春風



春風が
僕の密室に吹いてきた

心の中
冷たい風は癒そうとした
泥の様な疲労を自らに
載せ
硬化した体を溶かそうとする
一片の花びらを机の上に置き
気づかせた
改めて

開放感を
密室は気づいたらもうない
風はまだ吹き続ける
目と閉じ
心を遊ばす

風と共に
心は歩き続けるだろうから



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