学校へ行こう!!
キーンコーンカーンコーン
「今日の授業はここまでにしておくよ。」
僕の大好きな世界史の時間が終わった。
そして、教科書をまとめている彼にゆっくりと近づいた。
「太公望先生。」
彼の意識が教科書から僕に移る。
「ん?どうした、楊ゼン。」
「聞きたいことがありまして。」
「どれ。」
師叔は僕が差し出した教科書を覗きこむ。
「………っぶ…!!」
そして思わず吹き出した。
「…教科書になんて事を書くのだ。(////)」
僕の教科書のある一点を指す。
「返事が欲しいのですが♪」
彼はしばらく考え込み、そして
「…家の人には言ってあるのか…?」
「はい♪」
僕は師叔のお許しを頂いた。
*
現在僕は高校3年、生徒会長をしている。
他の人から見れば成績優秀、しかも超美形である僕は魅力的なものらしく
告白されたのも数限りなく靴箱の中から出てきた手紙はこの2年間で星の数を超える勢いだ。
しかし、いくら手紙を見ても、いくら告白されても僕の心を動かす人は現れなかった。
こうして2年間がただただ流れていくだけだった。
だが、3年の始業式…世界史の先生として新しく師叔がやってきたのだ。
僕は…一目で好きになった。
男だということは頭の上では理解していがどうしてもこの想いは止まらない。
一時期は勉強する手も止まったほどだ。
そしてある日の夜…生徒会の仕事で1人夜まで残っていて
帰ろうと宿直室の前を通るとそこの明かりがついていることに気付いた。
そっと見た時、そこに師叔がいたのだ。
後日聞くと仕事をしていたら帰るのが面倒になり、宿直室に泊まっていたと言う。
黙々と1人で仕事をこなす師叔を黙ってみていることは出来なかった。
抱きしめて、僕の気持ちを伝えて…
「ヤっちゃったんだよなー…。」
誰もいない廊下で1人ぼやく。
師叔は最初断ってきたが(もちろんだと思うが)
それは先生と生徒と言う立場上のことだと思っていた。
だが、先生が生徒に強要しているのではなく生徒が先生の上に乗っている。
それも同性。
何の問題もない(?)。後は僕が大学に入り次第同棲しようという
計画まで立てていたが…思わぬ障害があった。
その障害とは…
「楊ゼン♪」
「わぁ!!!」
ぼーっと僕と師叔の明るい未来のために障害物への対処法を
考えていた時に、いきなりその障害物本人に声をかけられ
思わず後ろに飛びずさる。
「普賢…先生…。」
「どうしたの?とっくに下校時間過ぎてるから
帰ったほうがいいんじゃない?」
普賢先生は知ってか知らずか僕が師叔のところへ行こうとするのを邪魔をする。
「いえ、仕事も残ってますし太公望先生にも用事がありますから。」
「ふーん…じゃこれも頼むねv」
その時、どこに持っていたのか大量の書類を僕に渡した。
「はぁ…。」
もちろん断れるわけもなく、生返事を返すとそれに満足したのか
「じゃーねー♪」
テテテっと軽い足音で僕から離れて行った。
しかし数歩歩いた所で振り返り、にっこりと笑顔で
「あ、終わったら玉鼎に渡してね、4階の視聴覚室にいるからv」
…前言撤回。絶対この人は知っていて邪魔をしている。
宿直室と視聴覚室は渡り廊下を挟んで思いっきり逆方向だろう!?
だが普賢先生はもう既に姿は消えている。
僕は仕方なくとぼとぼと生徒会室に向かうことにした。
何となく悲しい気分で。
*
「で、望ちゃんは何であんな男がいいの?」
「何でって言われてものー…ってなんでおぬしが知っておるのだ!?」
わしは楊ゼンにあの行為の予約を受けてしまったため
黙って帰るわけにもいかず、するにしてもしないにしてもとりあえず
いつもの宿直室で待っていた。
戸が開いた時、思わずうれしそうな顔をしてしまい
しかも入ってきたのは楊ゼンではなく普賢であったため
余計にバツが悪い。
「年下だしーナル入ってるしー自信家だしー望ちゃん趣味悪いよ?」
「趣味悪いって…だからなんでおぬしが知っておるのだ。
それにおぬし家が遠いのであろう?帰らなくてもいいのか?」
「大丈夫大丈夫。楊ゼンはまだ来ないって。〆切が明日のやつからあと2ヶ月のまで
全部ごちゃ混ぜで提出期限言わずに問答無用で渡してきたから。」
「鬼だなおぬし…。」
わしは思わずうめくと
「だって…こうでもしないと邪魔が入るし…。」
「邪魔?」
不思議に思い、普賢の顔を覗きこむと
「ぬおっ…!?っぶ…っ」
服の胸元を掴まれ、無理矢理口付けされたのだ。
もちろん、唇が触れるだけのものではない。普賢の舌がわしの口内に差し入れられる。
「…っふ…ぅ…」
わしは何とか押し返そうとするが、どうも力が入らずびくともしない。
わしの背広が落とされYシャツに手が伸びる。
(…こんな所を…っ…に見られたら…)
わしは誰かに見られるのが嫌だった。
しかし…その誰かとは誰なのだ?
