現れたのは、悪の魔女セット(黒いローブ・杖)を着ていた姐己であった。
「それは悪の魔女聞仲ちゃんではなくて、悪の魔女ロボット聞仲ちゃんよん。」
『何―!!!』
犬楊ゼンとわしの声がハモる。
確かに死にかけ猿武成王に引っ付いている聞仲の頭にアンテナがついていた。
「で、そのリモコンがここ♪」
姐己がどこからかリモコンを取りだし、
「聞仲ちゃん!!そのまま猿武成王ちゃんを絞め殺すのよん!!!」
と、レバーを倒したときそれが起こった。
*
「…絞め殺せって…何か愛の逃避行にしか見えんが…。」
「あらん?」
ロボット聞仲はいったん離れ、猿武成王を担ぎ上げて逃げていった。
姐己はあることに気付き、リモコンの電池を入れてある所のふたを開いた。
「…電池、入ってないわん…。」
「…ではロボット聞仲はどうやって動いているのだろう…。」
「思考回路はストップさせているはず…。」
わしは姐己の言葉によって恐ろしい結論に達した。
「ということは…本能?」
『……………………』
長い長い沈黙が訪れる。
わしと姐己はおもむろに遠くの空を見る。
「ありがとう、ロボット聞仲ちゃん…。」
「さらばだ、猿武成王…。」
そして2人で
『けっして2人のことを忘れない…。』
と、やっぱり涙を浮かべてみる。
遠くの空で星が光った。
「…これでよし。」
「万事オッケーねん。」
「星って今昼なんですけど…。」
犬楊ゼンがうめく。
犬楊ゼンを無視してわしは姐己の方に向き直る。
「さて姐己!!!とうとう雌雄を決するときが来た!!!」
「そうねん!!セクシー袋はぎ攻撃でメロメロよん!!!」
と、火花を散らしていたら犬楊ゼンがいきなり震え出した。
「…セクシー袋はぎ攻撃は…僕のものだーーーーー!!!!!!」
と、犬楊ゼンは訳のわからないことで怒り出した。
そして、
「あなたを倒してわらわが本物の姐己になるわん!!」
犬楊ゼンがいきなり姐己変化をした!!
「セクシーポーズ対決で勝負よん!!」
*
「めちゃくちゃだのう、この世界も…。」
わしはセクシーポーズ対決を見ていたら急に疲れてきて
ため息をついた。
「ったく、この世界を作ったやつの顔が見たいもんだ。」
わしがぽつりと呟いたら、
「はい、望ちゃん。鏡だよ♪」
いきなり普賢が現れ、わしに鏡を渡した。
「ふ、普賢!?なんでここにおるのだ?というか鏡って…?」
「やだなぁ望ちゃん。作ったやつの顔が見たいって言ったでしょう?
この世界を作ったのは望ちゃん自身だよ。」
「わ、わしが?」
「そう。これは望ちゃんが作った心の中の欲望。
実際この世界は望ちゃんの夢の中だけど夢は心をうつす鏡と言うからね。
つまり、普段は特に何も言わないけれど
望ちゃんの心の奥底ではこんな世界を望んでいるんだ。」
普賢はアリスになったわしの姿を見て
「これが望ちゃんの欲望?」
と、くすりと笑った。
その瞬間、わしの目の前は真っ暗になった。
*
「!!!!!!!!!!!!」
わしはいきなり目が覚めた。
そこは、いつものわしの天幕であった。
ゆ、夢…?
わしの寝間着は汗でびっしょりと濡れている。
あんな世界や姿がわしが望むもの…?
呆然としていると、ぼそぼそと耳元で何かが聞こえた。
「…師叔は僕がいないとダメ…師叔はいつも僕と一緒…。」
「…太公望はアリスちゃんになる…太公望はアリスちゃんになる…。」
右の耳の方に楊ゼン、左の耳の方に蝉玉がよくわからないことを呟いていた。
楊ゼンが隣に気付いたらしい。
「太公望師叔は僕に惚れさせるから邪魔をするな!!!」
「アリスちゃんのほうが楽しいでしょ!?そっちこそ邪魔しないでよ!!」
…ようやくわかった。あの夢を見た理由が…。
「お〜ぬ〜し〜ら〜…。」
わしはゆっくりと起きあがり打神鞭をとった。
「わしで遊ぶなーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
楊ゼンと蝉玉は仲良く飛んでいったのだった。
終っといてください…(泣)
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