天女のいる空は

 

心森の奥にある泉で

天女が水浴びをしていたら

君はきっと

 

仙界大戦が終了した。結果、師叔が聞仲を倒し、

崑崙側の勝利に終わった。

しかし、多大な被害を出し仙道達は友人…師匠…愛する人を失った。

僕もこの戦いで父、師匠を失った。

この戦いで勝った者はいないと思う。

                    楊ゼン・談

「武吉くん、師叔は?」

「お師匠様ならあっちに…でも…。」

「でも?」

「一人にしてくれって。とても心配です。」

少し歩いた所で師叔はうずくまっていた。

そのまわりには心配しているほかの仲間達が師叔を精一杯

励ましていた。

 

スースは大切な親友である普賢真人様を亡くし、

自分のミスでこんなにも関係のない仙道を亡くしたと

落ちこんでいるものと思っていた。

だから、俺っちもコーチや親父を亡くしたからその気持ちは

痛いほどわかっていたつもりだった。

だから今だ立ち直れないスースを励まそうとしていた。

しかし、言えば言うほどスースは落ちこんでいく。

だから仲のいい楊ゼンさんが通りかかったから

もう大丈夫だと思った。

                    天化・談

「楊ゼンさん!!あんたもなんか言ってやるさ!!!」

しかし、楊ゼンはちらりとこちらを見てから何もなかったように

通りすぎて行った。

 

今すぐに抱きしめてあげたかった。

小さな身体…もろく崩れやすい心…

でも僕は敢えて声をかけなかった。

あの人は…そういう所を見られるのは嫌だろうと思ったからだった。

                          楊ゼン・談

「楊ゼン…すまぬ…。」

 

親友である普賢を亡くし、多くの仙人が封神され、

わしは…どうすることも出来なかった。

確かに聞仲を倒した。しかしそれでみんなが戻ってくるわけではない。

わしは1人でいたかった。

だから天化が楊ゼンを呼んだ時、楊ゼンが声もかけずに去って行ってくれたことが

…嬉しかった。

                          太公望・談

 

君はきっと

見ないふりをして

そのまま通りすぎて

いくのでしょうね。

それが君の優しさなら

きっと天女は

生まれてはじめて

恋≠ニいうものを

知るでしょう

                               続く

 
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