T・Kさんの証言

「・・・・あんな恐ろしい技は初めて見たさ・・・。なんつーか・・・

一生の恥ってやつ?」

 

G氏の証言

「あの子は・・・・完璧を求めすぎたんだよな・・・・・(遠い目)」

 

それは、ふとした太公望の疑問から始まった。

 

 

ふくらはぎの秘密

 

 

「のうのう楊ゼン、ちょっと聞いていいかのう?」

別にどうって事の無い休日。

気持ちのいい風が吹く中、太公望と楊ゼンは中庭に出してあるテーブルを囲んでいた。

周りでは天化や雷震子、周の仙道たちが思い思いに日光浴を楽しんでいる。

しかし楊ゼンは太公望の隣で休日だってのに残った仕事をしている。

ちなみに太公望は彼を手伝うこともなくぶらぶらとしていたが。

声をかけられ楊ゼンは筆を止め太公望の声がしたほうへ向くと、声の本人が自分の方を

期待に満ちた目で見ている。

「なんです?」

楊ゼンはにっこり笑って尋ねてみると太公望はくりっとした大きな目で

自分を見上げながら疑問を口に出した。

「初めておぬしに会った時、姐己変化をしていたであろう?

あの時言っていた「せくしぃふくらはぎ攻撃」とは一体どういう技なのだ?」

その瞬間、周りの空気が一気に固まった。

普通にしているのは楊ゼン、

「ど・・・どうしたのだ一体?(汗)」

いきなりの展開に困惑しているのは太公望。

周りにいた若い道士たちはぴたりと固まってしまったのだ。

「お・・・俺っちトレーニングに行ってくるさっ!!」

「俺ちょっと用事が・・・・」

「ちょっとどこ行くのよハニー!!」

そそくさと天祥を連れて天化は城の中へ入っていく。

雷震子が大きな黒い羽で中庭から逃げ出す。

土行孫は有無を言わず、土の中へ潜っていく。

「な・・・なんなのだ?(汗)」

そして残ったのは、問題提起をした太公望とにっこり笑顔の楊ゼン。

「師叔、『セクシーふくらはぎ攻撃』ですね。わかりました。今用意しますv」

語尾にハートマークがついたことで一気に太公望の不信感が高まる。

「いや・・・やって見せてくれと言っている訳じゃなくて、こう、言葉で

教えてくれないかのう?」

「やだなー師叔、そんな遠慮しなくてもvそれにこれは言葉だけでは説明できませんよ。」

太公望は嫌な予感がしたため穏便に済むよう、口での説明を望むが

楊ゼンはさらりと却下してくれる。

そして、

「よっ楊ゼン!!何故いきなり脱ぎだすのだ!?」

いきなり周軍軍師補佐は明るい太陽の下で、自らの服を脱ぎだしたのだ。

これにはさすがの太公望も慌てて止めようとするが、楊ゼンは聞く耳を持たない。

「いやー師叔に見てもらえるなんて光栄ですね。ちゃんと衣装とっといてよかった♪」

「衣装!?」

楊ゼンはさらりと問題発言をするが彼にとって特に問題は無いらしく、どこからか出した

きらきらと光に反射する紫ラメ入りの布を取り出す。

そしてかなり着慣れているのか楊ゼンはあっという間にその姿になった。

「どうです!?」

太公望にどういうコメントを望んだのかわからないが、楊ゼンはびしっ!と

ポーズをつけた。

「何がどうですだだあほっ!!(怒)」

そう、チャイナ服姿で(死)。

「お主はこんなキャラだったのか・・・・・。」

いきなりの楊ゼンの行動に太公望は思わず頭を抱える。

しかもなかなか似合っているところがかなり怪しい。

「ほらほら師叔、今からあなたが所望したものを見せますからちゃんと前向いて。」

「もう見たくない・・・・。」

チャイナ姿の楊ゼンは座り込んでしまった太公望を立たせてから、

太公望が良く見えるように数歩離れる。

「じゃやりますよー・・・って師叔、頼んだ本人が目を逸らしてちゃダメですってば。」

なるべく見ないようにと太公望は目を逸らしていたが、そう言われてしまい

渋々顔を上げる。目の前には紫ラメ入りチャイナ服の楊ゼン。

何となく、太公望は他の皆が逃げていった理由がわかった気がした。

「のうのう楊ゼン、その技は姐己の姿になったほうがよいのでは?」

「どうしてですか?」

「・・・・・・・もういい・・・・・・。」

言葉の裏でその姿でその格好はおかしいと言いたかったのだが、

どうやら楊ゼンに伝わらなかったらしい。

ほぼあきらめてはいたが、改めて当然のように聞き返されては

答える気力もなくなるものだ。

「じゃやりますっ!あなたの愛のためにっ!!」

「いやせんでいいせんでいい。」

かなり張り切る楊ゼンに太公望はパタパタと手を振る。

しかし、やる気満々(笑)の楊ゼンにはブレーキがかかるどころか

アクセル全開だ。止める気など毛頭ないだろう。

そして、それは起こった。

「セクシーふくらはぎ攻撃っ!!」

ぴらっ

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

