
「何を?」
痛む身体を何とか動かし自分を背負う楊ゼンを見下ろす。
「望の家に行けなかったのはちょっとレポート出さなくてはいけなくなって
実験をしていたからです。あと引越しの準備もしていましたから。」
「引越し?どこへ?」
太公望は何気なく聞いただけだろう。
「あなたの家に決まっているじゃないですか。」
だがその言葉で太公望は楊ゼンの背中から滑り落ちそうになった。
「な、なんだとぉ!?(混乱)」
「いやー望の家は大学から近くて楽なんですよね。
それに望と一緒に暮らせますしvv
これからずっと一緒ですよ♪」
「・・・・・・・・ほう。」
そんなことをのうのうとほざいていた楊ゼンには見えなかったのだろう。
握りしめる太公望のこぶしが怒りで力強く震えていたことが。
「来るなこの変態!!(怒)」
そして思いっきり油断していた楊ゼンの頭に太公望の怒りの鉄拳が
入ったのは言うまでもなかった。
終わり
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