あの時、あの場所、あの人と見た空は、どこまでも青く高くつながっていた。
彼と一緒なら、なんにでもなれる。
彼と一緒なら、どこまでもいける。
それを、あのすいこまれるような青は教えてくれた。
至上の青
狭く暗い階段を上り、昔行事で使ったらしい張りぼてを乗り越え、鍵がかかった扉を無視して
横の鍵の壊れた窓から出ると、かび臭い匂いから清々しい薫風に包まれる。
そこは彼との待ち合わせ場所であり、絶好のサボり場所だった。
楊ゼンはいつものルートを通り、風が通るあの場所へと身軽に降り立つ。
「師叔。」
姿は見えないが、楊ゼンは確信を持って広がる光景に向かって平然と言い放つ。
しかし、返事はない。
『・・・札幌、風力3、快晴、227、小樽・・・・』
風に乗って、どこからかラジオの天気予報が流れる。
楊ゼンはくるりとあたりを見回し、音が流れる方向を探る。
昇降口からだ。
そして、なんの躊躇いもなく楊ゼンははしごを上る。
「師叔。」
さらにそこから高いところで、太公望はいた。
彼の側には淡々と天気予報を伝えるラジオと勉強道具一式。
そして、彼の手元には日本地図。
太公望はラジオに耳を傾けながらおもしろくなさそうに地図に書き込みつづける。
まるで、楊ゼンの声が聞こえなかったかのように。
「師・・・・・」
もう一回、彼を呼ぼうとした時、太公望の瞳が嫌そうに楊ゼンを睨む。
『話し掛けるな。』
そう言っている視線は楊ゼンを黙らせた。
楊ゼンは諦めたように息を吐いて、太公望の隣に座る。
グランドからたまに聞こえる掛け声と天気予報の声しか聞こえない、
そんなゆったりとした時間が流れている。
たまにちらちらと楊ゼンは太公望の様子を見る。
太公望はあいも変わらずおもしろくなさそうな顔で日本地図に向かっている。
(おもしろくないならやめればいいのに。)
楊ゼンも適当に教科書をめくりながら2回目の溜息をつく。
太公望と楊ゼンの関係。
親友以上恋人未満。
彼らの関係は一言で言うなればこうだろう。
教科書を閉じ、空を見上げた楊ゼンの目に、この雲1つない青い青い空が広がっている。
授業が終わるまで、残り25分。
続きます。なんかこれ・・・師叔一言もしゃべってないっス・・・
私も天気図好きです。ただ書く暇と白地図が無い上にラジオが調子悪いので今だ実現ならず。
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