爽やかな風が葉を揺らす。かさかさとゴミが音を立てながら転がっていく。

太公望はその攻撃を見た瞬間、現実から逃げたくなった。

そう・・・楊ゼンは、なんとも恐ろしいことにチャイナ服のスリットから

自らのふくらはぎを出したのだ。しかもセクシーに。だがただそれだけ。

あまりの出来事に自分の目が腐るのではないかと太公望は目をこする。

「・・・・・・・・で?」

太公望は半眼で楊ゼンに先を促す。見たくは無いが多分その先があるのだろう。

「ああっ効かない!?」

だがその太公望の冷たい様子に本気で動揺する楊ゼン(笑)

「効くかダアホ!!つーかそれで終わりかい!?」

太公望はげしっと思いっきり楊ゼンを蹴り倒す。

なかなか痛い所を突かれた楊ゼンは怯むことなく胸を張って

「そうですっ!」

自信満々に言う。特に意味は無いが。

「さあ、僕の美脚に敵が見惚れて動けないでしょう!?」

そこまで聞いて、太公望は急にテンションが下がり肩を落として

ぽんっと楊ゼンの肩を叩く。

「・・・・・あのな、楊ゼン。馬鹿と天才は紙一重と言うが今のお主は

馬鹿を通り越して変態だぞ?更生は難しいかもしれんが今から始めても遅くないから

やってみないか?」

「やめてくださいよ師叔・・・・照れるじゃないですか。」

「いや、誉めてないし。(キッパリ)」

やはりチャイナ服姿でどこをどう解釈したのか照れる楊ゼンに太公望はきっぱりと言う。

どうやらこの自意識過剰色物一代男にはそうでなければ通じないだろうと学習したらしい。

「わかってますよ師叔・・・・あなたの心の奥では僕の美脚で動揺していることを・・・。」

しかし、その学習が実際効果あるとは限らない。

「ううむ。いや、おぬしの格好には正直動揺しておるが。」

「そんな遠慮せずにv」

何の遠慮だ。

「ほら師叔っ僕はこの技のためにレーザーで永久脱毛したからこんなにツルツルっ。」

と言いながら楊ゼンは自分のふくらはぎをさらに見せる。

「・・・・・・ああ、そうか。」

太公望はその言葉で納得した。

「楊ゼン、おぬしはきっとそのレーザーのせいで頭がおかしくなったのだな?

そうなのであろう?」

太公望は縋るように楊ゼンを見上げたが、楊ゼンは期待を余裕で裏切る。

「・・・いいえ?別にこれが普通ですけど。」

その言葉で、太公望にどっと疲れが溜まった。

「・・・・わかった。もういい・・・・(疲)」

「あっ師叔、」

そのまま背を向けた太公望にチャイナ服の楊ゼンが呼び止める。

実はさっさとその場を立ち去りたかったが後から面倒なことになるので

渋々後ろを振り向くと、

「・・・・・・・・へそ出し・・・・・・・?」

そこに立っていたのはチャイナ服ではなく今度はへそ出しルック(死)の楊ゼン。

初めにいつの間に彼は着替えたのだろうかとどうでもいい疑問がよぎり、

ああ、きっと変化を使ったんだという答え、さらに何故先程は変化を使わないで

いきなり脱ぎだしたんだという疑問、そう言えば彼は露出狂だったかという答え。

それらが太公望の頭の中に泡のように浮かんでは消え、浮かんでは消え、それが繰り返された。

そんな太公望の心の葛藤があるのも知らない楊ゼンは必死な表情で太公望を引き止める。

「師叔待ってくださいっ!実はまだ『プリティーへそ出しアタック』とか

『ビューティフル乳首ボンバー』とか・・・!!」

だがその必死さとは裏腹に楊ゼンの口から出たのは「ふくらはぎ攻撃」の姉妹品。

「・・・・・・もういやじゃーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

・・・・・・暗転。

 

 

 

「・・・・・・ぁあ?」

体中が汗だらけで気持ちが悪い。

窓からは白い光が差し込んできていた。

周りを見渡せば、そこは自分の寝室。

太公望はとある事実に気付く。

「・・・・・・・・夢オチ?」

最悪だ。太公望は今まで見ていたものは自分の夢だったことに気付いた時の

感想はこの一言に尽きる。

「・・・やっぱりそうであったな。楊ゼンがそんなことをするはずが無いであろうし。」

太公望は起き上がって背伸びをする。

あんなことが現実にあってはならない。

そう・・・決し・・・

ばんっ!!

「師叔!!」

いきなり楊ゼンが自分の部屋に入ってきた。しかも、

 

メイド姿で(死)

 

「師叔!!新しい僕の必殺技が出来ましたっ!!その名も『ピュアー・・・』」

「もういやじゃーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

そして朝一番、周に太公望の声が響き渡ったのだった。

 

終わらせてください・・・・。

 
プラウザバックでお戻りください