とまと



光鈍く映す
その柔肌にかぶりつき
醜く変形させた

赤いやわらかな 体の内
歯型の醜い傷口からは 淡い血色の液体が出る
鉄の様な味を感じさせて
あふれ出る

口の無い体
叫び声は聞こえない
意思も無い体
醜い傷口は増え続け
つややかな肌は痛みを負う

歯跡を つける部位は無くなり
緑の髪の様な 葉が残る
唯一の反抗
それは食べれない場所があること
弱々しく意味も無く
ほぼ全てが 食べられ
犯された


とまとは 葉を残され
捨てられた


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