短歌・俳句

我共に(新規更新)
業火へ行きし
夏虫よ

春風が(新規更新)
癒すがごとく
吹きすさみ

夏の日に
上がりし二ツ
キノコ雲

常夏の
ジャングルの中
キリングデイ

とりあえず
渇き続けて 生きていく

生まれ出で
淡々と行く
死への道

この時を
わからないまま
歩みゆく

今はただ 飯を食らう
屠殺の豚

原爆の
光によりて
影となり

元々は

火葬場の煙

何も知らず
何もわからず
今はただ
何もできずに
がんじがらめ

雨の中
恵みと知らず
傘をさす

春が来て
雪は解けるが
心は解けない

空腹で
満腹なのに
空腹で
食えないものを
食っている

俺を
じっと見る
脳死蛙

雨にぬれ インクがにじみ もう読めず なくなりゆくは 思い出たちよ

生命を
形作る
遺伝子の歌

殺される
ために生きてる
白ネズミ

聖夜にて
王たちが望む
異人の死


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