鏡の間
今、自分は
三方に鏡を張った
半畳の部屋に座している
自分はいる
三方の自分と共に
能での役をなすがために
ここにいる
自分は
ここに
存在する
鏡の我々は
自ら
自らは
鏡の我々
自分はなくなる
面をつける
般若となる
我は般若
頭にある
唯一の概念は
我は般若
我は般若
きらびやかな衣装をまといし
般若なり
舞台にて
舞いし般若なり
我は般若なり
それ以外にあらず
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