だが、その疑問も考えている暇もなく普賢はどんどんYシャツのボタンをはずし
わしの首筋に唇をつけ、わざとわしが見えるような所に痕を残す。
「や、やめん…っか…」
それでも止めることなく、手をわしの胸に滑らす。
「っ…く……」
霞みがかかってくる意識の中で足音が聞こえ、
ガラッと戸が開け放たれるような気がした。
「師…叔…?」
*
「武吉くん、ありがとう。手伝ってもらって。」
「いいえ、構わないですよ。何だかその中に僕の仕事や会計の仕事とか
ごちゃ混ぜになってましたし。」
すっかり日は落ちかけ、あたりはだいぶ真っ暗になってきた。
普賢先生に言いつけられた仕事をしようと生徒会室へ行ったら
偶然書記である武吉くんに会い、僕が手に持っていた大量の書類を見て手伝ってくれたのだ。
「でも楊ゼンさんはすごいですね。〆切が2ヶ月後の仕事までやっちゃうなんて。」
僕はその言葉を聞いて思わず吹き出す。
「2ヶ月後って…!?」
「え?予算審議案とか全校協議会の計画とかの〆切は7月の4日ですよ。」
「あんのエセ天使め〜!!」
僕は武吉くんに終わった書類を持って行ってもらい師叔の待つ宿直室に向かう。
(まあこれで師叔に会える♪)
そして宿直室の扉の前まできたとき、変な声がした。
「や…っ…ふ…っ」
扉を開けた時、そこには服を乱し、普賢先生に前戯をほどこされている想い人がいた。
「師…叔…?」
*
楊ゼンが普賢を追い払った後、気まずい空気が流れる。
その空気にわしはだんだん耐えきれなくなり
「楊ゼン…あのだ…っふ…!?」
声をかけた時、先程の普賢のように無理矢理口を塞がれた。
いつものような優しいキスではなくかなり強引で激しさが見え隠れするような口付け。
「や……っ」
何とかこの性急なキスに抗議の声をあげるがそれは楊ゼンには届かない。
制止の声も楊ゼンには喘ぎにしか聞こえないのか、
乱暴な手つきでYシャツのボタンをひきちぎられ、露になった肌は
長くて白い楊ゼンの指で愛撫される。
だが、その手つきは何かを探すような…
「………あった。」
その手は普賢につけられた痕を指し示していた。
「………?」
わしが不思議に思うと、いきなり楊ゼンは同じ場所に吸うような口付けをし、
自分の痕へと変えた。
「あの人の痕を…全て僕のに変えてあげますよ…。」
「な……っ…あ…っぅ…」
どんどん楊ゼンはわしの痕を自分のものへと変えていく。
その行為は獣じみていて…顔をそらさずにはいられなかった。
「楊ゼ…っ…や…」
楊ゼンの性急な動きに耐えられず、非難の声をあげるがやはり楊ゼンは
聞かない…いや、届かないのか…。
その時、いきなりベルトがはずされ、ズボンが下ろされる。
「な…っ…!!」
びっくりしてわしは楊ゼンを押し戻そうとするが力が入らず髪をつかむだけに終わる。
そんなわしの必死の抵抗もためらいもなくわし自身をつかまれたため封じ込まれた。
楊ゼンの手の巧みな動きに意識がぼんやりとしてきた時、
「っあぁぁっ…!?」
楊ゼン自身がいきなり挿れられてきたのだ。何の前置きも許可もなく。
「い…っつぅ……」
「師叔…っ」
わしの抗議の声も構わず、どんどん中に入れられてゆく。
痛みと快感と…なぜかはわからないやるせない気持ちで泣きたくなった。
実際泣いたのかもしれない。楊ゼンの舌が目元に触れる。
そして…わしの意識がとんだ…。
*
気を失っている師叔の胸に水滴が落ちる。自分の涙…。
一番恐れていた。
自分の中に飼っている獣…。
理性という鎖で繋いでいたはずなのに…。
普賢先生が師叔にしている所を見て、どうしようもないぐらいの嫉妬に駆られた。
自分でも…抑えきれないほどの…。
「ん…よぉ…ゼぇン…」
僕の下に組み敷いている彼が目を覚ます。僕は思わず目をそらしてしまう。
(この人の顔が…まともに見れない…。)
「すみません…。」
その時だった。
「…そんな科白を吐くということは…正気に戻ったようだのう?」
垂れ下がった髪を引っ張られそのまま…触れるような軽い口付けをされた。
「すまなかったな…不安にさせて…。」
そのまま、ぎゅっと抱きしめられた…。
「師叔…!!」
僕も師叔の小さな身体を抱きしめかえす。その一言で救われたような気がした…。
*
「せーっかく破局に導けたと思ったのにー。」
「…人を不幸に導くんじゃない。」
実際あの時は最後までするつもりはなかった。
しかし、もっと望ちゃんに悪戯をしていたかったのは事実だけど。
「楊ゼンを引き離しておいて、その間に望ちゃんにちょっかいをかける!
『三角関係に持ちこんで最後には僕がかっさらおう作戦!!!』失敗かー。」
「どういう作戦だ…。」
隣でグチに付き合ってもらっている玉鼎が書類をチェックしながらうめく。
さっき僕が楊ゼンに押し付けたやつだ。
「そのまんまだよ?」
「どうでもいいが、人の心を傷つけるようなことはやめなさい。」
「じゃあ、次は『直接アタックvv当たって砕け!!望ちゃんメロメロ
楊ゼンボロボロ大・作・戦!!』を実行しよう!!!」
「ちょ…それもどうかと…。」
僕は具体的な作戦を立てるために制止する玉鼎を無視して駆け出したのだった。
終わっといてください…。
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