不意に 厚く黒いベールが
全てを覆い

言葉が
気が
沈み込む
そのベールが酷く重く
苦しく
逃げ出せないために

狂ってゆく
狂ってゆくのが
わかる
噛み合わさっていたはずの
体の歯車と
心の歯車は
抜け落ち どこかへ転がって行く
その音を聞いた

隣人は囁いている
「あの人には近寄らない方がいい」
鬱が正気を壊したから、と


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