食肉



白い筋の入った
赤いパック詰された『食肉』という死体の前にいる
喰われるために死体が並んでいる
おどろおどろしさもなく
生命も感じさせないように
抵抗なく喰えるように
死体の細切れは並ぶ

死体は俺たちが食う
俺らが強いからじゃない
腹が減るからだ


合掌する


彼らと彼女らに
精肉された死体たちに
精肉された生命の魂は浮かばれない
俺たちがどうおいしく味わっても
ただこう思うだけだろう
「殺された」と

自分はせめて 彼と彼女らの死肉を
噛みしめて
合掌する


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