河童の子供



彼は産まれたくないと言いました。
我々人間は、生まれるときに無く赤ん坊を歓声を上げていると思うのに。
産まれていない河童の子供はそう言いました。
あれは悲しみだったのでしょうか。


ですから注射により、たちまちいなくなったのです。
お腹は産まれないままに、しぼみました。
彼はどこに行ったのかわかりません。
死んだのでしょうか。
別の親の元に行くのでしょうか。
天国へ、地獄へ行くのでしょうか。
消え去ったのでしょうか。
わかりません。

ただ、生まれる前に、産まれるのは不幸だと言ったのです。



どうなのでしょうか、我々は。
ありとあらゆる面で。

幸福に気づかないのは不幸ですが、不幸に気づかないのも不幸なのでしょうか。
わかりません。


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